互換のための帳票Webサービスの運用上の注意について説明します。
●帳票定義情報の注意事項
入力データをメモリ渡しするメソッド(LCWebSvcクラスのPrprintWithFormData、PrprintWithFormDataRetDataByMem)を使って帳票出力する場合、帳票出力に使用する帳票定義情報で定義する項目の項目長には、入力データの項目の日本語文字(半角カタカナ含む)は1文字3バイト、半角英数字は1文字1バイトで計算したときのバイト数以上の長さを指定してください。日本語文字と半角文字が混在するため、指定する項目長が分からない場合は、文字数×3の長さを指定してください。項目長が短いと、文字列が途中で切れて出力される場合があります。
帳票Webサービス機能では、「Unicodeの文字を使用する」の指定がされている帳票は未サポートとなります。Unicode の文字を使用する場合の帳票定義情報の作成方法や留意事項については、デザイナヘルプを参照してください。
●クライアントアプリケーション作成時の注意事項
帳票Webサービス実行時に、クライアントアプリケーションでタイムアウトエラーが発生した場合は、クライアントアプリケーション側で帳票Webサービスの動作が完了可能となるタイムアウト値を設定します。
(※補足:タイムアウトの制御は帳票Webサービスのサーバ側ではなく、クライアント側で行います。このため、サーバ側でタイムアウトにならないよう設定することはできません)。
クライアントアプリケーションのタイムアウト値の設定方法は、クライアントアプリケーションを作成する環境に依存しますので、作成環境のマニュアルなどを参照してください。
●実行時の注意事項
帳票出力時に指定する帳票定義情報は、帳票Webサービスが動作するサーバからパス名を指定できるディレクトリに配置する必要があります。帳票定義情報が配置されたディレクトリの指定は、LCParamパラメータのcommandLineプロパティに“-assetsdir”オプションで指定する、または、帳票Webサービスが動作するサーバにインストールされたList Creatorの環境定義により指定する方法があります。指定の方法については、オンラインマニュアル“アプリケーション作成ガイド”のprprintコマンドの“-assetsdir”オプションの説明を参照してください。
クライアントアプリケーションをJava言語で作成して実行した場合に、クライアント側のJavaVMのヒープ領域不足により、メモリ不足のエラーがクライアント側で発生する場合があります。この場合は、クライアント実行時のJavaVMのヒープサイズの最大サイズを大きくして、エラーが発生しないようにしてください。
例として、Interstage Studio(Apworks)同梱のJavaVMのヒープサイズの最大サイズを指定するオプションは「-Xmx」オプションです。ヒープサイズの最大サイズの指定方法は、Interstage Studio(Apworks)のマニュアルのjavaコマンドの説明を参照してください。
帳票Webサービスは、帳票出力時に帳票Webサービスが動作するサーバに一時ファイルを作成します(※LCWebSvcクラスのPrprintメソッドを除く)。一時ファイルは、帳票出力実行が終わると削除されますが、帳票Webサービスが帳票出力を実行中に何らかの理由で出力処理が中断されると、一時ファイルが削除されずに残る場合があります。この場合は、一時ファイルを削除してください。
一時ファイルは、帳票Webサービスが動作するサーバ上に以下のように作成されます。
/tmp ディレクトリ、または/var/tmp ディレクトリ
先頭3文字が“LCW”で始まるファイル
●帳票Webサービスがサポートしない出力先について
帳票Webサービスでは、List Creatorのprprintコマンドがサポートする出力先のうち、OWFファイル生成をサポートしていません。LCWebSvcクラスのPrprintメソッド、およびPrprintWithFormDataメソッド呼び出し時に、LCParamオプションのcommandLineパラメータで出力先としてOWFファイル生成が指定された場合(「-atdirect owf」オプションが指定された場合)は、エラーが復帰されます(エラーコード:29005 OWFファイル生成が指定された)。
●クライアントアプリケーション作成時の注意事項
Webサービスクライアント生成ウィザードを使ってWebサービスクライアントを生成する場合、LCWebSvcクラスのインスタンスを生成するときに、以下の例外を復帰するようにWebサービスクライアントがウィザードにより生成される場合があります。この場合は、コンパイルエラーが発生しないように、これらの例外をtry/catchするようにクライアントアプリケーションを作成してください。
javax.xml.rpc.ServiceException
java.rmt.RemoteException
●実行時の注意事項
