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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

7.12 hanetpathmonコマンド

【名前】

hanetpathmon - ネットワーク監視機能の有効・無効・監視先情報の変更・表示・監視パラメタ変更・監視開始・監視停止

【形式】

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon command [args]

【機能説明】

hanetpathmonコマンドは、ネットワーク監視機能の有効/無効や監視先情報の変更/表示、監視パラメタ変更およびネットワーク監視の開始/停止を行います。

コマンド

処理概要

実行権限

target

監視先情報の変更・表示

変更:スーパユーザ

表示:一般ユーザ

param

監視パラメタの変更・表示

変更:スーパユーザ

表示:一般ユーザ

on

ネットワーク監視の開始

スーパユーザ

off

ネットワーク監視の停止

スーパユーザ

(1) targetコマンド

監視先情報の設定の変更または表示する場合に使用します。targetコマンドの実行形式は以下のとおりです。

設定:                                                                                            
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target -n devicename [-v vlanid] [-p ipaddress1[,ipaddress2]]
表示:                                                                                            
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target [-n devicename]                                      
削除:                                                                                            
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target -n devicename -d                                     

設定

-n devicename

監視先情報を設定する仮想インタフェース名を指定します。


-v vlanid

監視先がタグVLANのネットワークの場合は、VLANインタフェースのVLAN IDを指定します。0を指定した場合、またはオプションを省略した場合は、タグなしネットワークを監視します。


-p ipaddress1[,ipaddress2]

HUB監視の監視先ホスト名またはIPアドレスを指定します。“ipaddress1”には、primaryインタフェース活性化時に監視するホスト名またはIPアドレスを指定します。“ipaddress2”には、secondaryインタフェース活性化時に監視するホスト名またはIPアドレスを指定します。primaryインタフェースとsecondaryインタフェースで監視先が同じ場合や、secondaryインタフェースを定義していない場合(多重化していない場合)は、“ipaddress2”は省略します。

仮想NIC方式の場合は、接続しているHUBのIPアドレスを指定します。アドレス形式として、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定することができます。IPv6アドレスを指定する場合、prefix値は指定しないでください。

本パラメタを指定しない場合は、HUB監視は動作しません。待機パトロール機能のみが有効となります。

注意

HUB監視先IPにIPv4アドレスを指定する場合は、仮想インタフェースの設定ファイル(または、仮想インタフェースのタグVLANインタフェース設定ファイル)に設定されているIPv4アドレスと同一のネットワークアドレスで指定してください。


削除

-n devicename

監視先情報を削除する仮想インタフェース名を指定します。


-d

監視先IPとVLAN IDを削除し、監視先情報を初期化する場合は本オプションを指定します。


表示

-n devicename

個別の監視先情報を表示する仮想インタフェース名を指定します。省略時は、現在設定されている監視先情報をすべて表示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target                            
[Target List]                                                            
 Name    VID  Target                                                     
+-------+----+----------------------------------------------------------+
 sha0    -    192.13.90.251,192.13.90.252                                
 sha1    -    192.13.100.251                                             
 sha2    6    -                                                          

表示

内容

Name

仮想インタフェース名

監視対象がタグVLANインタフェースの場合は、タグVLANインタフェースの生成元となっている仮想インタフェース名を表示します。

VID

監視対象が仮想インタフェースの場合は、「-」を表示します。

監視対象がタグVLANインタフェースの場合は、タグIDを表示します。

Target

HUB監視の監視対象のIPアドレスを、プライマリ監視先、セカンダリ監視先の順で表示します。

監視先が設定されていない場合は、「-」を表示します。

注意

ネットワーク監視が開始されている場合は、監視先情報の設定を変更することはできません。ネットワーク監視を停止してから、本コマンドを実行するようにしてください。

(2) paramコマンド

監視パラメタの設定内容を変更したい場合は、paramコマンドを使用します。

設定:
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon param -n devicename [-a {yes | no}] [-s sec] [-c times] [-r times] [-p sec] [-q {yes | no}] [-f {yes | no}]
表示:
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon param [-n devicename] 

設定

-n devicename

変更する監視パラメタの仮想インタフェース名を指定します。


-a yes/no

ネットワーク監視機能を仮想インタフェースの起動と連動するかどうかを設定します。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効となります。初期設定値は“yes”が設定されています。

yes:ネットワーク監視機能を仮想インタフェースの起動と連動して起動します。

no :ネットワーク監視機能を仮想インタフェースの起動と連動して起動しません。


-s sec

監視間隔を秒で指定します。設定可能な範囲は1~300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は3(秒)が設定されています。


-c times

監視回数を指定します。設定可能な範囲は1~300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(回)が設定されています。


-r times

ネットワーク監視機能の待機パトロールによる復旧監視において、監視先が復旧してから、通常監視に戻るための監視の成功回数を指定します。設定可能な範囲は1~300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は2(回)が設定されます(待機パトロールの成功が2回で復旧とみなします)。

