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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

B.2.6 クラスタシステムによる設定例(N:1運用待機)

以下のネットワーク構成における環境設定例を示します。

図のIPアドレスにおけるxxはアドレス自動構成により自動採番されることを表します。

GLS以外のネットワークの設定については、“3.2.2 ネットワークの設定”を参照してください。
クラスタシステムの設定については、クラスタシステムのマニュアルを参照してください。
なお、ここでは系間パスの記述は省略してあります。
また、点線は、インタフェースが非活性状態であることを表します。
クラスタシステムを構成するノード以外に、高速切替方式を使用する通信相手ホストが1台以上必要です。通信相手ホストの設定は、“B.2.1 シングルシステムによる設定例”等を参照のうえ行ってください。

[HOST-Aの設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/hostsファイルに、引継ぎ仮想IPのアドレスおよびホスト名を定義します。ただし、アドレス自動構成により自動採番されるIPv6アドレスは定義する必要はありません。

fec0:1::10       v6hosta1   # HOSTA/Cの引継ぎ仮想IPアドレス
fec0:1::20       v6hostb1   # HOSTB/Cの引継ぎ仮想IPアドレス

1-2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1)ファイルを以下のように設定します。

2) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、eth0およびeth1がIPv6インタフェースとして活性化されていることを、ipコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

3) 仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m t -t eth0,eth1

4) 引継ぎ仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i fec0:1::10/64

5) IPv6ルータの設定

/etc/radvd.confファイルを作成し、以下の設定を行います。

interface sha0
{
        AdvSendAdvert on;          # ルータ広報を送信
        MinRtrAdvInterval 3;
        MaxRtrAdvInterval 10;
        prefix fec0:1::0/64        # sha0からPrefix fec0:1::0/64を送信
        {
                AdvOnLink on;
                AdvAutonomous on;
                AdvRouterAddr on;
        };
};

注意

高速切替方式が動作するサーバにおいて、2台以上をIPv6ルータとして設定してください。IPv6ルータの故障が発生した場合、サイトローカルアドレスを使用した通信が行えなくなるため、最低でも2台をIPv6ルータとして設定することを推奨します。
radvdのバージョンによっては、カーネルパラメータの設定(net.ipv6.conf.all.forwarding=1)を/etc/sysctl.confに記述する必要があります。
詳細については、radvd.conf(5)、radvd(8)のマニュアルを参照してください。

6) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。

/sbin/shutdown -r now

[HOST-Bの設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/hostsファイルに、引継ぎ仮想IPのアドレスおよびホスト名を定義します。定義内容はHOST-Aと同じです。

1-2) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1)ファイルを以下のように設定します。

2) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、eth0およびeth1がIPv6インタフェースとして活性化されていることを、ipコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

3) 仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m t -t eth0,eth1

4) 引継ぎ仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i fec0:1::20/64

5) IPv6ルータの設定

/etc/radvd.confファイルを作成し、以下の設定を行います。

interface sha0
{
        AdvSendAdvert on;          # ルータ広報を送信
        MinRtrAdvInterval 3;
        MaxRtrAdvInterval 10;
        prefix fec0:1::0/64        # sha0からPrefix fec0:1::0/64を送信
        {
                AdvOnLink on;
                AdvAutonomous on;
                AdvRouterAddr on;
        };
};

6) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。

/sbin/shutdown -r now

[HOST-Cの設定]

1) システムの設定

1-1) /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX(Xは0,1)ファイルを以下のように設定します。

1-2) /etc/hostsファイルに、引継ぎ仮想IPのアドレスおよびホスト名を定義します。定義内容はHOST-Aと同じです。

2) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、eth0およびeth1がIPv6インタフェースとして活性化されていることを、ipコマンドで確認してください。

/sbin/shutdown -r now

3) 仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m t -t eth0,eth1

4) 引継ぎ仮想インタフェースの作成

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i fec0:1::10/64
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0 -i fec0:1::20/64

5) IPv6ルータの設定

/etc/radvd.confファイルを作成し、以下の設定を行います。

interface sha0
{
        AdvSendAdvert on;          # ルータ広報を送信
        MinRtrAdvInterval 3;
        MaxRtrAdvInterval 10;
        prefix fec0:1::0/64        # sha0からPrefix fec0:1::0/64を送信
        {
                AdvOnLink on;
                AdvAutonomous on;
                AdvRouterAddr on;
        };
};

6) リブート

以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。

/sbin/shutdown -r now

[RMS Wizardでの設定]

1) クラスタ環境設定

HOST-AおよびHOST-B、HOST-Cの設定が完了した後、作成した引継ぎ仮想インタフェースを、Glsリソースとして登録し、クラスタアプリケーションを作成します。クラスタ環境設定は、RMS Wizardを使用して実施します。詳細については、マニュアル“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

2) クラスタアプリケーションの起動

クラスタ環境設定が完了した後、クラスタアプリケーションを起動することにより、運用ノードで引継ぎ仮想インタフェースが活性化されます。