LCWebSvcクラスのPrprintメソッド、およびPrprintWithFormDataメソッド呼び出しでPDFファイル出力を行うとき、PDFファイル、またはExcelファイルの所有者を動作設定の「PDFファイル、Excelファイル所有者ユーザID」で指定されたユーザIDにする場合は、下記の条件を満たす必要があります。この条件を満たさない場合、出力されたPDFファイルの所有者はrootアカウントとなります。
LCParamクラスのcommandLineプロパティに指定する出力属性に、“-atdirect”オプション、または“-atmethod”オプションで、file、またはexcelのいずれかを指定する、かつ
“-keeppdf”オプション、または“-keepxlsx”でPDF、またはExcel保存時の格納ファイル名を指定する。
LCWebSvcクラスの帳票出力メソッドを使って帳票出力を行うとき、LCParamパラメータのfileTypeプロパティに指定するList Creatorの実行環境のコード系には、帳票Webサービスが動作するサーバにインストールされているコード系を指定してください。サーバにインストールされていないコード系が指定された場合は、帳票出力時に呼び出されるList Creatorでエラーが発生します。
●Interstage Application Serverの設定変更について
ワークユニットの最大メモリ割当てサイズの変更方法は、以下のとおりです。
Webブラウザで、以下に示すURLを指定し、「Interstage管理コンソール」を起動します。rootアカウントでログインします。
※注:hostnameには、帳票WebサービスをインストールしたサーバのIPアドレス、またはホスト名を設定します。
http://hostname:12000/IsAdmin
[Interstage管理コンソール]>[Interstage Application Server]>[システム]>[ワークユニット]をクリックします。クリックすると、右の画面に[ワークユニット:状態]が表示されます。この画面に表示されるワークユニット一覧のワークユニット名 LCWebService をクリックして、[LCWebService:操作]画面を表示します。
[LCWebService:操作]画面でワークユニット名にLCWebServiceが表示されていることを確認します。ワークユニットの状態が[起動]であれば、[停止]ボタンをクリックします。「ワークユニットの停止方法を選択してください。」と表示されるので、[停止]を選択して、[実行]ボタンをクリックします。
[LCWebService:操作]画面で、[環境設定]タブをクリックし、[LCWebService:環境設定]画面を表示します。
[LCWebService:環境設定]画面で、以下のとおり設定します。設定後に、[適用]ボタンをクリックします。
設定項目および選択項目 | 設定値および選択値 |
---|---|
JavaVMオプション | 本項目に設定されているオプションのうち、-Xmxオプションの値を変更する。 例:JavaVMの最大メモリ使用量を512Mバイトに変更する場合の設定方法は、以下のとおり。 -Xmx512m |
[操作]タブをクリックします。[LCWebService:操作]画面が表示されるので、[起動]ボタンをクリックし、ワークユニットを起動します。
Webブラウザを閉じます。
クライアントアプリケーションに「Internal Server Error」が通知され、システムログに何も出力されていない場合は、帳票Webサービスのワークユニットが起動していない可能性があります。帳票Webサービスのワークユニットが起動していない場合は、起動させてからクライアントアプリケーションを実行してください。
ワークユニットの起動方法は、以下のとおりです。
Webブラウザで、以下に示すURLを指定し、「Interstage管理コンソール」を起動します。rootアカウントでログインします。
※注:hostnameには、帳票WebサービスをインストールしたサーバのIPアドレス、またはホスト名を設定します。
http://hostname:12000/IsAdmin
[Interstage管理コンソール]>[Interstage Application Server]>[システム]>[ワークユニット]をクリックします。クリックすると、右の画面に[ワークユニット:状態]が表示されます。この画面に表示されるワークユニット一覧のワークユニット名 LCWebService をクリックして、[LCWebService:操作]画面を表示します。
[LCWebService:操作]画面でワークユニット名にLCWebServiceが表示されていることを確認します。ワークユニットの状態が[停止]であれば、[起動]ボタンをクリックし、ワークユニットを起動します。
Webブラウザを閉じます。
帳票Webサービス実行時に、クライアントアプリケーションに「Internal Server Error」が通知され、システムログにIJServer12044のログが出力されている場合は、帳票Webサービスのワークユニットでタイムアウトが発生しています。この場合は、帳票Webサービスのワークユニットのタイムアウト値を増やして、タイムアウトが発生しないように設定を変更してください。
