Cluster Foundation (CF)とCIPは、Cluster AdminのCFウィザードを使用して以下の情報を設定します。CF、CIPの設定に対応するデザインシートは、PRIMECLUSTER デザインシートの“セットアップ(初期構成)”です。
設定方法の詳細については、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書”の“1.1.4 クラスタの作成例”を参照してください。
設定項目 | 設定内容 | 対応デザインシート項目 |
---|---|---|
クラスタ名 | クラスタシステムの名称を設定します。 | 「クラスタ名」 |
クラスタノード | クラスタに参入するノードを選択します。 | 「ノード1」、「ノード2」、「ノード3」、「ノード4」の「ノード名(uname -n)」 |
CFノード名 | クラスタを構成するノードの名前を設定します。 | 「ノード1」、「ノード2」、「ノード3」、「ノード4」の「CFノード名」 |
クラスタインタコネクト | クラスタを構成する各ノードで、CFのノード間通信に使用するネットワークインタフェースを決めます。代表的なネットワークインタフェースとして、イーサネットデバイスがあります。 CFのノード間通信に使用するネットワークインタフェースは、システム起動時に活性化するよう設定してください。ただし、GDSのサーバ間ミラーリング用ネットワークとして使用する場合を除き、IPアドレスを割り当てる必要はありません。 | 「ノード1」、「ノード2」、「ノード3」、「ノード4」の「パス0 NIC名」、「パス1 NIC名」 |
IPインタコネクト | CFがIPを使って動作できるようにする場合設定します。この設定はオプションです。 | 「IPインタコネクト設定」 |
CIPサブネット | 以下を設定し、CFで使用するIPを設定します。
IPインタコネクトで使用するネットワークインタフェースを含め、OS上に存在するすべてのネットワークインタフェースのIPアドレスとは異なるネットワークセグメントになるように設定してください。 | 「CIP」の「サブネット数」、「サブネットIP」、「ネットマスク」 |
CFリモートサービスの使用の確認 | 以下の機能を有効にするかどうかチェックします。
デフォルトは「選択されていない」状態です。RMSを使用する場合には、必ず選択を行ってください。 | 「CFリモートサービス使用の有無」 |
CIM(クラスタ整合性モニタ)構成の設定 | CIMで監視するノードを設定します。 | 「ノード1」、「ノード2」、「ノード3」、「ノード4」の「CFクォーラムセットのノードである」 |
注意
CFノード名にはクラスタノードのノード名が自動的に入力されます。CFノード名が11文字を超える場合は、11文字に収まるよう名前を変更してください。
複数のクラスタを構築する場合、かつ、異なるクラスタで使用しているいずれかのNICが同一のネットワーク上に存在する場合、クラスタ名にノード名を含めるなど、クラスタごとに異なる名前を指定してください。
CFリモートサービスのいずれかの機能を有効にする場合には、以下のシステムを同じクラスタインタコネクト上に接続しないでください。
セキュリティ上問題のあるシステム
クラスタインタコネクトをセキュリティで保護していないシステム
以降ではCFリモートサービス(CFCPおよびCFSH)が有効であることが前提となります。CFの構成設定後に本機能を有効とするためには、/etc/default/cluster.configファイルに次の内容を追加し、cfset -rを実行して有効にしてください。
CFCP "cfcp" CFSH "cfsh"
CF、CIPの設定に失敗する場合、以下の原因が考えられます。各項目を確認してください。
クラスタインタコネクトの接続に誤りがある。
クラスタインタコネクトで使用するネットワークインタフェースが活性化されていない。
CFの設定が完了すると、“SFウィザード起動確認ポップアップ”が表示されますが、<いいえ>を選択してください。本バージョンでは、SFウィザードは使用できません。 SFの設定は、“5.1.2 シャットダウン機構の設定”で説明する手順で行います。
管理LANとクラスタインタコネクトを同じNICで共有する場合は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書”の“1.1 CF、CIP、および CIM の構成設定”を参照してください。
bondingデバイスをクラスタインタコネクトに使用する場合は、mode=1(active-backup)のみ使用できます。
クラスタインタコネクトは、物理的に独立した専用のネットワークを使用することを推奨します。他の通信とネットワークを共有する場合、その通信の一時的な負荷によりハートビート切れを検出する可能性があります。運用前に、実際の運用中と同様のネットワーク負荷をかけた状況で動作させて、ハートビート切れを検出しないことを確認してください。ハートビート切れを検出した場合、“11.3.1 CFハートビートのタイムアウト検出時間の変更”を参照して、クラスタタイムアウトの値をチューニングしてください。
PRIMEQUEST 3000シリーズにおいて、拡張パーティションを使用したクラスタシステムを構築する場合、一つのクラスタシステムにつきサポートノード数は最大4ノードに制限されます。
注意
シングルノードクラスタ運用の場合
物理環境、KVM 環境、または VMware 環境の場合、必ずクラスタインタコネクトを設定してください。
物理環境、KVM 環境、または VMware 環境の場合、クラスタインタコネクトに指定するネットワークインタフェースは、上記の表に記載されている専用のネットワークインタフェースデバイスを指定してください。
クラウド環境の場合、以下の手順を実施して、dummy インタフェースを作成し、この dummy インタフェースをインターコネクトとして設定してください。以下の手順では、dummy インタフェースのインタフェース名を dummy0 としています。
[RHEL7 の場合]
/etc/modprobe.d/dummy.conf を以下の内容で作成してください。
alias dummy0 dummy
以下の内容で /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-dummy0 を作成してください。
DEVICE=dummy0 TYPE=Ethernet ONBOOT=yes BOOTPROTO=static IPADDR=<IPアドレス> NETMASK=<サブネットマスク>
OS を再起動してください。
以下のコマンドを実行して、dummy インタフェースが作成されたことを確認します。
# ip addr show dummy0
[RHEL8 の場合]
以下のコマンドを実行してください。
# nmcli connection add type dummy ifname dummy0 ipv4.method manual ipv4.address <IPアドレス>/<プレフィックス長>
以下のコマンドを実行して、dummy インタフェースが作成されたことを確認してください。
# ip addr show dummy0
CFの設定が完了すると、“SFウィザード起動確認ポップアップ”が表示されますが、シャットダウン機構の設定は不要なため、<いいえ>を選択してください。
シャットダウン機構の設定を行いませんので、システム起動時に以下に示すシャットダウン機構および、RMSのメッセージが出力されますが問題ありません。
シャットダウン機構のメッセージ:
fopen of /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg failed, errno 2 Could not correctly read the rcsd.cfg file
RMSのメッセージ:
(SCR,26): ERROR The sdtool notification script has failed with status 1 after dynamic modification.
参照
クラスタインタコネクトの設定に失敗した場合の対処については、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書”の“第8章 診断とトラブルシューティング”を参照してください。