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PRIMECLUSTER HA Server 4.7A00 インストールガイド

B.2.1 PRIMECLUSTER HA Server 4.6A20以前からの移行手順(クラウド環境)

  1. 修正のダウンロード

    UpdateSiteからPRIMECLUSTER 4.7A00の最新のUpdateSite形式の修正、および修正情報ファイルをダウンロードしてください。

  2. クラスタアプリケーションを構築している場合は、クラスタシステムを構成する任意のノードで次を実行し、RMSのコンフィグレーション名を確認します。後ほど使用するため、<コンフィグレーション名>を記録しておきます。

    # hvdisp -a | grep Configuration <Return>
    Configuration: /opt/SMAW/SMAWRrms/build/<コンフィグレーション名>.us
  3. クラスタアプリケーションを構築している場合は、RMSを停止します。

    # hvshut -a <Return>
  4. PRIMECLUSTERのサービスの自動起動を抑止するため、各クラスタノードにおいて、以下のコマンドを実行します。

    # /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice off <Return>
  5. GLSを使用している場合、各クラスタノードにおいて、以下の手順を実行します。

    1. GLSの動作環境をバックアップします。

      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetbackup -d /<mydir> <Return>

      バックアップファイル名は、"hanetYYYYMMDD.bk"です。なお、YYYYMMDDはコマンド実行日の情報です。(YYYY:西暦、MM:月、DD:日)

    2. 業務LAN (兼管理LAN) に使用するネットワークに対してGLSが設定されている場合は、OS標準のNICに再設定します。GLSが下記のように設定されている場合は、sha0の設定をeth0に設定します。

      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print <Return>
      [IPv4,Patrol / Virtual NIC]
      
       Name        Hostname        Mode Physical ipaddr   Interface List    
      +-----------+---------------+----+-----------------+---------------------------+
       sha0                         v                     eth0
      
      [IPv6]
      
       Name        Hostname/prefix                   Mode Interface List    
      +-----------+---------------------------------+----+---------------------------+
      # cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 <Return>
      DEVICE=eth0
      #TYPE=Ethernet
      BOOTPROTO=static
      DEFROUTE=no
      UUID=<環境により固定の値(変更不要)>
      HOTPLUG=no
      ONBOOT=yes
      DEVICETYPE=hanet
      PEERDNS=no
      # cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0 <Return>
      DEVICE=sha0
      #IPADDR=
      #NETMASK=
      BOOTPROTO=dhcp
      DEFROUTE=yes
      ONBOOT=yes
      DEVICETYPE=sha
      HOTPLUG=no
      PEERDNS=yes
      DNS1=<主DNSサーバのIPアドレス>
      DNS2=<副DNSサーバのIPアドレス>

      ifcfg-eth0 ファイル、ifcfg-sha0 ファイルを以下のように編集してください。

      • /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0からDEVICETYPEとPEERDNSをコメントアウトし、BOOTPROTOをdhcp、DEFROUTEをyesに変更してください。

        DEVICE=eth0
        #TYPE=Ethernet
        BOOTPROTO=dhcp
        DEFROUTE=yes
        UUID=<環境により固定の値(変更不要)>
        HOTPLUG=no
        ONBOOT=yes
        #DEVICETYPE=hanet
        #PEERDNS=no
      • /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0のONBOOTをnoに設定してください。

        DEVICE=sha0
        #IPADDR=
        #NETMASK=
        BOOTPROTO=dhcp
        DEFROUTE=yes
        ONBOOT=no
        DEVICETYPE=sha
        HOTPLUG=no
        PEERDNS=yes
        DNS1=<主DNSサーバのIPアドレス>
        DNS2=<副DNSサーバのIPアドレス>
  6. 各クラスタノードにおいて、システムを再起動します。