タイムアウト値の変更手順は以下のとおりです。
Webブラウザで、以下に示すURLを指定し、「Interstage管理コンソール」を起動します。root アカウントでログインします。
※注:hostnameには、帳票WebサービスをインストールしたサーバのIPアドレス、またはホスト名を設定します。「Interstage管理コンソール」のポート番号を12000から変更している場合は、変更後のポート番号を設定してください。
http://hostname:12000/IsAdmin
[Interstage管理コンソール]-[Interstage Application Server]-[システム]-[ワークユニット]をクリックします。クリックすると、右の画面に[ワークユニット:状態]が表示されます。この画面に表示されるワークユニットの一覧のワークユニット名LCWebServiceをクリックして、[LCWebService:操作]画面を表示します。
[LCWebService:操作]画面でワークユニット名にLCWebServiceが表示されていることを確認します。ワークユニットの状態が[起動]であれば、[停止]ボタンをクリックします。「ワークユニットの停止方法を選択してください。」と表示されるので、[停止]を選択して、[実行]ボタンをクリックします。
[LCWebService:操作]画面で[環境設定]タブをクリックし、[LCWebService:環境設定]画面を表示します。
[LCWebService:環境設定]画面で、以下のとおり設定します。設定後に、[設定]ボタンをクリックします。
設定項目および選択項目 | 設定値および選択値 |
---|---|
タイムアウト | 帳票Webサービスの実行開始から終了までの最大値以上の時間を秒で設定する。 |
[操作]タブをクリックします。[LCWebService:操作]画面が表示されるので、[起動]ボタンをクリックし、ワークユニットを起動します。
Webブラウザを閉じます。
帳票Webサービス実行時に、クライアントアプリケーションに「Service Temporary Unavailable」が通知され、システムログにIJServer12022のログが出力されている場合は、帳票Webサービスの同時処理数が、帳票Webサービスのワークユニットに設定された同時処理数の上限を超えています。この現象が発生する場合は、帳票Webサービスのワークユニットの同時処理数の上限を増やしてください。
※注:同時処理数の上限の変更により同時処理数が増えると、サーバのCPU使用量の増加や、仮想メモリの減少が起こり、システムの動作に影響を与える場合があります。同時処理数の変更は、サーバ負荷が過大にならないよう注意して実施してください。
同時処理数の変更手順は以下のとおりです。
Webブラウザで、以下に示すURLを指定し、「Interstage 管理コンソール」を起動します。rootアカウントでログインします。
※注:hostnameには、帳票WebサービスをインストールしたサーバのIPアドレス、またはホスト名を設定します。「Interstage 管理コンソール」のポート番号を12000から変更している場合は、変更後のポート番号を設定してください。
http://hostname:12000/IsAdmin
[Interstage 管理コンソール]>[Interstage Application Server]-[システム]-[ワークユニット]をクリックします。クリックすると、右の画面に[ワークユニット:状態]が表示されます。この画面に表示されるワークユニットの一覧のワークユニット名LCWebServiceをクリックして、[LCWebService:操作]画面を表示します。
[LCWebService:操作]画面でワークユニット名にLCWebServiceが表示されていることを確認します。ワークユニットの状態が[起動]であれば、[停止]ボタンをクリックします。「ワークユニットの停止方法を選択してください。」と表示されるので、[停止]を選択して、[実行]ボタンをクリックします。
[LCWebService:操作]画面で[環境設定]タブをクリックし、[LCWebService:環境設定]画面を表示します。
[LCWebService:環境設定]画面で、以下のとおり設定します。設定後に、[設定]ボタンをクリックします。
設定項目および選択項目 | 設定値および選択値 |
---|---|
同時処理数 | 帳票Webサービスの同時処理数の最大値を設定する。 |
[操作]タブをクリックします。[LCWebService:操作]画面が表示されるので、[起動]ボタンをクリックし、ワークユニットを起動します。
Web ブラウザを閉じます。
●プリンタ印刷実行時のユーザ名について
プリンタ印刷実行時の印刷要求の権限は、rootユーザが出力したものとなります。