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ServerView Resource Orchestrator V3.2.0 トラブルシューティング集
FUJITSU Software

2.5 サーバ切替え・切戻しの処理に失敗する場合

ここでは、サーバ切替えまたは切戻しの処理に失敗する場合のトラブルシューティングについて説明します。

「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」がすべて満たされていない状態でサーバ切替えや切戻しを行った場合、以下のエラーメッセージが出力されることがあります。

切替え時

FJSVrcx:ERROR:61143:switchover:failed
FJSVrcx:ERROR:69122:timeout occurred while executing power control modules

切戻し時

FJSVrcx:ERROR:61143:failback:failed
FJSVrcx:ERROR:69122:timeout occurred while executing power control modules

以下の手順で、確認と対処を行ってください。

  1. 「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」を参照して予備サーバの条件を再確認してください。
    条件が満たされていない場合、条件が満たされるように構成を変更します。

  2. 予備サーバへの切替え方式によって対処が異なります。

    • HBA address rename方式を利用している場合

      以下のエラーメッセージが管理対象サーバのコンソールに出力されているときは、サーバのHBAへのWWNの設定に失敗した可能性があります。
      「メッセージ集」の「メッセージ番号 61308」に記載されている対処を行ってください。ただし、この場合WWNの再設定をする必要はありません。

      FJSVrcx:ERROR:61308:WWN setting failed. code=%1,%2

      %1には、内部コードが表示されます。
      %2には、以下のどれかが表示されます。

      1. HBA adapter not found

      2. command error

      3. TFTP error

    • ストレージアフィニティ切替え方式を利用している場合

      サーバ切替え処理の進捗状況によって、復旧先のサーバが変わります。
      RORコンソールの進捗状況から、サーバ切替え処理の[進捗詳細]-[進捗一覧]を確認し、失敗したサーバ切替えの処理を特定します。

      • [サーバ起動確認]より前の処理でエラーになった場合

        運用サーバの環境を復旧したあと、再度サーバ切替えを実行します。
        以下の手順を実行し、アクセスパスの設定を復元してください。

        a. storageadm zone infoコマンドでゾーニングとホストアフィニティ設定を確認します。

        b. storageadm zone add/deleteコマンドを使用して、運用サーバのゾーニングとホストアフィニティ設定を復旧させます。

        storageadm zoneコマンドの使用方法については、「ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド」を参照してください。

      • [サーバ起動確認]以降の処理でエラーになった場合

        予備サーバのOS起動までの処理が完了しており、それ以降の処理でエラーが発生しています。予備サーバの環境を復旧してください。

  3. 再度、切替えまたは切戻しを行います。


【OVM for SPARC】
OVM for SPARC環境のサーバ切替え処理が失敗した場合、手動で復旧してください。
サーバ切替え処理の進捗状況によって、復旧先のサーバが変わります。
RORコンソールの進捗状況から、サーバ切替え処理の[進捗詳細]-[進捗一覧]を確認し、サーバ切替えが失敗した処理を特定します。


[OVM XML構成情報のバックアップ]より前の処理でエラーなった場合

運用サーバ側で環境を復旧して、再度サーバ切替えを実行してください。

  1. storageadm zone infoコマンドでゾーニングとホストアフィニティ設定を確認します。

  2. storageadm zone add/deleteコマンドを使用して、運用サーバのゾーニングとホストアフィニティ設定を復旧させます。

    storageadm zoneコマンドの使用方法については、「ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド」を参照してください。

  3. 制御ドメインが使用していたドメイン構成情報をXSCFから設定します。

    以下のコマンドを実行してください。

    XSCF>setdomainconfig -p 0 <RETURN>

    コマンドを実行したあと、ドメイン構成を選択してください。

  4. サーバ切替えを再実行します。


[OVM XML構成情報のバックアップ]以降の処理でエラーなった場合

予備サーバ側でOS起動までの処理が完了していますが、その後の処理でエラーになっています。
スキップされた処理を手動で実行し、業務を継続してください。

  1. 以下の中からスキップされている処理を手動で実行します。

    • OVM XML構成情報のバックアップ

      操作は必要ありません。

    • ドメイン構成の復元

      サーバ切替え前に保存したドメイン構成のXMLファイルから、システム上のすべてのドメイン構成を復元します。
      以下のコマンドを実行してください。

      primary# ldm init-system -r -i /etc/opt/FJSVrcvat/config/ovm_config.xml <RETURN>

    • 制御ドメインの再起動

      操作は必要ありません。

    • OS停止完了待ち

      操作は必要ありません。

    • サーバ起動完了待ち

      操作は必要ありません。

    • PCIeの復元

      制御ドメイン、IOドメインに割り当てられている物理I/Oデバイスを再設定します。
      OVMの仕様で、制御ドメイン、およびIOドメインの両方に同一の物理I/Oデバイスが二重で設定されている可能性があります。
      物理I/Oデバイスの割当てを再設定してください。
      ldm list-ioコマンドを使用して、PCIeエンドポイントデバイスの一覧を確認できます。
      詳細は、オラクル社の「Oracle VM Server for SPARC 管理ガイド」を参照してください。

    • 制御ドメインの再起動

      以下のコマンドを実行し、制御ドメインを再起動してください。

      primary# shutdown -y -i6 -g0 <RETURN>

    • OS停止完了待ち

      操作は必要ありません。

    • サーバ起動完了待ち

      操作は必要ありません。

    • 仮想コンソールの復元

      ゲストドメインのコンソールに使用するポート番号を再設定します。
      OVMの仕様で、環境構築時に特定のコンソールのポート番号をゲストドメインに設定した場合、そのポート番号が無効になる可能性があります。
      設定したポート番号が無効になっている場合、ポート番号を再設定してください。
      ldm set-vconsoleコマンドを使用してポート番号を設定できます。
      詳細は、オラクル社の「Oracle VM Server for SPARC 管理ガイド」を参照してください。

    • IOドメインの起動

      IOドメインを起動させてください。
      制御ドメイン以外にIOドメインを作成していない場合、本操作は必要ありません。

    • ゲストドメインの起動

      IOドメインの起動完了後、各ゲストドメインを起動させてください。

    • ドメイン構成情報をファームに保存

      以下のコマンドを実行してください。

      primary# ldm add-spconfig ドメイン構成情報名 <RETURN>

    • 切替え状態の更新

      操作は必要ありません。

  2. OVM XML構成情報を保存します。

    サーバ切替え処理中は、構成情報のXMLファイルの自動保存処理が停止します。
    XMLファイルの自動保存処理を開始するために、GUIまたはCLIから構成情報のXMLファイルを保存してください。
    詳細は、以下を参照してください。

    • 「操作ガイド VE」の「18.5.4.1 GUIからの保存」

    • 「操作ガイド VE」の「18.5.4.2 CLIからの保存」

    • 「操作ガイド VE」の「18.5.4.3 自動保存」