    # shutdown -r now <Return>
  7. DVDからデータをコピーし、アップグレードする環境に配置します。

    1. DVDからデータを読み出せるLinux環境を別途用意し、DVDをマウントします。

      # mount -t iso9660 -r /dev/<デバイスファイル名> <DVD-ROMマウントポイント> <Return>
    2. <DVD-ROM マウントポイント>配下のディレクトリをtarコマンドでアーカイブします。

      # tar czf <アーカイブファイル名> -C <DVD-ROMマウントポイント> . <Return>

      注意

      • 最後のドットが必要であることに注意してください。

    3. 2. でアーカイブしたファイルをアップグレードする環境に配置します。

    4. アップグレードする環境で、コピー先ディレクトリを作成します。

      # mkdir <コピー先ディレクトリ> <Return>
    5. アーカイブをコピー先ディレクトリに展開します。

      # tar xzf <アーカイブファイル名> -C <コピー先ディレクトリ> <Return>
      以降で、DVDのマウントポイントを<DVDROM_DIR>とします。
  8. 各クラスタノードにおいて、以下の手順を実行します。

    1. バックアップディレクトリを作成します。

      # mkdir /<mydir> <Return>
    2. PRIMECLUSTERの動作環境をバックアップします。

      # cp -p /usr/opt/reliant/etc/hvipalias /<mydir> <Return>
      # cp -p /var/opt/FJSVclapm/etc/Tuning_Param /<mydir> <Return>
      # cp -p /etc/services /<mydir> <Return>
      # crontab -u root -l > /<mydir>/crontab.bak <Return>
      # cp -p /opt/FJSVwvbs/etc/webview.cnf /<mydir> <Return>
      # cp -p /opt/FJSVwvbs/etc/.policy /<mydir> <Return>
      # cp -p /opt/FJSVwvbs/etc/wvlocal.cnf /<mydir> <Return>

      Plugin.html ファイルの設定が変更していないか確認します。

      テキストエディタにより/opt/FJSVwvbs/etc/Plugin.html ファイルを開いて、下記のエントリがデフォルト値(60)になっていることを確認します。

      デフォルト値と異なる場合、後で元に戻すために、その値を記録してください。

      <PARAM NAME = Initial_wait VALUE ="60">
    3. GDSを使用している場合、GDSの動作環境をバックアップします。

      # cp -p /etc/sysconfig/devlabel /<mydir> <Return>
      # cp -p /etc/sysconfig/devlabel.d/devname_conf /<mydir> <Return>
    4. 以下のスクリプトを実行し、一部のPRIMECLUSTERパッケージを削除します。

      # cd <コピー先ディレクトリ>/Tool <Return>
      # ./upgrade_uninstall <Return>
      Are you sure to remove a part of PRIMECLUSTER from your system (y or n) ? y <Return>
      ・
      ・
      The uninstallation finished successfully.

      注意

      • PRIMECLUSTERパッケージを削除後、パッケージの新規または上書きインストールが完了するまでは、システムの再起動を行わないでください。システムにアクセスできなくなる可能性があります。

    5. 以下のスクリプトを実行し、パッケージを新規または上書きインストールします。

      # cd <コピー先ディレクトリ>/Tool <Return>
      # ./cluster_install -e HA-OT <Return>
      Installation of PRIMECLUSTER started.
      PRODUCT : PCLsnap
      Installing package <FJSVpclsnap> ... finished.
      ・
      ・
      The installation finished successfully.

      注意

      • cluster_installスクリプト実行の結果、上記のようなメッセージ出力とはならず、次のようなメッセージが出力されることがあります。

        # ./cluster_install -x xx <Return>
        INFO: no package to update

        このメッセージは、インストールしようとしたすべてのパッケージについて、DVDに収録されたものよりも新しいバージョンのパッケージがすでにシステムにインストール済みであり、アップグレードの必要がないことをあらわします。問題ではありませんので、手順は継続して実行してください。

      • cluster_installスクリプト実行中下記のようなメッセージが出力されることがあります。

        # ./cluster_install -x xx <Return>
        Installing package <XXXXXXXXXXX> ... skipped.

        このメッセージは、インストールしようとしたパッケージについて、DVDに収録されたものと同じバージョンのパッケージがすでにシステムにインストール済みであり、アップグレードの必要がないことをあらわします。問題ではありませんので、手順は継続して実行してください。

    6. PRIMECLUSTERの修正を適用してください。

      適用方法、留意事項等については各修正の修正情報ファイルを参照してください。

    7. 2.でバックアップしたPRIMECLUSTERの動作環境をリストアします。

      # cp -p /<mydir>/Tuning_Param /var/opt/FJSVclapm/etc <Return>
      # cp -p /<mydir>/hvipalias /usr/opt/reliant/etc <Return>
      # cp -p /<mydir>/services /etc <Return>
      # crontab -u root /<mydir>/crontab.bak <Return>
      # cp -p /<mydir>/webview.cnf /opt/FJSVwvbs/etc/webview.cnf <Return>
      # cp -p /<mydir>/.policy /opt/FJSVwvbs/etc/.policy <Return>
      # cp -p /<mydir>/wvlocal.cnf /opt/FJSVwvbs/etc/wvlocal.cnf <Return>

