ASM を PRIMECLUSTER 上で使用する場合は、スタンバイ運用、または、スケーラブル運用での使用が可能です。
スタンバイ運用の場合
ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録してください。
リソース登録された ASM インスタンスは、起動・停止制御のみが行われ監視は行われません。ASM インスタンスに異常が発生した場合でも、Oracle インスタンスリソースで異常を検出しますので、userApplication の切替えが発生し、業務を継続できます。
スケーラブル運用の場合
Oracle RAC 10g以降 で ASM を使用する場合は、ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録しないでください。ASM インスタンスの制御は Oracle Clusterware が行いますので、以降の注意事項は必要ありません。
ASM インスタンスとデータベースの作成・設定
運用ノード
ASM インスタンスとデータベースの作成は運用ノード上からのみ行い、待機ノードでは、運用ノードから作成した共用ディスク上のデータベースを動作させる設定のみ行います。
注意
ASM インスタンス作成時、インスタンス名の先頭に「+」がつくように設定してください。(デフォルトでは “+ASM” となります)
また、ASM インスタンスとデータベースの関係が 1:1 になるように、ASM インスタンスを作成してください。相互待機や N:1 運用待機では、ASM インスタンスとデータベースの組み合わせが複数必要になります。
参照
ASM インスタンス、データベースの作成は、Oracle のマニュアルを参照してください。
待機ノード
ASM インスタンス、データベースを作成した運用側と同一の構成になるように、ディレクトリの作成やファイルのコピー、リンクの設定を行ってください。
$ORACLE_HOME/dbs 配下
$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_SID 配下
$ORACLE_BASE/admin/[ASMインスタンス名] 配下
$ORACLE_BASE/diag/asm (Oracle 11g の場合)
上記で作成したディレクトリとファイルのパーミッションを運用系と同一にしてください。
アーカイブログ出力先等の設定を運用ノードで行った場合は、待機ノードでも同一の設定を行ってください。
CSS(Cluster Synchronization Services)デーモンの設定・起動を行ってください。運用側はデータベース作成時に設定・起動されますが、待機側は手動で設定・起動させておく必要があります。
注意
/opt/FJSVclora/sbin/cloracpy コマンドを使って運用ノードの必要なファイルをtar形式にバックアップする場合、ASM インスタンスの定義情報はバックアップされません。以下のファイルはtar 等を用いて手動でコピーしてください。
$ORACLE_BASE/admin/[ASMインスタンス名] 配下
ASM 初期化パラメータの確認
ASM インスタンスの初期化パラメータ “ASM_DISKGROUPS” に、Oracle データベースを作成したディスクグループ名が設定されていることを確認してください。
参照
ASM インスタンスの初期化パラメータについては、Oracle のマニュアルを参照してください。
userApplication の作成
userApplication 作成時は、Oracle インスタンスリソースと同様に ASM インスタンスリソースを作成してください。1つの userApplication に ASM インスタンスリソースと Oracle インスタンスリソースを登録してください。
参考
ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。
ASM インスタンスで使用するディスクグループは、手動でマウント操作 (mount/umount) をしないでください。ディスクグループがマウントされている場合は、ASM リソース活性化時に以下のメッセージがコンソールに出力される場合がありますが、特に対処する必要はありません。
ORA-15032: not all alterations performed
ORA-15017: diskgroup "ディスクグループ名" cannot be mounted
ORA-15030: diskgroup name "ディスクグループ名" is in use by another diskgroup