ここでは、アプリケーションサーバを指定して接続する場合の通信環境の設定手順を説明します。ログオングループを指定して接続する場合の通信環境の設定手順については、“4.1.2 通信環境の設定(ログオングループを指定して接続する場合)”を参照してください。
通信環境の設定は、Systemwalker Operation Manager サーバ上で行います。
通信環境の設定作業で最初に行う作業は、ポート番号の設定です。ポート番号の設定作業は、Systemwalker Operation Manager サーバと、接続先のSAP ERP システムのアプリケーションサーバを、異なるサーバ上にインストールした場合に行ってください。
ポート番号とは、TCP/IP通信を行うために必要な情報の1つで、接続先のアプリケーションを識別するのに使用されます。Systemwalker Operation Manager サーバは、TCP/IPを利用してSAP ERP システムと通信するので、あらかじめポート番号を設定しておく必要があります。
ポート番号の設定は、Systemwalker Operation Manager サーバ上で、システム管理者が行います。設定の手順は以下のとおりです。
アプリケーションサーバ側のポート番号の設定を複写
アプリケーションサーバをインストールしたサーバ上でservicesファイルを開き、SAP ERP システムに関するポート番号の設定をすべて複写します。
servicesファイルは、以下のディレクトリ配下に格納されています。
/etc
システムルート\system32\drivers\etc
SAP ERP システムのポート番号の設定は、以下の形式で記述されています。
sapdpXX YYYY/tcp
sapgwXX YYYY/tcp
sapspXX YYYY/tcp
注)上記の“XX”および“YYYY”には数字が設定されています。
複写したポート番号の設定をSystemwalker Operation Manager サーバ側に追加
Systemwalker Operation Manager サーバをインストールしたサーバ上でservicesファイルを開き、1.で複写したポート番号の設定を追加します。
なお、Windows版の場合は、servicesファイルの最後に必ず改行を入力してください。
ポート番号の記述例を以下に示します。
sapdp00 3200/tcp |
以上でポート番号の設定作業は完了です。
注意
同じポート番号が他製品で使われている場合について
SAP ERP システムのポート番号と同じものが他製品で使用されている場合は、SAP ERP システムの設定を優先してください。
接続先のシステムとは、Systemwalker Operation Managerの接続先である、SAP ERP システムのアプリケーションサーバのことです。Systemwalker Operation Managerは、ここで指定されたアプリケーションサーバに接続し、SAP ERP システムジョブを投入します。
接続先のシステムは、初期設定ファイル“sapnwrfc.ini”に定義します。初期設定ファイル“sapnwrfc.ini”とは、SAP ERP システムとそれ以外のシステムが通信するために必要な情報を記述するファイルです。sapnwrfc.iniの記述形式はSAP ERPによって決められていますので、作成方法の詳細はSAP ERPのドキュメントを参照してください。
Systemwalker Operation ManagerとSAP ERP システムの連携では、以下の点に注意してsapnwrfc.iniを作成してください。
sapnwrfc.iniの作成場所
sapnwrfc.iniは、Systemwalker Operation Manager サーバ上の任意のディレクトリに作成します。
sapnwrfc.iniの記述項目
sapnwrfc.iniには、接続先のSAP ERP システムに関する情報を記述します。記述する項目は以下のとおりです。
DEST制御文
3文字までの任意の英数字を指定します。
ASHOST制御文
接続先のアプリケーションサーバの名前を指定します。
SYSNR制御文
接続先のアプリケーションサーバのシステム番号(2桁で記述:00~99)を指定します。
sapnwrfc.iniの記述例
記述例を以下に示します。
DEST=CSP |
sapnwrfc.iniの注意事項
Windows版の場合は、sapnwrfc.iniの最後の行に必ず改行を入力してください。
DEST制御文につづく一連の制御文で指定した接続先のSAP ERP システムに関する情報のことを、“接続先システム定義”といいます。接続先システム定義は、DEST制御文に指定した文字列で管理されます。この文字列のことを“接続先システム定義名”といいます。接続先システム定義名は、後述するセション開設用情報に指定します。