RHOSP環境において、ゲストOSに異常が発生すると、ゲストOS上のアプリケーションが動作できない状態となります。ゲストOSにPRIMECLUSTERを適用することで、ゲストOSの異常発生時、OpenStack APIを利用してゲストOSの仮想マシンを強制停止し、運用系のゲストOSから待機系のゲストOS上へアプリケーションを切替え、信頼性の高いゲストOS環境を実現します。
注意
GDSのルートクラスは使用できません。
RHOSP上のプロジェクト内で、重複した仮想マシン名は使用できません。
仮想マシンに対するスナップショットはOSを停止した状態のみ取得可能です。
RHOSPのオートスケール機能は使用できません。
GLSを使用する場合、二重化方式として仮想NIC方式のNIC非冗長構成を使用してください。
かんたん設計構築機能を使用して、RHOSPのゲストOS間クラスタシステムを構築する場合は、GLSを使用できません。
RHOSP環境では、クラスタシステムとして以下の方式があります。
1つのコンピュートノード上のゲストOS間クラスタシステムを構築する場合
異なるコンピュートノード上のゲストOS間クラスタシステムを構築する場合
各クラスタシステムの用途と注意事項は以下のとおりです。
クラスタの方式 | 用途例 | 注意事項 |
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1つのコンピュートノード上のゲストOS間でクラスタシステムを構築する場合 |
|
|
異なるコンピュートノード上のゲストOS間でクラスタシステムを構築する場合 |
| コンピュートインスタンスの高可用設定を使用しない環境で、コンピュートノードに異常が発生した場合は、業務の切替えは行われず、LEFTCLUSTER状態となります。 |
*1 コンピュートインスタンスの高可用設定の詳細については、“Red Hat OpenStack Platform コンピュートインスタンスの高可用性”を参照してください
1つのコンピュートノード上のゲストOS間クラスタシステムを構築する場合
本構成では、1つのコンピュートノード上でクラスタシステムを動作させることができます。PRIMECLUSTER上で動作するuserApplicationの動作検証を行う場合に有効です。
図I.1 1つのコンピュートノード上のゲストOS間クラスタシステム
異なるコンピュートノード上のゲストOS間クラスタシステムを構築する場合
本構成では、コンピュートノード毎に異なるハードウェア(ネットワークやディスク)を割り当てることで、ネットワークやディスクが故障しても、フェイルオーバにより業務を継続動作させることができます。
図I.2 異なるコンピュートノード上のゲストOS間クラスタシステム
注意
コンピュートインスタンスの高可用設定を使用しない環境で、コンピュートノードに異常が発生した場合は、ノード状態がLEFTCLUSTERとなります。LEFTCLUSTERからの回復については、“I.3.2.1 コンピュートインスタンスの高可用設定を使用していない場合”を参照してください。
コンピュートインスタンスの高可用設定を使用することで、コンピュートノードに異常が発生した場合でも、業務継続が可能となります。ただし、異常が発生したコンピュートノードと仮想マシンは、手動で復旧を行ってください。復旧方法については“I.3.2.2 コンピュートインスタンスの高可用設定を使用している場合”を参照してください。
RHOSP環境では、ネットワーク構成、セキュリティグループを以下のように設定してください。
ネットワーク構成:
クラスタインタコネクトは、管理LAN、業務LAN、およびGDSのサーバ間ミラーリングで使用するネットワークから独立したネットワークにすること
クラスタを構成する仮想マシンは、RHOSPの各種サービスエンドポイントと通信ができること
セキュリティグループ:
セキュリティグループは以下の2つを設定すること
クラスタを構成する仮想マシン間で業務・管理LAN用のセキュリティグループ
クラスタを構成する仮想マシン以外との通信ができないような、クラスタインタコネクト用のセキュリティグループ