UFS などのファイルシステム上に存在するファイルを GFS 共用ファイルシステムに移行する場合は、以下の注意事項があります。
注意
移行前のファイルシステムにおける quota 機能のユーザ制限値は、GFS 共用ファイルシステムへ移行できません。
移行前のファイルシステムの ACL 機能の設定を GFS 共用ファイルシステムへ移行できません。なお ACL の設定を含む tar(1) や cpio(1) で作成したアーカイブは、ACL に関するエラーが表示されますが、ファイルデータはリストアできます。
ホールがあるファイルを GFS 共用ファイルシステムに移動する場合、記憶装置上の領域が確保され、ホールのないファイルになります。
ファイルシステムの移行は、ファイルおよびディレクトリを別の場所 (記憶装置上、別ファイルシステム上など) に退避しておきます。そして、新しく GFS 共用ファイルシステムを構築してから展開する方法で行います。以下の手順で行います。
対象ファイルシステムが使用されていないことを調べてください。
対象ファイルシステム上の全ファイルを tar(1), cpio(1) などで、バックアップ装置、または、別のファイルシステムに退避します。
作成した GFS 共用ファイルシステムに、退避したファイルを展開します。
以下に /mnt にマウントされた UFS ファイルシステムのファイルを一時的に /data に退避して、同一デバイス上の GFS 共用ファイルシステムに移行する手順の例を示します。
ファイルの退避
# cd /mnt <Enter> # tar cvpf - . > /data/backup.tar <Enter> # cd / <Enter> # umount /mnt <Enter> |
GFS 共用ファイルシステムの構築
本書の“10.2 作成”または“11.2 作成”に従って、GFS 共用ファイルシステムを作成、マウントします。
本例では、マウントポイントを /sfcfs に変更します。
ファイルの復元
# cd /sfcfs <Enter> # tar xvf /data/backup.tar <Enter> |
図15.1 UFS からの移行