活用先の連携製品に帳票を振り分けるためには、振り分け先別に帳票を分類します。帳票の分類は、“帳票に出力される文字列”を基準にして行うことができます。
dfレコードでは、帳票のどの位置に出力される文字列を、分類の基準として使用するかを定義します。
dfレコードは、以下の形式で定義します。
df,抜き出しキー名,抜き出しページ,抜き出し行,抜き出し開始桁,抜き出し終了桁
dfレコードは、100個まで定義できます。
◆指定項目
dfレコードのそれぞれの指定項目について以下に示します。
項 目 | 説 明 | |
---|---|---|
レコード種別 | 固定文字列“df”を指定します。 | |
抜き出しキー名 | 抜き出し情報を参照するときに使用する名前を、20バイト以内の文字列で指定します。 空白 \ , . : ; ? / < > * | + = [ ] " ( ) ^ ! $ ' % & ここで定義した名前は、mfレコードで使用します。 | |
抜き出しページ | 分類基準とする文字列が含まれるページを指定します。 | |
抜き出し行 | 分類基準とする文字列が含まれる行を、1~256までの数字で指定します。 | |
抜き出し開始桁 | 分類基準とする文字列が始まる桁位置を、1~1024までの数字で指定します。 | |
抜き出し終了桁 | 分類基準とする文字列が終わる桁位置を、1~1024までの数字で指定します。 レコード終端桁よりも大きい値を指定した場合は、レコード終端桁が終了桁位置となります。 |
行の位置付けは、ページを構成するレコード単位に指定します。
開始桁、終了桁の位置付けは、行頭から制御文字を含めたバイト数で指定します。
◆定義例
dfレコードの定義方法の例を以下に示します。
帳票の1ページ目の4行目の100桁目から112桁目にある文字列を、帳票を分類するときの基準として使用することを宣言し、その文字列を“所属情報”という抜き出しキー名で参照できるように定義する場合の例。
df,所属情報,1,4,100,112
帳票の1ページ目の5行目の100桁目から110桁目にある文字列を、帳票を分類するときの基準として使用することを宣言し、その文字列を“名前情報”という抜き出しキー名で参照できるように定義する場合の例。
df,名前情報,1,5,100,110
注意
抜き出しキー名以外の分類基準について
本レコードで定義した抜き出しキー名以外に、帳票を分類するときの基準として下記の予約語が使えます。
予約語 | 設 定 内 容 | |
---|---|---|
user (備考1) | デマンド出力 | メインフレームに接続したときのユーザID |
バッチ出力 | JCLのユーザパラメタ | |
オンライン出力 | AIM応用プログラム名/AIMワークステーション名/“AIM”(固定値) | |
name | デマンド出力 | ユーザ名 |
バッチ出力 | ジョブ名 | |
オンライン出力 | LD名 | |
title | デマンド出力 | PRTFILE/PRTJOBのNOTEオペランドで指定した値 |
バッチ出力 | ジョブ名 | |
オンライン出力 | LD名 | |
jobno | デマンド出力 | - |
バッチ出力 | ジョブ番号(またはジョブコード) | |
オンライン出力 | - |
備考1 : メインフレームのOSがXSPの場合に有効になります。メインフレームのOSがMSPの場合、予約語userは無効です。
上記の予約語を、dfレコードで抜き出しキー名として定義した場合は、dfレコードの定義が有効になります。
◆定義形式
mfレコードは、以下の形式で定義します。
mf,条件グループ名,振り分け条件
mfレコードは、1024個まで定義できます。
◆指定項目
mfレコードのそれぞれの指定項目について以下に示します。
項 目 | 説 明 |
---|---|
レコード種別 | 固定文字列“mf”を指定します。 |
条件グループ名 | 振り分け条件を参照するときに使用する名前を、20バイト以内の文字列で指定します。 条件グループ名が半角の“+”の場合は、直前のmfレコードの継続行とみなします。 条件グループ名が半角の“all”の場合は、振り分け条件にallを指定したものと見なします。 以下の文字は、使用できません。 空白 \ , . : ; ? / < > * | + = [ ] " ( ) ^ ! $ ' % & ここで定義した名前は、msレコードで使用します。 |
