ここでは、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.1A30/A40 においてOracle Clusterware 制御機能を使用していた場合の、4.2A02 への移行手順について説明します。
Oracle Clusterware 制御機能の移行手順は、移行後に Oracle Clusterware をどのように扱うかに応じて異なります:
Oracle Clusterware 用の userApplication を新たに作成する場合
"2.3.3 userApplication およびリソースの構成" の「構成パターンA」に該当します。以降の手順において、本構成を「構成パターンA」と表記します。
RAC インスタンスリソースを含んでいる既存の userApplication に、Oracle Clusterware リソースを追加する場合
"2.3.3 userApplication およびリソースの構成" の「構成パターンB」に該当します。以降の手順において、本構成を「構成パターンB」と表記します。
RAC インスタンスリソースの PreOnlineScript を修正する場合
"2.3.3 userApplication およびリソースの構成" の「構成パターンC」に該当します。以降の手順において、本構成を「構成パターンC」と表記します。
注意
本手順を実施する前に、現在の構成内容(SysNode や userApplication、リソースの関連)を Cluster Adminの rms タブや hvdisp コマンドを活用して把握しておく必要があります。この作業は PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.1A30/A40の状態(4.2A02 へ入れ換える前)にて行ってください。
手順の中に "構成パターンA/B/Cの場合" と記載されている箇所は、変更する構成パターンに応じて進んでください。特に明記されていない場合は、全ての構成パターンで実施してください。
本手順は、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.2A02 のインストールが完了した後に実施してください。
RMS が起動している場合は停止してください。全てのクラスタノード上の RMS が停止している必要があります。
RMS の停止は、Cluster Admin の rms タブで「ツール」→「RMS の停止」から実施するか、または RMS 稼働中のノードにてスーパーユーザー権限で以下のコマンドを実行してください。
# hvshut -a <Return>
Oracle Clusterware を起動します。
スーパーユーザー権限で以下のコマンドを実行してください。
# /etc/init.d/init.crs start <Return>
userApplication Configuration Wizard を起動します。
2でOracle Clusterwareを起動したノードに対して、Web-Based Admin Viewで接続します。更に「Global Cluster Services」→「userApplication Configuration Wizard」の順にクリックしてください。
「userApplication Configuration メニュー」で「userApplication や Resource の変更」を選択し、「次へ」をクリックします。
「userApplication と Resource の一覧」で、リソースの一覧から RAC インスタンスのリソースを選択し、「次へ」をクリックします。(例:Oracle1)
「Resource の設定(Resource 名:xxx)」で、RAC インスタンスを選択し、「次へ」をクリックします。
(例:Oracle RAC のインスタンス/リスナーリソース[0]=ora.dbname.inst1.inst)
「元の値:xxx」を選択し、「次へ」をクリックします。(例:元の値:ora.dbname.inst1.inst)
「高度な設定」をチェックし、「(PreOnlineScript='/opt/FJSVclora/sbin/cloracrs~<OracleUser>')」を選択し、「次へ」をクリックします。
PreOnlineScript を削除、または修正します。
構成パターンA または B の場合
「何も設定しない」を選択し、「次へ」をクリックしてください。
構成パターンC の場合
「情報の入力」を選択して以下のように入力し、「次へ」をクリックしてください。
/opt/FJSVclora/sbin/cloracrs <OracleUser> start
PreOnlineScript が削除、または修正されていることを確認し、「保存して戻る」を選択後、「次へ」をクリックします。
構成パターンに応じた手順を行います。
構成パターンA の場合
何もせず、次の手順に進んでください。
構成パターンB の場合
既存の Oracle リソースに Oracle Clusterware リソースを追加してください。手順は、“2.3.4 Oracle Clusterware リソースを含む userApplication の作成” の手順3~6を参照してください。
構成パターンC の場合
何もせず、次の手順に進んでください。
「保存して登録」を選択し、「登録」をクリックします。
構成パターンA の場合
応答メッセージ0803には「はい」をクリックしてください。
応答メッセージ0817については「いいえ」をクリックしてください。(このあと変更作業を継続するため)
必要に応じて、他の RAC インスタンスリソースについて手順4~12を繰り返してください。
構成パターンB または C の場合
応答メッセージ0803には「はい」をクリックしてください。
応答メッセージ0817については、変更作業が全て完了している場合は「はい」を、変更作業を継続して実施する場合は「いいえ」をクリックしてください。
必要に応じて、他の RAC インスタンスリソースについて手順4~12を繰り返してください。
最後に、手順14に進んでください。
Oracle Clusterware リソースを登録します。(※構成パターンAの場合のみ)
Oracle Clusterware 用の userApplication を新たに作成する場合は、以下の1)~7)の手順を実施してください。
Oracle Clusterware リソースの作成を行います。
“2.3.4 Oracle Clusterware リソースを含む userApplication の作成” の手順1~7を実施してください。
Oracle Clusterware リソースを含む userApplication を作成します。
「userApplication Configuration メニュー」で「userApplication の作成」を選択し、userApplication を作成してください。
「userApplication 名と運用形態の選択」で設定する userApplication 名を控えて置いてください。(以降の手順4)で必要となります。) また運用形態は "Standby" を指定してください。
「SysNode の設定」では、上記1)で作成した Oracle Clusterware リソースを起動/停止させるノード1つを選択してください。
「Resource の選択」では、上記1)で作成した Oracle リソース名を選択してください。
RAC インスタンスリソースを選択します。
手順4~8と同じ手順を実施し、RAC インスタンスリソースの PreOnlineScript の設定画面に移ってください。このとき、手順5で選択する RAC インスタンスリソースは、上記2)で作成した Oracle Clusterware リソースを含む userApplication と同一ノード上に存在するものを選択してください。
RAC インスタンスリソースの PreOnlineScript を設定します。
“2.3.5 Oracle RAC インスタンス、リスナーリソースを含む userApplication の作成” の手順9の注意を参考に、以下のように設定してください。
/opt/FJSVclora/sbin/clorastartwait <上記2)で作成したuserApplication名>
PreOnlineScript が設定されていることを確認し、「保存して戻る」を選択後、「次へ」をクリックします。
「保存して登録」を選択し、「登録」をクリックします。
応答メッセージ0803には「はい」をクリックしてください。
応答メッセージ0817については、設定作業が全て完了している場合は「はい」を、設定作業を継続して実施する場合は「いいえ」をクリックしてください。
上記3)~6)を必要な分だけ実施します。(RACデータベースが複数ある場合)
「userApplication Configuration メニュー」で「完了」をクリックし、userApplication Configuration Wizard を終了します。