Symfoware Serverでは、データを記憶するデバイスとして、PCIe Flashをサポートしています。PCIe Flashは、サーバ内のPCI Expressスロットに挿入して使用するSSDであり、高速な内蔵ディスクとして利用できます。
PCIe Flash利用のメリット
Symfoware ServerでPCIe Flashを利用するメリットを説明します。
PCIe Flashは、データアクセスを高速に行うことができるため、負荷分散のための資源配置設計は必要ありません。データやログをPCIe Flash上に配置するだけで、簡単にデータベースを高速化できます。
ログ環境が1つしかない場合、PCIe Flashを導入しても、ログ書き込みにおいて同一のPCIe Flashにアクセスを行うため、1つのPCIe Flashの性能が上限となり、PCIe Flashの性能を十分に発揮できません。複数のログ環境で運用するスケーラブルログ運用では、それぞれのログ環境でPCIe Flashを利用することで、PCIe Flashの性能を最大限発揮することができ、I/O負荷の分散によるデータアクセスの高速化が実現できます。
磁気ディスクを用いて性能を向上させるためには、負荷分散のために多数のディスクが必要です。そのため、サーバの設置スペースだけでなく、ETERNUSのような大規模なストレージの設置スペースが必要です。しかし、PCIe Flashは、サーバの内部に設置するため、ストレージの設置スペースが必要ありません。また、消費電力も大幅に削減されます。
PCIe FlashはHDDのヘッドのような可動部品を持たないため、故障率が低下します。また、エラー検出機能などにより、信頼性を確保しています。
PCIe Flashの使用方法
PCIe Flashは、サーバ内のPCI Expressスロットに挿入して使用します。挿入後、OSを起動し、ベンダのホームページなどから入手したドライバをインストールすることで、OSからPCIe Flashを認識することができます。
参照
ドライバの入手方法やインストール方法は、ベンダのドキュメントを参照してください。
Symfoware Serverでは、データベースシステムの可用性を向上させる機能として、ホットスタンバイ機能とデータベース二重化機能があります。データベース二重化機能では、Mirroring Controllerを組み合わせることで、データベースサーバの縮退時に自動でノードを切り替えることができます。PCIe Flashは、Mirroring Controllerと組み合わせたデータベース二重化機能で使用してください。また、ミラーリングのためのデータ転送がボトルネックになることを防ぐために、正系ノードと副系ノード間のデータ転送は、10Gb Ethernetを使用することを推奨します。
なお、PCIe Flashは、サーバの内部に設置するため、共用ディスクを必要とするホットスタンバイ機能では利用できません。
PCIe Flashを利用する場合の資源配置の考え方も、基本的には磁気ディスクの場合と同様ですが、PCIe Flashの利用環境に応じて、以下の考え方で資源を配置することを推奨します。
RDBディクショナリ、RDBディレクトリファイル、ロググループ管理ファイル、ログ管理ファイル、ログインデックス域、BIログ域、AIログ域を優先してPCIe Flashに配置
データベーススペースは、アクセス頻度の高いデータベーススペースをPCIe Flashに配置し、アクセス頻度の低いデータベーススペースをPCIe Flash以外の物理ディスクに配置
退避データやアーカイブログファイルはアクセス頻度が低いため、PCIe Flash以外の物理ディスクに配置
PCIe Flashは高性能のため、BIログ域、AIログ域などの資源とデータベーススペースを同一のPCIe Flash上に配置しても性能に大きな影響はありません。
参照
資源配置の例は、“セットアップガイド”の“Symfoware/RDB資源のディスク配置”を参照してください。