List Works EEでは、帳票保管活用機能において、リスト管理サーバおよび保管データベースをクラスタシステム(フェールオーバー運用のスタンバイ機能(1:1運用待機型))で運用することができます。
クラスタシステムとは、ネットワーク上の複数の独立したコンピュータ(ノード)を連携させ、1つのシステムとして利用するシステムです。クラスタシステムでは、クラスタ内のリスト管理サーバやアプリケーションの状態を常に監視し、1台のリスト管理サーバやリスト管理サーバで稼働しているアプリケーションに障害が発生すると、自動的にフェールオーバー(処理をもう一方のサーバに引き継ぐこと)を行い、処理を続行します。このため、障害からの回復を短時間に行うことができ、可用性の高いシステムを実現できます。
システム構成
Webゲートウェイサーバ、リスト管理サーバ、およびデータベースサーバを配置するシステム構成としては以下があります。
ピーク時の利用者数や処理対象の帳票数(システムの負荷)に応じてシステム構成を選択してください。
なお、Webゲートウェイサーバは複数のコンテナを作成することができ、1つのコンテナが異常となってダウンしてもコンテナを自動的に再起動する仕組みが備わっていること、利用者がWebクライアントから再度ログインすることで正常に動作しているコンテナを経由して帳票操作が継続できることから、クラスタシステムでの切り替えの対象としません。
1つのノードに配置するシステム構成
1つのノードでWebゲートウェイサーバ、リスト管理サーバ、およびデータベースサーバを動作させるシステム構成です。
利用者数が多くなく、1つのノードのCPUおよびメモリ資源で負荷がなく処理できる場合に配置するシステム構成です。
Webゲートウェイサーバのみを別サーバに配置する構成
Webゲートウェイサーバのみを別サーバに配置するシステム構成です。
利用者数が多い場合にリスト管理サーバとデータベースサーバの処理に影響を与えないようにするために配置するシステム構成です。利用者数に応じてWebゲートウェイサーバを複数台のサーバで構成する場合もあります。
データベースサーバを別サーバにする構成
Webゲートウェイサーバを別サーバにするだけでなく、リスト管理サーバとデータベースサーバを別サーバに配置するシステム構成です。
リスト管理サーバとデータベースサーバの処理の負荷を分散する場合に配置するシステム構成です。
資源配置
クラスタシステムにおいて帳票の資源を配置する場所を示します。
資源 | 資源配置先 | 備考 | |
---|---|---|---|
Windows版 | Solaris版 | ||
プログラムファイル、各種定義ファイル | ローカルディスク | ローカルディスク | |
システムディレクトリ | 未使用 | 共有ディスク | |
保管データベース | 共有ディスク | 共有ディスク | |
保管フォルダ | 共有ディスク | 共有ディスク | |
オーバレイおよび世代管理の資源 | 共有ディスク | 共有ディスク | |
受信フォルダ | ローカルディスク | 共有ディスク | |
印刷フォルダ | ローカルディスク | 共有ディスク | Soaris11では作成できない |
ファイリングフォルダ | ローカルディスク | 共有ディスク | |
富士通ホスト帳票のオーバレイ、FCB/LPCIなどの印刷資源 | 共有ディスク | 共有ディスク | |
帳票項目・オーバレイ位置保存ファイル(項目定義ファイル) | 共有ディスク | 共有ディスク | |
仕分け定義体 | ローカルディスク | ローカルディスク | |
電子保存装置(データ転送コネクタ) | ローカルディスク | ローカルディスク |
注意
印刷中にフェールオーバーが発生した場合は、再度印刷を行う必要があります。
受信中にフェールオーバーが発生した場合は、再度登録を行う必要があります。
ファイリング中にフェールオーバーが発生した場合は、ファイリング結果は保証されません。再度ファイリングを行う必要があります。
Windows版でクラスタシステムでの運用を行う場合、下記のサービスのログオンアカウント、および帳票登録バッチの実行ユーザは、管理者を指定してください。また、すべてのサーバで同じ管理者を指定してください。
FUJITSU帳票管理サービス(富士通ホスト帳票 FNA通信形態を利用した分散印刷運用の場合)
帳票配信サービス(富士通ホスト帳票TCP/IP通信形態を利用した分散印刷運用の場合)
帳票登録バッチ(富士通ホスト帳票 ファイル転送運用の場合)
List Worksサービス(オープン帳票の場合)