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PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.6
FUJITSU Software

15.1 既存ファイルの移行

  UFS などのファイルシステム上に存在するファイルを GFS 共用ファイルシステムに移行する場合は、以下の注意事項があります。

注意

  • 移行前のファイルシステムにおける quota 機能のユーザ制限値は、GFS 共用ファイルシステムへ移行できません。

  • 移行前のファイルシステムの ACL 機能の設定を GFS 共用ファイルシステムへ移行できません。なお ACL の設定を含む tar(1) や cpio(1) で作成したアーカイブは、ACL に関するエラーが表示されますが、ファイルデータはリストアできます。

  • ホールがあるファイルを GFS 共用ファイルシステムに移動する場合、記憶装置上の領域が確保され、ホールのないファイルになります。

  ファイルシステムの移行は、ファイルおよびディレクトリを別の場所 (記憶装置上、別ファイルシステム上など) に退避しておきます。そして、新しく GFS 共用ファイルシステムを構築してから展開する方法で行います。以下の手順で行います。

  1. 対象ファイルシステムが使用されていないことを調べてください。

  2. 対象ファイルシステム上の全ファイルを tar(1), cpio(1) などで、バックアップ装置、または、別のファイルシステムに退避します。

  3. 本書の“10.2 作成”または“11.2 作成”に従ってディスク上に GFS 共用ファイルシステムを作成します。

  4. 作成した GFS 共用ファイルシステムに、退避したファイルを展開します。

  以下に /mnt にマウントされた UFS ファイルシステムのファイルを一時的に /data に退避して、同一デバイス上の GFS 共用ファイルシステムに移行する手順の例を示します。

  1. ファイルの退避

    # cd /mnt <Enter>
    # tar cvpf - . > /data/backup.tar <Enter>
    # cd / <Enter>
    # umount /mnt <Enter>
  2. GFS 共用ファイルシステムの構築

      本書の“10.2 作成”または“11.2 作成”に従って、GFS 共用ファイルシステムを作成、マウントします。

      本例では、マウントポイントを /sfcfs に変更します。

  3. ファイルの復元

    # cd /sfcfs <Enter>
    # tar xvf /data/backup.tar <Enter>

図15.1 UFS からの移行