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PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.6
FUJITSU Software

13.2.2 ファイルシステム単位のバックアップ

  ファイルシステム単位で GFS 共用ファイルシステムをバックアップするには、dd(1M) を使用します。以下に dd(1M) を使用したバックアップ手順を説明します。

参照

  dd(1M) の詳細については、Solaris のマニュアルを参照してください。

  ファイルシステム単位のバックアップは、ファイル単位のバックアップに比べてファイルシステム全体を高速にバックアップすることができます。ただし、この方法でバックアップされたファイルシステムは、リストアの際にファイル単位でリストアすることはできません。

  バックアップを実施する前には、以下に示す手順で対象となる GFS 共用ファイルシステムのパーティション情報を確認します。そして、バックアップに必要なバックアップ媒体の容量と本数を見積もった後、対象となる GFS 共用ファイルシステムをアンマウントしてください。

  以下に、シングルパーティション構成の場合とマルチパーティション構成の場合における、テープへのバックアップ例について説明します。

シングルパーティション構成の場合

  sfcinfo(1M) でパーティション情報を表示して、シングルパーティションである (特殊ファイル名が同じ) こと、容量がバックアップ先のデバイスに収まることを確認しておきます。パーティションの容量は size フィールドに表示された値 (キロバイト単位) の合計に 1 メガバイトを加えた値で見積もってください。

例) パーティションが 1 つの場合のバックアップ

# sfcinfo /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter>
FSID special                                            size  Type  mount
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        14422  META  -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)         5116  LOG   -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        95112  DATA  -----
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k <Enter>
マルチパーティション構成の場合

  dd(1M) が扱えるのはパーティション単位です。したがって、マルチパーティション構成の場合には各パーティションに分けてバックアップする必要があります。sfcinfo(1M) でパーティション構成を確認した後、各パーティションをシングルパーティション構成の場合と同様の方法でバックアップします。

例) パーティションが 2 つの場合のバックアップ

# sfcinfo /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter>
FSID special                                            size  Type  mount
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        14422  META  -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)         5116  LOG   -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01(11500000021)        95112  DATA  -----
   1 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume02(11500000022)        95112  DATA  -----
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k <Enter>
  (テープを交換します)
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume02 of=/dev/rmt/0 bs=1024k <Enter>

注意

  • バックアップは、対象の GFS を構成するパーティションのすべてに対して行ってください。一部のパーティションだけをバックアップして保管しないでください。

  • バックアップしたテープは、バックアップしたパーティションがわかるようにラベルをはり、一組にして保管してください。

  dd(1M) はマルチテープボリュームをサポートしていません。ファイルシステムの大きさがテープ 1 巻に収まらない場合には、分割してバックアップする必要があります。その際、bs (ブロック長)、count (ブロック数)を設定して、iseek [入力側のオフセット(ブロック数)] は count 数分だけ増やしてください。

例) パーティションを 1 ギガバイト単位に分割してバックアップする場合

# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 <Enter>
  (テープを交換します)
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=1024 <Enter>
  (テープを交換します)
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=2048 <Enter>
  (テープを交換します)
# dd if=/dev/sfdsk/gfs01/rdsk/volume01 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=3072 <Enter>
  ...