PRIMECLUSTERシステムでは、システムのバージョンアップ作業時や構成の変更時に、操作のミスによるトラブルから復旧する目的で、PRIMECLUSTERを構成する各種環境ファイルを一括してバックアップ/リストアする機能を提供しています。
本機能により、PRIMECLUSTERシステムの以下の資産をバックアップ/リストアすることができます。
CFの設定
SF(Shutdown Facility)の設定
RMSの設定
GUI (Web-Based Admin View 含む) の設定
GLS (伝送路二重化機能) の設定
注意
バックアップ時とリストア時のハードウェア構成が同じである必要があります。
RMS の設定ファイルのうち、ユーザによって構成から呼び出される特別なコマンド、およびユーティリティはバックアップされません。
GLS (マルチパス機能)、GFS、および GDS に関しては現在未サポートです。
バックアップ/リストアの手順は各マニュアルを参照してください。
PRIMECLUSTER関連製品のバックアップ/リストアについては、各マニュアルを参照してください。
OnlinePriority 属性に1が設定されているクラスタアプリケーションが存在する環境でシステムのバックアップを採取すると、リストア直後のアプリケーションの自動起動が抑止されることがあります。この場合、hvswitch コマンドを使用し、手動で userApplication を Online にしてください。
■バックアップ/リストアの前提条件
PRIMECLUSTER のバックアップ/リストア機能を利用するにあたって、以下の条件があります。
バックアップ/リストア機能は、PRIMECLUSTER 4.1A10 以降から利用可能です。
ただし、GLS (伝送路二重化機能) を含めたバックアップ/リストア機能は、PRIMECLUSTER 4.1A20 以降から利用可能となります。
また、ノングローバルゾーンでは使用できません。ノングローバルゾーンの場合、システム全体のバックアップ/リストアを行ってください。
リストアを実施するバージョンは、バックアップを行った PRIMECLUSTERのバージョンと同じであるか、それ以降である必要があります。
バックアップを行う際は、PRIMECLUSTER 動作環境で全ノードでバックアップ手順を実施し、できる限り同時に行ってください。また、バックアップする際は、マルチユーザモード、シングルユーザモードのどちらでも実行可能です。
注意
バックアップを全ノードで同時に実施しないと、各マシン上で構成の異なるバックアップデータを持つ可能性があります。マシン間で構成の異なるバックアップデータを持つと、リストア時にクラスタ構成の一貫性を維持できなくなります。
リストアを行う際は、PRIMECLUSTER の構成を復元したい全ノードでリストア手順を実施してください。また、リストアする際は、必ずシングルユーザモードで実施してください。
注意
OSから新規にインストールした環境に対するリストアの実施は、動作保障しておりません。
バックアップ採取後に RMS の構成情報を変更した状態から、構成変更前の状態に戻すようリストアを実施すると、構成情報に不整合が発生する可能性があります。正しく構成情報を復元するには、リストア実施前に一旦 RMS の構成情報を削除する必要があります。
リストアを一部のノードでのみ実施すると、ノード間でクラスタ構成情報の一貫性を維持できなくなり、誤動作する可能性があります。
リストアを行う際は、バックアップ時のハードウェア構成と同じになっている必要があります。
リストア機能では、Solaris標準のシステムファイルについてはリストアしません。また、バックアップ機能においても、PRIMECLUSTERで使用する一部のシステムファイルのみしかバックアップしておりません。システムファイルのバックアップ/リストアはユーザ自身で行ってください。
バックアップ機能でバックアップしたシステムファイルをりストアする方法はリストア手順の手順 3) を参照してください。
参考
バックアップはクラスタの設定を変更した都度、実施しておくことをお勧めします。