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PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.5 導入運用手引書
FUJITSU Software

G.4.2 プライマリ・データベースとフィジカル・スタンバイ・データベースの切替え

プライマリ・データベースとフィジカル・スタンバイ・データベースの切替え時の遷移図を記載します。

  1. 通常運用時(切替え前の初期状態)

  2. アーカイブログの転送適用状況を確認
    プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトでログスイッチの前後でシーケンス番号が一致するかどうか確認します。一致しない場合は、ギャップを解消します。

    参照

    詳細はOracle Databaseのマニュアルを参照してください。

  3. PRIMECLUSTERの保守モード移行
    userApplicationの意図しないフェイルオーバを防止するため、両サイトの運用ノードで以下のコマンドを実行し、PRIMECLUSTERの保守モードに移行します。

    # /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvutil -M on

    userApplicationの状態が“Maintenance”となることを確認します。

  4. Oracleリソースの監視中断
    Oracleへのセッションを切断するため、両サイトの各クラスタノードで以下のコマンドを実行し、Oracleリソースの監視を中断します。

    # /opt/FJSVclora/sbin/hvoradisable -a <Oracleリソースを含むuserApplication名>

    Oracleリソースの監視中断が正常に行われたことを確認してください。

    (参考 "4.1 hvoradisable - リソース監視の中断" - 注意)

  5. Oracle Data Guardのロールの切替え(スイッチオーバー)
    Oracle Data Guardのロールの切替え手順は以下のとおりです。

    参照

    詳細はOracle Databaseのマニュアルを参照してください。

    1. スイッチオーバー可能かどうかの確認
      プライマリ・データベースで、次のSQL文を発行します。

      SQL> ALTER DATABASE SWITCHOVER TO <スタンバイ・データベースのdb_unique_name> VERIFY;

      「データベースが変更されました。」というメッセージが返された場合、SQL文が正常に実行されていますので、次の手順へ進んでください。
      Oracleデータベースのエラーが返された場合、問題を解決した後で上記SQL文を再度発行してください。

    2. スイッチオーバー開始
      プライマリ・データベースで、次のSQL文を発行してスイッチオーバーを開始します。

      SQL> ALTER DATABASE SWITCHOVER TO <スタンバイ・データベースのdb_unique_name>;

      新スタンバイ・サイトのデータベースが停止します。

      新プライマリ・サイトのデータベース・ロールが「PRIMARY」となります。

    3. 新プライマリ・データベースをオープン
      次のSQL文を新プライマリ・データベースで発行します。
      Oracleインスタンスリソースの設定で“PDBを使用”をyesに設定した場合、PDBを起動します。

      SQL> ALTER DATABASE OPEN;
      SQL> ALTER PLUGGABLE DATABASE ALL OPEN;  ※“PDBを使用”をyesに設定した場合

    4. 新フィジカル・スタンバイ・データベースをマウント

      次のSQL文を新スタンバイ・データベースで発行します。

      SQL> STARTUP MOUNT

      または、新スタンバイ・データベースがOracle Active Data Guardのフィジカル・スタンバイ・データベースである場合、次のSQL文を発行して読取り専用で開きます。
      Oracleインスタンスリソースの設定で“PDBを使用”をyesに設定した場合、PDBを起動します。

      SQL> STARTUP
      SQL> ALTER PLUGGABLE DATABASE ALL OPEN;  ※“PDBを使用”をyesに設定した場合

    5. 新フィジカル・スタンバイ・データベースでREDO Applyを開始

      Oracleインスタンスリソースの設定項目REDOApplyの設定値に応じて、次のSQL文を新スタンバイ・データベースで発行します。

      • NormalApply、RealTimeQueryNの場合

        SQL> ALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE USING ARCHIVED LOGFILE DISCONNECT;
      • RealTimeApply、RealTimeQueryRの場合

        SQL> ALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE DISCONNECT;
      • ReceiveOnly、ReadOnlyOPENの場合
        何も実施しません。

  6. Oracleリソースの監視再開
    両サイトの各クラスタノードで以下のコマンドを実行し、Oracleリソースの監視を再開します。

    # /opt/FJSVclora/sbin/hvoraenable -a <Oracleリソースを含むuserApplication名>

    監視再開が正常に行われたことを確認してください。

    (参考 "4.2 hvoraenable - リソース監視の再開" - 注意)

  7. PRIMECLUSTERの保守モードの解除
    両サイトの運用ノードで以下のコマンドを実行し、PRIMECLUSTERの保守モードを解除します。

    # /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvutil -M off

    userApplicationの状態が“Online”または“Offline”となることを確認します。