アプリケーション公開・公開停止方法

アプリケーションの公開は「5.1 Podの作成(起動)」に従い、アプリケーションのServiceを作成することでContainer Managementの外部に公開することができます。

また、Ingressを使用することで、Ingress Controller経由でServiceへのルートを公開することができます。

Ingress Controlerを経由したアプリケーションへのルート公開について、my-serviceという名前のServiceを例にして、Ingressの作成方法を説明します。

なお、本記事の例でingressを作成した場合、以下でアプリケーションのルートにアクセスすることができます。

http://<Kubernetes nodeサーバーのIPアドレス>:30000/testpath

Ingressリソースを作成するためのyamlファイルを作成します。

修正パッチF1013-2021-001を適用後、Kubernetesのバージョンアップに伴いyamlファイルの記述方法に変更があります。パッチを適用していない場合は、「修正パッチF1013-2021-001適用前」の内容に従ってファイルを作成してください。パッチを適用している場合は、「修正パッチF1013-2021-001適用後」の内容に従ってファイルを作成してください。

修正パッチF1013-2021-001適用前

ingress.yml

apiVersion: extensions/v1beta1
kind: Ingress
metadata:
  name: test-ingress
  annotations:
      konghq.com/strip-path: "true"
      kubernetes.io/ingress.class: "kong"
spec:
  rules:
  - host: app.example.com
    http:
      paths:
        - path: /testpath
          backend:
            serviceName: my-service
            servicePort: 80

パラメーター	説明
`metadata.name`	このIngressリソースの名前を指定します。
`metadata.annotations.konghq.com/strip-path`	リクエストのURLを書き換えるための指定です。本パラメーターの指定は任意です。 "true"を指定し、"/testpath"にアクセスすると、my-serviceの"/"にアクセスします。なお指定しない場合、"/testpath"にアクセスすると、my-serviceの"/testpath"にアクセスします。
`metadata.annotations.kubernetes.io/ingress.class`	使用するIngress Controllerに対応する値を指定します。本製品に組み込まれたIngress Controllerを使用する場合は、"kong"を指定する必要があります。
`spec.rules.host`	アプリケーションのドメイン名を指定します。
`spec.rules.http.paths.path`	Serviceへ転送するパスを指定します。指定したパスでリクエストを受け付けると、`spec.rules.http.paths.backend`に指定したServiceに転送します。本例の場合、app.example.com/testpathで受け付けたリクエストが転送されます。
`spec.rules.http.paths.backend.serviceName`	転送先のServiceの名前を指定します。 Serviceの`metadata.name`と同じ値を指定する必要があります。
`spec.rules.http.paths.backend.servicePort`	転送先のServiceのポート番号を指定します。 Serviceの`spec.ports.port`と同じ値を指定する必要があります。

修正パッチF1013-2021-001適用後

ingress.yml

apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: Ingress
metadata:
  name: test-ingress
  annotations:
      konghq.com/strip-path: "true"
      kubernetes.io/ingress.class: "kong"
spec:
  rules:
  - host: app.example.com
    http:
      paths:
      - path: /testpath
        pathType: Prefix
        backend:
          service:
            name: my-service
            port:
              number: 80

パラメーター	説明
`metadata.name`	このIngressリソースの名前を指定します。
`metadata.annotations.konghq.com/strip-path`	リクエストのURLを書き換えるための指定です。本パラメーターの指定は任意です。 "true"を指定し、"/testpath"にアクセスすると、my-serviceの"/"にアクセスします。なお指定しない場合、"/testpath"にアクセスすると、my-serviceの"/testpath"にアクセスします。
`metadata.annotations.kubernetes.io/ingress.class`	使用するIngress Controllerに対応する値を指定します。本製品に組み込まれたIngress Controllerを使用する場合は、"kong"を指定する必要があります。
`spec.rules.host`	アプリケーションのドメイン名を指定します。
`spec.rules.http.paths.path`	Serviceへ転送するパスを指定します。指定したパスでリクエストを受け付けると、`spec.rules.http.paths.backend`に指定したServiceに転送します。本例の場合、app.example.com/testpathで受け付けたリクエストが転送されます。
`spec.rules.http.paths.pathType`	パスの一致方法を指定できます pathTypeとして、Ingress Classリソースに依存するImplementationSpecific、完全一致のExact 、前方一致のPrefixが指定できます。本例の場合、リクエストのパスと`spec.rules.http.paths.path`で指定したパスを前方一致で比較します。
`spec.rules.http.paths.backend.service.name`	転送先のServiceの名前を指定します。 Serviceの`metadata.name`と同じ値を指定する必要があります。
`spec.rules.http.paths.backend.service.port`	転送先のServiceのポート番号を指定します。 Serviceの`spec.ports.port`と同じ値を指定する必要があります。

参考

Ingressの詳細についてはKubernetesの公式ページを参照してください。

Kubernetes masterサーバーにログインして、以下のコマンドを実行します。
```
$ kubectl apply -f ingress.yml
```

アプリケーションの公開停止は「5.2 Podの削除(停止)」に従って、Container Managementの外部に公開したアプリケーションのServiceを削除してください。 Service作成時のマニフェストファイルを指定することで、PodとともにServiceを削除することができます。

また、Ingressを削除することで、Ingress Controller経由でのServiceへのルーティングを停止することができます。

Kubernetes masterサーバーにログインし、以下のコマンドを実行します。作成時のマニフェストファイルを指定することで、Ingressを削除することができます。
```
$ kubectl delete -f ingress.yml
```

5.6 アプリケーション公開・公開停止方法