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Systemwalker Centric Manager バージョンアップガイド
FUJITSU Software

3.3.2 運用環境の退避

監査ログ管理機能を使用している場合

以下のファイルを退避してください。

別のコンピュータへバージョンアップする場合

この作業は、別のコンピュータへバージョンアップする場合にだけ必要な作業です。

本バージョンのDVDをセットし、以下のコマンドを実行します。

【Solaris版】

DVDマウントポイント/Solaris/unx/tool/swmove -b 移行データの退避先ディレクトリ名

【Linux版】

DVDマウントポイント/Linux/unx/tool/swmove -b 移行データの退避先ディレクトリ名

退避先ディレクトリ名は、フルパスで指定します。空白を含むことはできません。

swmove(移行用退避コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

コマンドが途中でエラーになった場合は、エラーの原因を取り除き、エラー時と同じ退避先ディレクトリを指定してコマンドを再実行します。

Solaris 10以降(non-global zone)から運用環境を退避する場合

Solaris 10以降(non-global zone)から運用環境を退避する場合は、以下の手順で退避してください。

  1. global zoneへログインします。

    システム管理者(スーパーユーザ)でglobal zoneへログインします。

  2. 本バージョンのDVDをセットします。

  3. ボリューム管理デーモンが動作していない場合は、以下のコマンドによりDVDをマウントします。

    # /usr/sbin/mount -F hsfs /dev/dsk/<デバイス名> <マウント先ディレクトリ>

    注意

    自動マウントまたはmountコマンドでファイルシステムオプションを省略してDVDをマウントした場合、実行ファイルの実行権限が除去されることがありますので、事前に確認してください。詳細については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“インストール媒体の準備【Solaris/Linux】”を参照してください。

  4. DVDの内容を、global zoneのディスク上にコピーします。

    以降の例では、コピー先は「/PKG」とします。

    # cp -rfp <DVDマウントポイント>/Solaris/unx/tool /PKG
  5. 移行元または移行先のnon-global zoneを停止します。

    すでに作成済みのnon-global zoneを以下のコマンドで停止します。

    以降の例では、インストール対象のnon-global zoneの名称は「SWZONE」とします。

    # /usr/sbin/zoneadm -z SWZONE halt
  6. 4.のDVDのコピー先をnon-global zoneからも参照できるように、zoneの設定を行います。

    以下のコマンドにより、non-global zoneからも参照できるようにします。

    # zonecfg -z SWZONE
    
    zonecfg:SWZONE> add fs                <- “add fs”と入力
    zonecfg:SWZONE:fs> set dir=/SWPKG     <- “set dir=/SWPKG”と入力
    zonecfg:SWZONE:fs> set special=/PKG   <- “set special=/PKG”と入力
    zonecfg:SWZONE:fs> set type=lofs      <- “set type=lofs”と入力
    zonecfg:SWZONE:fs> set options=ro     <- “set options=ro”と入力
    zonecfg:SWZONE:fs> end                <- “end”と入力
    zonecfg:SWZONE> commit                <- “commit”と入力
    zonecfg:SWZONE> exit                  <- “exit”と入力

    以上の設定により、次回、non-global zoneの起動時より、non-global zoneの/SWPKGディレクトリが、読み込み専用ファイルシステムとして参照することができます。

  7. インストール対象のnon-global zoneを起動します。

    すでに作成済みのnon-global zoneを、以下のコマンドで起動します。

    # /usr/sbin/zoneadm -z SWZONE boot
  8. non-global zoneへログインし、移行用退避コマンドを実行します。

    6.で設定したnon-global zoneで参照できるディレクトリから、移行用退避コマンドを実行します。

    # /SWPKG/swmove -b 退避先ディレクトリ
  9. バージョンアップが完了したら、以下のコマンドにより、設定を解除します。この場合も、non-global zoneを停止したあとに作業を行ってください。

    # zonecfg -z SWZONE
    zonecfg:SWZONE> remove fs dir=/SWPKG
    zonecfg:SWZONE> commit
    zonecfg:SWZONE> exit

注意

運用環境の退避についての注意事項

  • SystemWalker/CentricMGR 5.0より古いバージョンを削除する場合

    SystemWalker/CentricMGR 5.0より古いバージョンを削除する場合、NetWalker/Baseは削除対象になりません。また、手操作で削除しないでください。

