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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

7.7 hanetpollコマンド

【名前】

hanetpoll - HUB監視機能の監視先情報の設定・変更・削除・表示

【形式】

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll command [args]

【機能説明】

hanetpoll コマンドは、HUB監視機能に必要な監視先情報の設定、および設定内容の変更/削除/表示/有効化/無効化を行います。

コマンド

処理概要

実行権限

create

監視先情報の作成

スーパユーザ

copy

監視先情報の複製

スーパユーザ

print

監視先情報の表示

一般ユーザ

modify

監視先情報の変更

スーパユーザ

delete

監視先情報の削除

スーパユーザ

on

HUB監視機能の有効化

スーパユーザ

off

HUB監視機能の無効化

スーパユーザ

devparam

仮想インタフェース単位の監視先情報の表示

一般ユーザ

仮想インタフェース単位の監視先情報の作成/削除

スーパユーザ

(1) create コマンド

HUB監視機能を使用するには、監視先情報を作成しなければなりません。本情報は、create コマンドによって作成します。createコマンドの実行形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n devicename -p polladdress1[,polladdress2] [-b {on | off}]  または
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n devicename -p _none_

-n devicename

監視対象となる仮想インタフェース名を指定します。hanetconfig createコマンドまたは、hanetconfig copyコマンドで作成した仮想インタフェース名を指定します。なお、論理仮想インタフェース名を指定する事はできません。


-p polladdress1[,polladdress2] | _none_

ping応答監視を使用する場合は、監視先として接続しているHUBのホスト名またはIPアドレスを指定します。

単一物理インタフェース構成(仮想インタフェースによって束ねられたインタフェースが1つ)の場合:

監視先は少なくとも1つ設定してください。最大で2つまで設定できます。
polladdress1に監視先のホスト名またはIPアドレスを指定します。
2つ目の監視先がある場合は、polladdress2に監視先のホスト名またはIPアドレスを指定します。

二重化構成(仮想インタフェースによって束ねられたインタフェースが2つ)の場合:

監視先は2つ設定することを推奨します。少なくとも1つ設定してください。
監視先が2つの場合は、polladdress1にPrimaryインタフェースが接続するHUBのホスト名またはIPアドレスを指定し、polladdress2には、Secondaryインタフェースが接続するHUBのホスト名またはIPアドレスを指定します。
監視先が1つの場合は、polladdress1に監視先のホスト名またはIPアドレスを指定します。

ping応答監視を使用しない場合は"_none_"を指定します。

注意

監視先をIPアドレスで設定する場合、アドレス形式として、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定することができます。
IPv6アドレスを設定する場合、prefix値は指定しないでください。
なお、IPv6ルータによるアドレス自動構成を行わない環境でIPv6アドレスを設定する場合は、リンクローカルアドレスを設定してください。
また、監視先をホスト名で設定する場合、IPv4とIPv6で同一名が存在するホスト名は使用しないでください。


-b on | off

NIC切替方式において監視先HUBを2つ設定した場合には、カスケード接続しているHUBとHUB間の伝送路の状態を監視する事ができます。

on :HUB-HUB間の監視を行います。
off:HUB-HUB間の監視を行いません。

(2) copy コマンド

NIC切替方式の仮想インタフェースに対する監視先情報を複製する場合に使用します。これにより、監視先情報、HUB-HUB間監視モードを指定することなく自動的にコピー元の情報を流用して監視先情報を新規に作成することができ、hanetpoll createを直接実行する場合より操作が簡単になります。copyコマンドの実行形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll copy -n devicename1,devicename2

-n devicename1,devicename2

監視先情報の複製元および複製先の仮想インタフェース名を指定します。


devicename1

複製元となる監視情報に設定されている仮想インタフェース名を指定します。


devicename2

新たに監視を行う仮想インタフェース名を指定します。hanetconfig createコマンドまたは、hanetconfig copyコマンドで作成した仮想インタフェース名を指定してください。論理仮想インタフェース名を指定する事はできません。

(3) print コマンド

現在の監視先情報をprintコマンドによって表示することができます。現在の監視先情報を参照したい場合に使用します。printコマンドの実行形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print [-n devicename1[,devicename2,...]]

-n devicename1[,devicename2,...]

監視先情報を表示する仮想インタフェース名を指定します。このオプションが指定されていない場合は、現在設定されている監視先情報をすべて表示します。

以下に オプション指定なし表示形式を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print
 Polling Status         = OFF
         interval(idle) =   5( 60) sec
         time           =   5 times
         link detection = YES
 FAILOVER Status        = YES
 Name    HUB Poll Hostname
+-------+--------+------------------------------------------------------+
 sha0       OFF   hostA,192.168.10.10
 sha1       OFF   _none_

