PRIMECLUSTERは、パブリッククラウド上のクラスタシステムにおけるネットワークの引継ぎのために、仮想ルータによるネットワーク引継ぎ方式を提供しています。
仮想ルータによるネットワーク引継ぎ方式は、Azureが提供する仮想ルータのルートテーブルを書き換えることでネットワークの引継ぎを実現します。クラスタノードの異常発生時には、PRIMECLUSTERが自動的にルートテーブルを書き換え、待機系に切り替えることでIPを引継ぎます。
クライアントはVNet内外のどちらにも配備できます。
クライアントをVNet内に配備した場合、パブリックサイト(VNet外にあるクライアント)からのアクセスが遮断され、クラスタシステムはセキュアになります。
図27.1 仮想ルータによるネットワーク引継ぎ(VNet内クライアントの場合)
図27.2 仮想ルータによるネットワーク引継ぎ(VNet外クライアントの場合)
ネットワーク引継ぎを設定するために必要なリソースを作成します。
ルートテーブルを作成してください。
ルートテーブルには、ネットワークの設計に従い、サブネットを関連付けしてください。
ルートテーブルには、ネットワーク引継ぎのためのルートを作成する必要はありません。
注意
ネットワーク引継ぎのためのルートは、「PCL-KeyName-YYYYMMDDHHMMSS」という名前で作成されます。
そのため、ここで作成したルートテーブルに対して、「PCL-<英数字を含む文字列>-<数字14桁> 」の名前のルートを作成しないでください。作成した場合、ルートテーブル名が重複しネットワーク引継ぎ機能が正常動作しない場合があります。
KeyNameは、“27.9.1.1 定義ファイルの作成”に記載してある、定義ファイル(/usr/opt/reliant/etc/hvazureconfig)のKeyNameに設定する値になります。
YYYYMMDDHHMMSSは、年4桁・月2桁・日2桁・時間2桁・分2桁・秒2桁の形式でルートが作成された日時が設定されます。
ルートテーブルはクライアント側のサブネットに対して関連付けを行ってください。
クライアントがVPNやエクスプレスルートを経由する場合は、ゲートウェイサブネットをルートテーブルに関連付ける必要があります。