  • 移行元の環境を継続して使用する場合

    swmoveコマンドを実行すると、削除が必要なパッケージをコマンド実行時に削除できます。旧バージョンの削除問い合わせのメッセージは以下のとおりです。

    「package remove ok ?  [ y or n ] ( Default : n ) 」

    移行元の環境を削除したい場合、swmoveコマンド実行時の削除問い合わせメッセージに対して、「Y」を応答してください。

    移行元の環境を削除せず、運用を継続したい場合、swmoveコマンド実行時の削除問い合わせメッセージに対して、「N」を応答してください。

ポイント

旧バージョンがV4.1以前で退避時とは別に移行元の旧バージョンを削除する場合

swmoveコマンドを実行すると、削除が必要なパッケージをコマンド実行時に削除できます。コマンド実行時には、移行に使用したユーザ資産の退避先ディレクトリを指定します。退避コマンド実行時の旧バージョンの削除問い合わせに対して、「Y」を応答してください。アンインストールが必要なパッケージが削除されていない場合は、swmoveコマンドを再実行してください。

次のファイルにアンインストールが必要なパッケージ名が書き込まれます。

退避先ディレクトリ/rmpackage.inf

このファイルに記載されていないパッケージは、手操作で削除しないようにしてください。

退避した環境を継続して使用する場合

swmoveコマンドの実行後、継続して環境を使用する場合、Systemwalker Centric ManagerとSystemwalker Operation Managerのデーモンを起動する必要があります。

以下の順番でデーモンを起動します。

各種サービスの起動手順は、以下のとおりです。

  1. SystemWalker/OperationMGR 5.0以降がインストールされている場合

    SystemWalker/OperationMGRを起動します。

  2. syslog連携機能を有効にする

  3. Systemwalker Centric Managerのデーモンの起動

SystemWalker/OperationMGRの起動

SystemWalker/OperationMGR 5.0以降がインストールされている場合は、SystemWalker/OperationMGRを起動します。

/opt/systemwalker/bin/soperationmgr

soperationmgrコマンドの詳細については、Systemwalker Operation Managerのマニュアルを参照してください。

syslog連携機能の設定

syslog連携機能を以下の手順で有効にします。

  1. 以下のコマンドにより、syslog連携機能を起動します。

    /opt/systemwalker/bin/stropasyslog
  2. 監視を行うため、syslogdまたはrsyslogdにsyslog連携機能が起動したことを通知します。

    Red Hat Enterprise Linux 6.3以降

    rsyslogサービスを再起動します。

    • Red Hat Enterprise Linux 6の場合

      service rsyslog restart
    • Red Hat Enterprise Linux 7以降の場合

      systemctl restart rsyslog

    Red Hat Enterprise Linux 6.0/Red Hat Enterprise Linux 6.1/Red Hat Enterprise Linux 6.2

    以下のように、rsyslogdに対してHUPシグナルを送ります。

    # ps -ef | grep rsyslogd
    # kill -HUP <上記で求めたプロセスID>

    上記以外のLinux/Solaris 9以前Solaris/Solaris 10以降zoneを作成していない場合】

    以下のように、syslogdに対してHUPシグナルを送ります。

    # ps -ef | grep syslogd
    # kill -HUP <上記で求めたプロセスID>

    Solaris 10以降zoneを作成している場合】

    syslog連携機能を起動したzoneのsyslogdをzone名で特定し、HUPシグナルを送ります。

    なお、ログインしているzoneのzone名は、「/usr/bin/zonename」コマンドで確認できます。

    # ps -Zef | grep syslogd | grep `/usr/bin/zonename`
    # kill -HUP <上記で求めたプロセスID>

    stropasyslog(syslog連携起動コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

    注意

    syslog連携機能停止中のメッセージについての注意事項

    syslogdまたはrsyslogdの再起動を行った場合、syslogdまたはrsyslogdが停止している間に発生したメッセージはsyslogdまたはrsyslogdで処理されない場合があります。

    また、syslog連携機能を停止している間に、syslogdまたはrsyslogdとの接続が切断されたことをあらわすメッセージが出力される場合があります。上記手順を行うことで復旧しますので、そのメッセージは無視してください。

Systemwalker Centric Managerのデーモンの起動

以下のコマンドにより、Systemwalker Centric Managerのデーモンを起動します。

/opt/systemwalker/bin/scentricmgr

scentricmgr(サービス/デーモンの起動コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。