-p sec

ネットワーク監視機能において、監視開始後にHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で指定します。設定可能な範囲は1~300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は45(秒)が設定されます。また、監視間隔×監視回数よりも値が小さい場合にはリンクアップ時間に設定された時間は無視され、監視間隔×監視回数で設定されている時間を採用します。


-q yes | no

待機パトロール機能を使用して、運用NIC-待機NIC間の通信経路の復旧を検出した際に、自動切戻しを行うかどうかを指定します。初期設定値は“no”が設定されます。

yes :自動切戻しを行います。

no :自動切戻しを行いません。


-f yes | no

クラスタ運用中に伝送路異常によりノード間切替えが発生する場合の動作について設定します。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は“yes”が設定されます。なお、本パラメタはクラスタ運用時のみ有効です

yes:伝送路監視異常発生時にノード間切替えを行います。

no :伝送路監視異常発生時にノード間切替えを行いません。


表示

-n devicename

個別の監視パラメタ情報を表示する仮想インタフェース名を指定します。省略時は、現在設定されている監視パラメタ情報をすべて表示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon param
[Parameter List]
Name    Monitoring Parameter
+-------+----------------------------------------------------------+
sha0    auto_startup       =    YES
        interval           =      3 sec
        times              =      5 times
        repair_times       =      2 times
        idle               =     45 sec
        Auto fail-back     =     NO
        FAILOVER Status    =    YES

Name    Monitoring Parameter
+-------+----------------------------------------------------------+
sha1    auto_startup       =     NO
        interval           =      5 sec
        times              =      5 times
        repair_times       =      5 times
        idle               =     30 sec
        Auto fail-back     =    YES
        FAILOVER Status    =     NO

表示

内容

Name

仮想インタフェース名

監視対象がタグVLANインタフェースの場合は、タグVLANインタフェースの生成元となっている仮想インタフェース名を表示します。

VID

監視対象が仮想インタフェースの場合は、「-」を表示します。

監視対象がタグVLANインタフェースの場合は、タグIDを表示します。

Monitoring Parameter

設定されている監視パラメタを表示します。

auto_startup

YES

ネットワーク監視機能を仮想インタフェースの起動と連動して起動します。

NO

ネットワーク監視機能を仮想インタフェースの起動と連動して起動しません。

interval

監視間隔を秒単位で表示します。

times

異常監視回数

repair_times

復旧監視回数

idle

監視開始後のHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で表示します。

Auto fail-back

YES

自動切戻しが有効です。

NO

自動切戻しが無効です。

FAILOVER Status

全伝送路異常発生時のクラスタ切替え有無

FAILOVER Status

YES

クラスタリソースに登録されていた場合にノード間切替えを行います。

NO

ノード間切替えを行いません。

注意

ネットワーク監視が開始されている場合は、監視パラメタの設定内容を変更することはできません。ネットワーク監視を停止してから、本コマンドを実行するようにしてください。

(3) onコマンド

ネットワーク監視を開始する場合に使用します。仮想インタフェースごとに実行します。

通常、仮想インタフェースの活性化に伴いネットワーク監視が開始されますが、offコマンドにより一時的にネットワーク監視を停止し、その後、ネットワーク監視を再開する場合に使用します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon on [-n devicename]

-n devicename

ネットワーク監視を開始する仮想インタフェース名(sha0、sha1など)を指定します。

省略時は監視が有効となっているすべての仮想インタフェースの監視を起動します。

(4) offコマンド

ネットワーク監視を停止する場合に使用します。仮想インタフェースごとに実行します。

通常、仮想インタフェースの非活性化に伴いネットワーク監視が停止されますが、targetコマンドにより監視先情報を変更するときや、paramコマンドにより監視パラメタを変更するときなどに、一時的にネットワーク監視を停止する場合に使用します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon off [-n devicename]

-n devicename

ネットワーク監視を停止する仮想インタフェース名(sha0、sha1など)を指定します。

省略時は、監視が有効となっているすべての仮想インタフェースの監視を停止します。


【使用例】

(1) target コマンド

仮想インタフェースsha0の監視先であるIPアドレス“192.13.90.251”と“192.13.90.252”を監視対象にする場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target -n sha0 -p 192.13.90.251,192.13.90.252

仮想インタフェースsha0の監視先であるIPアドレス“192.13.90.251”を監視対象にする場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target -n sha0 -p 192.13.90.251

仮想インタフェースのタグVLANインタフェースsha0.2の監視先であるIPアドレス“192.13.80.251”と“192.13.80.252”を監視対象にする場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target -n sha0 -p 192.13.80.251,192.13.80.252 -v 2

仮想インタフェースsha0の監視先情報を初期化する場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon target -n sha0 -d

(2) paramコマンド

クラスタ運用において、監視間隔を10秒、伝送路異常時のノード間切替えをしない場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon param -n sha0 -s 10 -f no

(3) onコマンド

すべての仮想インタフェースに対して、監視を開始する場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon on

(4) offコマンド

すべての仮想インタフェースに対して、監視を停止する場合の例を以下に示します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpathmon off