サーバ間連携とは、運用管理サーバ二重化(連携型)の環境で、一方の運用管理サーバで監視イベントを対処するなどして状態を変更した場合に、連携先の運用管理サーバの監視イベントログ(データベース)に格納済である同一の監視イベントについても、状態変更を自動反映する機能です。
連携先の運用管理サーバの監視イベントログにまだ格納されていない、監視イベントそのものを自動的に格納する機能ではありません。
サーバ間連携を行う場合の注意事項を以下に説明します。
サーバ間連携の前提条件
状態を変更しようとする監視イベントと同一の監視イベントが、あらかじめ連携先の運用管理サーバの監視イベントログ(データベース)に格納されている必要があります。
「同一の監視イベント」とは、以下の条件すべてを満たす監視イベントです。
状態を変更しようとする監視イベントが、ネットワークでの発生事象を通知する監視イベント(「MpCNappl」で始まるメッセージ)の場合
イベント発生元ホスト名が一致する。
イベント発生日時の誤差が、[システム監視設定]-[サーバ環境定義]-[詳細設定]- [サーバ間連携定義]-[その他の設定]にある、[ネットワークで発生した事象の同期時間]に指定された値(初期値は15秒)の範囲内である。
イベントテキストが一致する。
状態を変更しようとする監視イベントが、ハードウェアでの発生事象を通知する以下の監視イベントのどちらかに該当する場合【GEEのみ】
[システム監視設定] - [通信環境定義] - [詳細設定] - [ホスト環境定義] - [システムダウン事象の通知] - [メッセージ]に指定されたメッセージ
「opagtd:警告:9086:主監視パスで通信中に被監視システムが無応答となりました」というメッセージ
イベント発生元ホスト名が一致する。
イベント発生日時の誤差が、[システム監視設定]-[サーバ環境定義]-[詳細設定]- [サーバ間連携定義]-[その他の設定]にある、[ハードウェアで発生した事象の同期時間]に指定された値(初期値は15秒)の範囲内である。
イベントテキストが一致する。
状態を変更しようとする監視イベントが、上記以外の監視イベントの場合
イベント発生元ホスト名が一致する。
イベント発生日時が一致する。
イベントテキストが一致する。
監視イベントの状態を「対処済」または「保留」に変更した場合にサーバ間連携されます。
監視イベント番号が一致するか否かは、サーバ間連携の前提条件ではありません。
返答要求メッセージに対して返答操作を行った場合は、サーバ間連携による、状態変更の自動反映は行われません。最終的には返答元および連携先の運用管理サーバにおいて、返答要求メッセージの状態が「対処済」に変化しますが、これは、各運用管理サーバが、返答先システムからの返答完了通知を受信したことによる状態変化であり、サーバ間連携によるものではありません。そのため、「返答済」の状態(返答元の運用管理サーバにおいて、返答操作を実施後、返答完了通知を受信して「対処済」に変化するまでの間の状態)は連携されません。また、監視イベントの項目([対処状況]、[対応者]、[メモ])は連携されません。
連携先の運用管理サーバが停止時における、サーバ間連携の動作について
状態を変更した監視イベントのサーバ間連携情報はメモリに一時保存され、連携先の運用管理サーバの起動後にサーバ間連携されます。
一時保存されるサーバ間連携情報の件数について、以下の設定によって決まる上限があります。
[サーバ環境定義]-[詳細設定]-[サーバ間連携定義]-[その他の設定]-[保存データ数]
(初期値は2000)
また、一時保存されたサーバ間連携情報の件数が上限に達した状態で、新たに監視イベントの状態変更を行った場合は、最古のサーバ間連携情報から順に破棄します。
この時、以下のメッセージを出力し、破棄した監視イベント番号を通知します。
メッセージの出力先は、UNIXの場合はシスログ、Windowsの場合はイベントログ(アプリケーション)です。
MpOpmln: 警告: 1010: 未送信データの個数が指定した数を超えた為、データ(監視イベント番号=%1)は破棄されました (%2) |
%1: 破棄したデータの監視イベント番号
%2: 連携先システム名
連携先の運用管理サーバで、サーバ間連携情報の到着後に監視イベントが到着した場合
以下の条件すべてを満たす場合、“条件2”の時点で、エラーメッセージ等は出力されません。
また、“条件3”の後でサーバ間連携はされません。
監視イベントの状態を変更する。
“条件1”のサーバ間連携情報が、連携先の運用管理サーバに到着する。
ただし、“条件1”と同一の監視イベントは、この時点では、まだ連携先の運用管理サーバには到着していない。
“条件1”と同一の監視イベントが、連携先の運用管理サーバに到着する。
従系サーバを主系サーバに切り替えて運用する場合
以下の条件すべてを満たす場合、“条件3”の時点で、主系サーバでの自動アクションは抑止されずに実行されます。
主系サーバがダウンした場合等に、従系サーバを主系サーバに切り替えて運用する。
従系サーバ(主系に切り替え後)で監視イベントを対処する。
ただし、これと同一の監視イベントは、この時点では、まだ主系サーバには到着していない。
主系サーバが復旧し、“条件2”と同一の監視イベントが到着する。