振り分け条件 | “all”または帳票をグループ化するための下記の形式の条件式を指定します。 条件キー=条件キーの内容 区切り文字 条件キー=条件キーの内容 振り分け条件には、空白文字は使用できません。 振り分け条件が半角の“all”の場合は、すべての条件とみなし、帳票はグループ化されません。 条件キー dfレコードで定義した抜き出しキー名、またはホスト帳票受信サービスで定義されている予約語を指定します。詳細は、dfレコードを参照してください。 条件キーの内容 条件キーの内容の記述方法は、以下の4つがあります。 文字列 ・・・指定した文字列と一致する 文字列* ・・・指定した文字列で始まる *文字列 ・・・指定した文字列で終わる *文字列* ・・・指定した文字列を含む 区切り文字 “&” で区切った場合は、AND条件と見なします。 “|” で区切った場合は、OR条件と見なします。 AND条件とOR条件を同時に指定した場合は、AND条件が優先されます。 “条件キー=条件キーの内容”は“区切り文字”によって、最大10個まで1つのmfレコードに定義できます。 固定文字列の “*”、“all”、および区切り文字は半角で指定します。 |
◆定義例
mfレコードの定義方法の例を以下に示します。
“所属情報”の内容が“総務課”で始まっていて、かつ、“名前情報”の内容が“富士通花子”である帳票を分類するための条件式を定義し、その条件式を“条件A”という名前で参照できるように定義する場合の例。
mf,条件A,所属情報=総務課*&名前情報=富士通花子
dfレコードで、“所属情報”が“df,所属情報,1,4,100,112”、“名前情報”が“df,名前情報,1,5,100,110”と定義されていれば、例えば、1ページ目が下記の体裁をもつ一連の帳票は、“条件A”によって分類できます。
A、B、C、D、E、F、G、H、I、Jのいずれかのユーザが実行したJCLの帳票を分類するための条件式を定義し、その条件式を“TEST”という名前で参照できるように定義する場合の例。
mf,TEST,user=A|user=B|user=C|user=D|user=E|user=F| mf,+,user=G|user=H|user=I|user=J
2行目のmfレコードは、1行目のmfレコードの継続行となっています。
帳票をグループ化しない場合の例。
mf,all,all
◆定義形式
msレコードは、以下の形式で定義します。
ms,条件グループ名,振り分け先のサーバ名(サーバ上のノード)
msレコードは、1024個まで定義できます。
◆指定項目
msレコードのそれぞれの指定項目について以下に示します。
項 目 | 説 明 |
---|---|
レコード種別 | 固定文字列“ms”を指定します。 |
条件グループ名 | mfレコードで定義したグループ名を指定します。 |
振り分け先のサーバ名 | 自サーバ名を指定します。 |
サーバ上のノード | 振り分け先のサーバ上のノードを指定します。
上記に該当しない文字列を指定した場合、振り分けエラーとなりますので注意が必要です。 |
◆定義例
msレコードの定義方法の例を以下に示します。
“条件A”という条件グループによって分類される帳票を、“TOKYOU1”という自サーバ上にある“東京本社1”という名前のリスト管理サーバの受信フォルダに登録する場合の例。
ms,条件A,TOKYOU1(東京本社1)
“条件B”という条件グループによって分類される帳票を、“YOKOHAMA1”という自サーバにPDFファイルとして格納する場合の例。
ms,条件B,YOKOHAMA1(!PDF)
PDFファイルを格納するフォルダは、ASSORT仕分け定義体で定義します。
ASSORT仕分け定義体に関する詳細については、 “2.3 帳票の電子化/仕分け/印刷配信/PDF変換の定義”を参照してください。 |
自サーバに配信されたすべての帳票をList Managerの論理あて先“LMDEST01”に登録する場合の例。
ms,all,*(LMDEST01@!LMGR)
注意
振り分け先のサーバ名に“-”(ハイフン) を含んだコンピュータ名を指定した場合は、ハイフンより前までの文字列と同じ名前を持つコンピュータが存在しないことを確認してください。