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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

C.6.3 クラスタシステムの各ゲストドメイン上のGLSで高信頼化する設定例(RHEL7の場合)

本設定はRHEL7のみで実施できます。

以下のネットワーク構成における環境設定例を示します。

既存の物理サーバ上のクラスタシステムをKVMゲストに移行する場合、本構成を使用します。

KVMゲストにおいて、NICを二重化した状態でGLSを構築するため、KVMホストでは、KVMゲストのNICごとに仮想ブリッジが必要になります。また、管理LANからKVMホストに接続できるように、NIC切替方式で2つの仮想ブリッジを束ねます。

GLS以外のネットワークの設定については、“3.2.2 ネットワークの設定”を参照してください。
クラスタシステムの設定については、クラスタシステムのマニュアルを参照してください。
なお、ここでは系間パスの記述は省略してあります。
また、点線は、インタフェースが非活性状態であることを表します。

[KVMホスト1の設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。

192.168.70.1    hosta    # HOST-Aの仮想IP
192.168.70.2    hostb    # HOST-Bの仮想IP
192.168.70.100  swhub1   # primary監視先HUBのIPアドレス
192.168.70.101  swhub2   # secondary監視先HUBのIPアドレス

1-2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1,2,3)ファイルを以下のように編集します。

2) 仮想ブリッジの設定

仮想ブリッジのインタフェース設定ファイル /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-brX(Xは0,1,2,3)を新規に作成します。

3) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、ethX(Xは0,1,2,3)とbrX(Xは0,1,2,3)が活性化されていることを、ipコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

4) サブネットマスクの設定

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask create -i 192.168.70.0 -m 255.255.255.0

5) 仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m e -i 192.168.70.1 -t br0,br1

注意

オプションの‘-i’に指定する物理IPアドレスは、必ず/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-br0に設定した物理IPアドレスと一致させてください。

6) HUB監視機能の設定

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 192.168.70.100,192.168.70.101 -b off

7) 待機パトロール機能の設定

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -t sha0

8) 仮想インタフェースの活性化

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/strhanet

9) HUB監視の開始

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on

[KVMホスト2の設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。定義内容はKVMホスト1と同じです。

1-2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1,2,3)ファイルを編集します。定義内容はKVMホスト1と同じです。

2) 仮想ブリッジの設定

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-brX(Xは0,1,2,3)ファイルを編集します。定義内容はIPADDRの値を除いてKVMホスト1と同じです。

3) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、ethX(Xは0,1,2,3)とbrX(Xは0,1,2,3)が活性化されていることを、ipコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

4) GLSの設定

hanetconfigコマンドの-iオプションで指定するアドレス以外は、KVMホスト1と同じです。

[KVMホスト1の設定]の4)~9)を実施してください。

[KVMゲスト1の設定]

GLSの設定は、物理サーバの場合と同じです。なお、管理LANについては、仮想NIC方式またはNIC切替方式を設定してください。

[KVMゲスト2の設定]

GLSの設定は、物理サーバの場合と同じです。なお、管理LANについては、仮想NIC方式またはNIC切替方式を設定してください。

[RMS Wizardでの設定]

1) クラスタ環境設定

KVMゲスト1およびKVMゲスト2の設定が完了した後、作成した引継ぎ仮想インタフェース(sha0:65)を、Glsリソースとして登録し、クラスタアプリケーションを作成します。クラスタ環境設定は、RMS Wizardを使用して実施します。詳細については、マニュアル“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

2) クラスタアプリケーションの起動

クラスタ環境設定が完了した後、クラスタアプリケーションを起動することにより、運用ノードで引継ぎ仮想インタフェースが活性化されます。