ここでは、サーバ切替えまたは切戻しの処理に失敗する場合のトラブルシューティングについて説明します。
「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」がすべて満たされていない状態でサーバ切替えや切戻しを行った場合、以下のエラーメッセージが出力されることがあります。
切替え時
FJSVrcx:ERROR:61143:switchover:failed |
切戻し時
FJSVrcx:ERROR:61143:failback:failed |
以下の手順で、確認と対処を行ってください。
「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」を参照して予備サーバの条件を再確認してください。
条件が満たされていない場合、条件が満たされるように構成を変更します。
予備サーバへの切替え方式によって対処が異なります。
HBA address rename方式を利用している場合
以下のエラーメッセージが管理対象サーバのコンソールに出力されているときは、サーバのHBAへのWWNの設定に失敗した可能性があります。
「メッセージ集」の「メッセージ番号 61308」に記載されている対処を行ってください。ただし、この場合WWNの再設定をする必要はありません。
FJSVrcx:ERROR:61308:WWN setting failed. code=%1,%2 |
%1には、内部コードが表示されます。
%2には、以下のどれかが表示されます。
HBA adapter not found
command error
TFTP error
ストレージアフィニティ切替え方式を利用している場合
サーバ切替え処理の進捗状況によって、復旧先のサーバが変わります。
RORコンソールの進捗状況から、サーバ切替え処理の[進捗詳細]-[進捗一覧]を確認し、失敗したサーバ切替えの処理を特定します。
[サーバ起動確認]より前の処理でエラーになった場合
運用サーバの環境を復旧したあと、再度サーバ切替えを実行します。
以下の手順を実行し、アクセスパスの設定を復元してください。
a. storageadm zone infoコマンドでゾーニングとホストアフィニティ設定を確認します。
b. storageadm zone add/deleteコマンドを使用して、運用サーバのゾーニングとホストアフィニティ設定を復旧させます。
storageadm zoneコマンドの使用方法については、「ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド」を参照してください。
[サーバ起動確認]以降の処理でエラーになった場合
予備サーバのOS起動までの処理が完了しており、それ以降の処理でエラーが発生しています。予備サーバの環境を復旧してください。
再度、切替えまたは切戻しを行います。
【OVM for SPARC】
OVM for SPARC環境のサーバ切替え処理が失敗した場合、手動で復旧してください。
サーバ切替え処理の進捗状況によって、復旧先のサーバが変わります。
RORコンソールの進捗状況から、サーバ切替え処理の[進捗詳細]-[進捗一覧]を確認し、サーバ切替えが失敗した処理を特定します。
[OVM XML構成情報のバックアップ]より前の処理でエラーになった場合
運用サーバ側で環境を復旧して、再度サーバ切替えを実行してください。
storageadm zone infoコマンドでゾーニングとホストアフィニティ設定を確認します。
storageadm zone add/deleteコマンドを使用して、運用サーバのゾーニングとホストアフィニティ設定を復旧させます。
storageadm zoneコマンドの使用方法については、「ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド」を参照してください。
制御ドメインが使用していたドメイン構成情報をXSCFから設定します。
以下のコマンドを実行してください。
XSCF>setdomainconfig -p 0 <RETURN> |
コマンドを実行したあと、ドメイン構成を選択してください。
サーバ切替えを再実行します。
[OVM XML構成情報のバックアップ]以降の処理でエラーになった場合
予備サーバ側でOS起動までの処理が完了していますが、その後の処理でエラーになっています。
スキップされた処理を手動で実行し、業務を継続してください。
以下の中からスキップされている処理を手動で実行します。
OVM XML構成情報のバックアップ
操作は必要ありません。
ドメイン構成の復元
サーバ切替え前に保存したドメイン構成のXMLファイルから、システム上のすべてのドメイン構成を復元します。
以下のコマンドを実行してください。
primary# ldm init-system -r -i /etc/opt/FJSVrcvat/config/ovm_config.xml <RETURN> |
制御ドメインの再起動
操作は必要ありません。
OS停止完了待ち
操作は必要ありません。
サーバ起動完了待ち
操作は必要ありません。
PCIeの復元
制御ドメイン、IOドメインに割り当てられている物理I/Oデバイスを再設定します。
OVMの仕様で、制御ドメイン、およびIOドメインの両方に同一の物理I/Oデバイスが二重で設定されている可能性があります。
物理I/Oデバイスの割当てを再設定してください。
ldm list-ioコマンドを使用して、PCIeエンドポイントデバイスの一覧を確認できます。
詳細は、オラクル社の「Oracle VM Server for SPARC 管理ガイド」を参照してください。
制御ドメインの再起動
以下のコマンドを実行し、制御ドメインを再起動してください。
primary# shutdown -y -i6 -g0 <RETURN> |
OS停止完了待ち
操作は必要ありません。
サーバ起動完了待ち
操作は必要ありません。
仮想コンソールの復元
ゲストドメインのコンソールに使用するポート番号を再設定します。
OVMの仕様で、環境構築時に特定のコンソールのポート番号をゲストドメインに設定した場合、そのポート番号が無効になる可能性があります。
設定したポート番号が無効になっている場合、ポート番号を再設定してください。
ldm set-vconsoleコマンドを使用してポート番号を設定できます。
詳細は、オラクル社の「Oracle VM Server for SPARC 管理ガイド」を参照してください。
IOドメインの起動
IOドメインを起動させてください。
制御ドメイン以外にIOドメインを作成していない場合、本操作は必要ありません。
ゲストドメインの起動
IOドメインの起動完了後、各ゲストドメインを起動させてください。
ドメイン構成情報をファームに保存
以下のコマンドを実行してください。
primary# ldm add-spconfig ドメイン構成情報名 <RETURN> |
切替え状態の更新
操作は必要ありません。
OVM XML構成情報を保存します。
サーバ切替え処理中は、構成情報のXMLファイルの自動保存処理が停止します。
XMLファイルの自動保存処理を開始するために、GUIまたはCLIから構成情報のXMLファイルを保存してください。
詳細は、以下を参照してください。
「操作ガイド VE」の「18.5.4.1 GUIからの保存」
「操作ガイド VE」の「18.5.4.2 CLIからの保存」
「操作ガイド VE」の「18.5.4.3 自動保存」