表示

内容

Polling Status

現在の監視機能の状態

Polling Status

ON

監視機能が有効です。

OFF

監視機能が無効です。

interval(idle)

interval

定常状態での監視間隔を秒単位で表示します。

idle

監視開始後のHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で表示します。

time

監視回数
pingによる監視を行わない場合は使用されません。

link detection

YES

NICのリンクダウンを検出した場合、その時点でNICの切替えを行います。

NO

NICのリンクダウンを検出してもpingによる監視が失敗するまでNICの切替えを行いません。

FAILOVER Status

全伝送路異常発生時のクラスタ切替え有無

FAILOVER Status

YES

クラスタリソースに登録されていた場合にノード間切替えを行います。

NO

ノード間切替えを行いません。

Name

監視対象の仮想インタフェース名

HUB Poll

HUB-HUB間監視の状態

HUB Poll

ON

監視機能が有効です。

OFF

監視機能が無効です。

---

監視機能を使用しません。

Hostname

監視対象のホスト名またはIPアドレスを、プライマリ監視先、セカンダリ監視先の順で表示します。pingによる監視を使用しない場合は、_none_が表示されます。出力例はそれぞれ、
sha0:“hostA”がプライマリ監視先になり、“192.168.10.10”がセカンダリ監視先になることを示します。
sha1:pingによる監視が動作しないことを示します。

(4) modify コマンド

監視先情報の設定内容を変更したい場合は、modifyコマンドを使用します。modifyコマンドの実行形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll modify -n devicename {[-p polladdress1[,polladdress2]] [-b {on | off}]}  または
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll modify -n devicename -p _none_

-n devicename

変更する監視先情報の仮想インタフェース名を指定します。


-p polladdress1[,polladdress2] | _none_

ping応答監視機能の監視先を変更する場合は、ホスト名またはIPアドレスを指定します。監視を行わない場合は "_none_"を指定します。設定方法の詳細は、(1) create コマンドの -pオプションを参照してください。


-b on | off

HUB-HUB間の監視有無を設定します。設定方法の詳細は、(1) create コマンドの -bオプションを参照してください。

注意

監視先を2つから1つに変更する場合は、HUB-HUB間監視の有無を確認し、監視有り(on)の場合には監視無し(off)に変更してください。

(5) delete コマンド

監視先情報を削除したい場合は、deleteコマンドを使用します。deleteコマンドの形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll delete -n {devicename1[,devicename2,...] | all}

-n devicename1[,devicename2,...]

監視先情報を削除する仮想インタフェース名(sha0、sha1など)を指定します。


all

定義されている監視先情報をすべて削除します。

(6) on コマンド

作成したHUB監視機能を有効化する場合、および、HUB監視機能のパラメタ変更を行う場合はonコマンドを使用します。onコマンドの形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on [-s sec] [-c time] [-f {yes | no}] [-p sec] [-l {yes | no}]

-s sec

監視間隔を秒で指定します。設定可能な範囲は1~300です(但し、secとtimeの積が300以内でなければなりません)。HUB-HUB間監視が有効の場合、または単一物理インタフェース構成において監視先を2つ設定している場合は、2秒以上に設定してください。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(秒)が設定されています。


-c time

監視回数を指定します。設定可能な範囲は1~300です(但し、secとtimeの積が300以内でなければなりません)。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は5(回)が設定されています。pingによる監視を使用しない場合は、本オプションで設定した値は使用されません。


-f yes | no

クラスタ運用中に伝送路異常によりノード間切替えが発生する場合の動作について設定します。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は“yes”が設定されます。なお、本パラメタは、クラスタ運用するために、引継ぎ仮想インタフェースを設定している場合のみ有効です。

yes:伝送路監視異常発生時にノード間切替を行います。
no :伝送路監視異常発生時にノード間切替を行いません。

注意

“no”の設定は、伝送路異常の発生を契機とした切替えを抑止するものです。それ以外を契機(仮想インタフェース活性化失敗など)としたノード間の切替えを抑止するものではありません。


-p sec

HUB監視機能において、監視開始後にHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で指定します。
設定可能な範囲は1~300です。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は60(秒)が設定されます。また、監視間隔×監視回数よりも値が小さい場合にはリンクアップ時間に設定された時間は無視され、監視間隔×監視回数で設定されている時間を採用します。


-l yes | no

NIC切替方式で運用NICがリンクダウンした際の動作について設定します。このオプションを指定しなかった場合は、前回の設定値が有効になります。初期設定値は“yes”が設定されます。

yes:運用NICがリンクダウンした状態でHUB監視に1回でも失敗した際に即時にNICを切り替えます。
no :運用NICがリンクダウンした際にHUB監視に失敗するまでNICを切り替えません。

注意

  • 仮想マシン機能の管理OSでGLSを使用する環境では、リンク状態監視機能によるNICのリンクダウンが検出できません。これは、リンク状態監視機能により、管理OSのNICのリンクダウンが検出されても、仮想スイッチを介して接続された、GLSが束ねる物理インタフェースにまでリンクダウンが通知されないためです。そのため、伝送路の切替えは、リンク状態監視機能ではなく、HUB監視機能による異常が検出された後、実施されます。