      2.で Plugin.html ファイルの設定変更があった場合、値を元に戻します。

      Plugin.htmlファイルの設定が変更されていない場合、本手順は不要です。

      テキストエディタにより/opt/FJSVwvbs/etc/Plugin.html ファイルを編集し、2.で控えた値 (以下の例では "xx") に書き戻します。

      (例)
      【変更前】
      <PARAM NAME = Initial_wait VALUE ="60">
      【変更後】
      <PARAM NAME = Initial_wait VALUE ="xx">
    8. GLSを使用している場合、以下の手順でGLSの動作環境をリストアします。

      1. バックアップしたGLSの動作環境をリストアします。

        # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetrestore -f /<mydir>/hanetYYYYMMDD.bk <Return>
      2. 業務LAN (兼管理LAN) に使用するネットワークに対してGLSが設定されている場合は、設定を元に戻します。

        ifcfg-eth0ファイル、ifcfg-sha0ファイルを以下のように編集してください。

        /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルのDEVICETYPEとPEERDNSのコメントアウトをはずし、BOOTPROTOをstatic、DEFROUTEをnoに変更してください。

        DEVICE=eth0
        #TYPE=Ethernet
        BOOTPROTO=static
        DEFROUTE=no
        UUID=<環境により固定の値(変更不要)>
        HOTPLUG=no
        ONBOOT=yes
        DEVICETYPE=hanet
        PEERDNS=no

        /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0のONBOOTがyesに設定されていることを確認します。

        # cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0 <Return>
        DEVICE=sha0
        #IPADDR=
        #NETMASK=
        BOOTPROTO=dhcp
        DEFROUTE=yes
        ONBOOT=yes
        DEVICETYPE=sha
        HOTPLUG=no
        PEERDNS=yes
        DNS1=<主DNSサーバのIPアドレス>
        DNS2=<副DNSサーバのIPアドレス>
    9. GDSを使用している場合、3.でバックアップしたGDSの動作環境をリストアします。

      # cp -p /<mydir>/devlabel /etc/sysconfig/devlabel <Return>
      # cp -p /<mydir>/devname_conf /etc/sysconfig/devlabel.d/devname_conf <Return>
    10. Web-Based Admin Viewのjava_homeの環境変数を設定します。

      # /etc/opt/FJSVwvbs/etc/bin/wvSetparam java_home /opt/FJSVwvbs/jre <Return>
    11. 現在のノード起動時のRMSの自動起動の設定を確認し、設定に応じて以下を実施します。

      # hvsetenv HV_RCSTART
      1 ←この値を確認します

      「0」が設定されている場合、RMSの自動起動が抑止されているので、手順 9.へ進みます。

      「1」が設定されている場合、以下を実施し、RMSの自動起動を抑止します。

      # hvsetenv HV_RCSTART 0
      # hvsetenv HV_RCSTART
      0 ←「0」が出力されることを確認します
  9. クラスタシステムを構成する全ノードにおいて手順 8.を終了した後、各クラスタノードにおいて、PRIMECLUSTERのサービスの自動起動を有効にします。

    # /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice on <Return>
  10. 各クラスタノードにおいて、システムを再起動します。

    # shutdown -r now <Return>
  11. 全てのノードのシステムが起動したことを確認してから以下の手順へ進みます。クラスタアプリケーションを構築している場合は、RMSの設定を有効にします。この操作は、クラスタシステムを構成する任意のノードで実行します。

    1. 以下のコマンドを実行し、RMS Wizardを起動します。ここでコンフィグレーション名は手順 2. で確認したものです。

      # hvw -n <コンフィグレーション名> <Return>
    2. 1. で表示される"Main configuration menu"から"Configuration-Activate"を選択し、RMS設定のActivateを実行します。

    3. 2. が完了したら、RMS Wizardを終了します。

  12. アップグレード手順で変更した設定を元に戻します。以下の手順はクラスタシステムを構成する全ノードで実施してください。

    1. 手順 8.の11.でRMSの自動起動を抑止する設定を変更した場合、元の設定に戻してください。

      # hvsetenv HV_RCSTART 1
      # hvsetenv HV_RCSTART
      1 ←「1」が出力されることを確認します
    2. RMSを起動します。

      # hvcm <Return>
  13. 不要であれば、<コピー先ディレクトリ>は削除してください。