バックアップの前後処理シェルスクリプトをカスタマイズする方法について、以下に説明します。
業務ボリュームをアンマウントしたくない場合
マウントされているがアンマウントしたくない業務ボリュームに対しては、エディターを使用して、前処理シェルスクリプト(OpcBackup.pre)をカスタマイズしてください。
スクリプトのカスタマイズ方法には、以下の2通りがあります。
業務ボリュームに対してfsfreezeコマンドを実行する (推奨)
本カスタマイズは、OSがfsfreezeコマンドをサポートしている、かつ業務ボリュームが存在するファイルシステムがext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。
業務ボリュームに対してsyncコマンドを実行する
fsfreezeコマンドを実行できる条件を満たしていない環境の場合に、本カスタマイズを実施してください。
本カスタマイズは、OSがRed Hat Enterprise Linux 8、Red Hat Enterprise Linux 7、またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合に実施できます。Red Hat Enterprise Linux 8、Red Hat Enterprise Linux 7、またはRed Hat Enterprise Linux 6用の前処理スクリプト(OpcBackup.pre)を、以下のとおり修正してください。
前処理スクリプトの132~142、146、265行目のコメント("#")行を有効とし、132行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
このカスタマイズは、業務ボリュームが存在するファイルシステムがext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。
カスタマイズしたスクリプトによる前処理の動作は、以下のとおりです。
業務ボリュームの状態 | 前処理 |
---|---|
マウントされている | ファイルシステムをフリーズし、業務ボリュームへの更新を抑止します。 |
カスタマイズしたスクリプトによる後処理の動作は、以下のとおりです。
前処理 | 後処理 |
---|---|
ファイルシステムをフリーズした | ファイルシステムをフリーズ解除し、業務ボリュームへの更新抑制を解除します。 |
業務ボリュームに対してfsfreezeコマンドを実行できない環境の場合は、本カスタマイズを実施します。各OS用の前処理スクリプトを、以下のとおり修正してください。
Red Hat Enterprise Linux 8、Red Hat Enterprise Linux 7、またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合
前処理スクリプト(OpcBackup.pre)の117~129、146、265行目のコメント("#")行を有効とし、117行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
SUSE Linux Enterprise Server 15またはSUSE Linux Enterprise Server 12の場合
前処理スクリプト(OpcBackup.pre)の111~121、125、243行目のコメント("#")行を有効とし、111行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
このカスタマイズを実施した場合、以下に注意してください。
後処理スクリプトでは、バックアップボリュームに対してfsckコマンドを実行し、その終了を待ち合わせます。
前処理スクリプトでsyncコマンドを実施してから後処理を実施するまでの間は、業務ボリュームのファイルシステムを更新しないでください。ファイルシステムが更新されると、ファイルシステムが不完全な状態でバックアップされるか、後処理で実施するfsckコマンドの応答が遅くなる、またはエラーとなる可能性があります。
このカスタマイズは、業務ボリュームが存在するファイルシステムがext2、ext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。
カスタマイズしたスクリプトによる前処理の動作は、以下のとおりです。
業務ボリュームの状態 | 前処理 |
---|---|
マウントされている | メモリー内にバッファーされているすべてのデータをディスクへ書き込みます。 |
カスタマイズしたスクリプトによる後処理の動作は、以下のとおりです。
前処理 | 後処理 |
---|---|
メモリー内にバッファーされているすべてのデータをディスクへ書き込んだ | バックアップボリュームの整合性を確認します。整合性の確認終了までに時間がかかる場合があります。 |