  • リンクダウン検出は、HUB監視機能でpingによる異常を検出した直後に実施されます。HUB監視と同様に、-pオプションで指定したリンクアップ待ち時間経過後に監視を開始します。

(7) off コマンド

HUB監視機能を無効化したい場合はoffコマンドを使用します。offコマンドの形式は以下のとおりです。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off

(8) devparamコマンド

表示

仮想インタフェース単位で設定したHUB監視のパラメタを表示する場合は、devparamコマンドを使用します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll devparam
[ Standard Polling Parameter ]
 Polling Status         =  ON
         interval(idle) =   5( 60) sec
         time           =   5 times
         link detection = YES
 FAILOVER Status        = YES

[ Polling Parameter of each interface ]
 Name    intvl idle  time  -     link  Fover
+-------+-----+-----+-----+-----+-----+-----+---------------------------+
 sha0        2    60     5   ---   YES    NO
 sha1        3    60     5   ---   YES   YES
 sha2      ---   ---   ---   ---   ---   ---

表示

内容

[ Standard Polling Parameter ]

共通の監視情報。各表示項目は“(3) printコマンド”を参照してください。

[ Polling Parameter of each interface ]

個々の仮想インタフェースに対して設定された監視情報。設定されていない場合は、’---’が表示されます。また、共通の監視情報が使用されます。

Name

監視対象の仮想インタフェース名

intvl

定常状態での監視間隔を秒単位で表示します。

idle

監視開始後のHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で表示します。

time

監視回数
pingによる監視を行わない場合は使用されません。

link

YES

NICのリンクダウンを検出した場合、その時点でNICの切替えを行います。

NO

NICのリンクダウンを検出してもpingによる監視が失敗するまでNICの切替えを行いません。

Fover

YES

クラスタリソースに登録されていた場合にノード間切替えを行います。

NO

ノード間切替えを行いません。


作成

仮想インタフェース単位でHUB監視のパラメタを設定する場合は、-nオプションで仮想インタフェース名を指定して、-s等のオプションで設定する監視パラメタを指定します。オプションとして指定した以外の監視パラメタは、共通の監視情報の値が設定されます。また、NIC共有している場合は、最初に設定した仮想インタフェースのパラメタが使用されます。なお、設定を有効にするには、監視を再度有効化(hanetpoll onコマンドを実行)してください。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll devparam -n devicename [-s sec] [-c time] [-f {yes | no}] [-p sec] [-l {yes | no}]

-n devicename

個別の監視パラメタを設定する仮想インタフェース名を指定します。


-s sec

仮想インタフェースに対して監視間隔を秒で指定します。指定方法は“(6) onコマンド”を参照してください。


-c time

仮想インタフェースに対して監視回数を指定します。指定方法は“(6) onコマンド”を参照してください。


-f yes | no

仮想インタフェースに対してクラスタ運用中に伝送路異常によりノード間切替が発生する場合の動作について設定します。指定方法は“(6) onコマンド”を参照してください。


-p sec

仮想インタフェースに対してHUB監視機能において、監視開始後にHUBがリンクアップするまでの待ち時間を秒単位で指定します。指定方法は“(6) onコマンド”を参照してください。


-l yes | no

仮想インタフェースに対してNIC切替方式で運用NICがリンクダウンした際の動作について設定します。指定方法は“(6) onコマンド”を参照してください。


削除

仮想インタフェース単位で設定されたHUB監視のパラメタを削除する場合は、-nオプションで仮想インタフェース名を指定して-dオプションを指定します。

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll devparam -n devicename -d

-n devicename

個別の監視パラメタを削除する仮想インタフェース名を指定します。


-d

指定された仮想インタフェースの個別パラメタ設定を削除します。

【注意事項】

【使用例】

(1) create コマンド

仮想インタフェースsha2において、監視先HUBであるhubA,hubBを監視対象にする場合の例を以下に示します。なお、ホスト名は、/etc/hostsファイルに定義されているものとします。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha2 -p hubA,hubB

(2) copy コマンド

NIC切替方式の仮想インタフェースsha0に定義されている監視先情報をsha1に複写する場合の例を以下に示します。(sha0で伝送路異常を検出して切替えが行われる場合は、sha1も同時に切替えが行われます。)

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll copy -n sha0,sha1

(3) print コマンド

仮想インタフェースの構成情報一覧を表示する場合の例を以下に示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print

(4) modify コマンド

仮想インタフェースsha2において、監視先HUBをhubA,hubCに変更する場合の例を以下に示します。なお、ホスト名は、/etc/hostsファイルに定義されているものとします。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll modify -n sha2 -p hubA,hubC

(5) delete コマンド

仮想インタフェースsha2の監視先情報を削除する場合の例を以下に示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll delete -n sha2

(6) on コマンド

HUB監視機能を開始する場合の例を以下に示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on

(7) off コマンド

HUB監視機能を停止する場合の例を以下に示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off

(8) devparam コマンド

仮想インタフェース単位に監視パラメタを設定する場合の例を以下に示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll devparam -n sha0 -s 2