Linkexpress Replication optionのチューニング項目には以下があります。これらは、Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルに指定します。
トランザクションログファイルへの書き込みバッファ枚数の指定 (REP_TRFW_BUFF_NUMオペランド)
差分ログ処理単位の指定 (REP_DLF_WRITE_MODEオペランド)
差分ログファイルの書き込み保証処理の並列化の指定 (REP_DLF_SYNC_PNUMオペランド)
有効ログ範囲の指定 (REP_RELLOG_RATEオペランド)
トランザクションログファイルへの書き込みバッファ枚数をLinkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_TRFW_BUFF_NUMオペランドで指定します。本バッファを拡張することで、トランザクションログファイルへの書き込みバッファの枯渇削減、トランザクションログファイルへのi/o処理を軽減することができます。
バッファ枚数1000から始めて、利用者プログラムの処理時間、およびトランザクションログファイルへのi/o処理に効果があるまで増やしてみてください。
なお、トランザクションログファイルへのi/o負荷が低い場合、効果のでない場合があります。
バックグラウンド処理における差分ログファイルへの書き込み保証処理の実行単位をLinkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_DLF_WRITE_MODEオペランドで指定します。本オペランドに“MULTI”を指定することで、適切な単位で差分ログファイルへの書き込み保証処理を行い、バックグラウンド処理が効率的に動作します。
一定時間内に発生するトランザクション数が多い場合(例:最大が数十TPS)に、“MULTI”を指定してください。
差分ログファイルへの書き込み保証処理の並列数(複数のCPUまたは複数のコアが必要)をLinkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_DLF_SYNC_PNUMオペランドで指定します。一度に大量のトランザクションが発生し、かつ複数の差分ログファイルに対して差分ログを取得する場合に効果があります。
以下を目安に見積もります。
REP_DLF_WRITE_MODEオペランドの | REP_DLF_SYNC_PNUMオペランド指定値の |
---|---|
“SINGLE”を指定した場合 | トランザクション内で対象となる差分ログファイル数の最大で見積もります。 |
省略した場合 | |
“MULTI”を指定した場合 | お客様業務単位内で対象となる差分ログファイル数の最大で見積もります。 |
Linkexpress Replication optionでは、Symfoware/RDBのダウンリカバリ処理が発生すると、Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理を行います。
このダウンリカバリ処理の処理時間は、トランザクションログファイルに差分ログファイルへの転送待ちとなっている差分ログ(リカバリ対象ログと呼びます)の量に依存します。有効ログ範囲の指定は、Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ時間をできるだけ一定にしたい時、またはクラスタシステムの切替え時間内にLinkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理時間をできるだけ抑えたい場合に指定します。
Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_RELLOG_RATEオペランドで指定します。
考え方を以下に示します。
Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理時間< Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理許容時間
以下を目安に見積もってください。
(A)דREP_RELLOG_RATE”指定値÷100÷(B)×(C)< Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理許容時間(秒)
A:トランザクションログファイルのサイズ(Mバイト)
B:ディスク性能(Mバイト/秒)
C:安全係数(1.5)
なお、本オプションは、リカバリ対象ログ範囲の最新化を最優先で行いますので、利用者プログラムの処理性能に影響があります。