ページの先頭行へ戻る
Interstage Application Server V13.0.0 OLTPサーバ運用ガイド
FUJITSU Software

2.2.4 アプリケーション自動再起動

クライアントからの入力データの誤りなどにより、アプリケーションプロセスが異常終了した場合に、アプリケーションプロセスを自動的に再起動させることができます。自動再起動を設定すると、クライアントからの新たな要求を処理することができます。
ただし、アプリケーションプロセスが異常終了した時点で仕掛中の要求処理は、クライアントに例外が復帰し、再処理されることはありません。再起動されたアプリケーションプロセスは、キューイングされている新たな要求を処理します。

また、アプリケーションの障害などにより、該当アプリケーションが1度も正常に処理されず、異常終了と再起動が繰り返されてしまうことがあります。このような場合の対処として、アプリケーションプロセスが異常終了する回数の限界値をワークユニット定義の「Application Retry Count(連続常終了回数)」に指定できます。この場合、アプリケーションプロセスの連続異常終了回数がワークユニット定義で指定した連続異常終了回数に達したとき、ワークユニットが異常終了し、該当ワークユニットで処理中の要求およびキューイングされている要求は、クライアントへエラー復帰します。
なお、「Application Retry Count(連続異常終了回数)」に1を指定した場合は、再起動は行わず、1度アプリケーションプロセスが異常終了するとワークユニットが異常終了します。また、「Application Retry Count(連続異常終了回数)」に0を指定した場合は、アプリケーションプロセスが異常終了した場合、無制限に再起動され、ワークユニットの運用が継続されます。ただし、プロセスの再起動が失敗した場合は、ワークユニットは異常終了となり、同一ワークユニット内で動作しているすべてのアプリケーションが停止します。

連続異常終了回数は、ワークユニット定義で設定します。ワークユニット定義の登録は、コマンドを使用する方法と、Interstage管理コンソールを使用する方法があります。


コマンドを使用した定義方法

ワークユニット定義の「Application Retry Count(連続異常終了回数)」に設定します。以下に定義登録の実行例を示します。なお、ワークユニット定義の詳細は「付録A ワークユニット定義」を参照してください。


ワークユニット定義の登録例

ワークユニット定義

[Control Option]
Application Retry Count:5

isaddwudefコマンドでワークユニット名を指定して登録します。

isaddwudef -o ISSAMPLE1

Interstage管理コンソールを使用した定義方法

以下の方法で連続異常終了回数を設定してください。

  1. Interstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[新規作成]タブ
    または、
    [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[環境設定]タブ
    で[ワークユニット設定]の「リトライカウント」に、ワークユニットが異常終了となるまでの、アプリケーションプロセスの連続異常終了回数を設定してください。

Interstage管理コンソールを使用する場合は、「Interstage管理コンソールのヘルプ」も参照してください。


ワークユニットの連続異常終了回数のリセット契機

連続異常終了回数とは、該当アプリケーションが1度も正常に処理されず、異常終了と再起動が繰り返された回数のことです。そのため、連続異常終了回数まで一度でも該当アプリケーションの処理が正しく動作した場合(アプリケーションが復帰した場合)、異常終了回数のカウンタはリセットされます。
例えば、連続異常終了回数が3に設定されている場合、アプリケーションが、「1)異常終了」→「2)再起動」→「3)異常終了」→「4)再起動」→「5)正常復帰」→「6)異常終了」の順に動作すると、「3)異常終了」で異常終了回数のカウンタは2となりますが、「5)正常復帰」の時にカウンタは初期化され、「6)異常終了」の時点ではカウンタは1となります。そのため、その後プロセスは再起動します。なお、「4)再起動」の後に異常終了した場合は、カウンタが3に達するため、ワークユニットはダウンします。


アプリケーション自動再起動失敗時の縮退運用

アプリケーションの再起動が失敗した場合、デフォルトではワークユニットが異常終了する仕様ですが、アプリケーションが複数多重で起動されているワークユニットでは、本来、残りのプロセスで業務を継続できる場合があります。これを実現するための機能として、アプリケーションの再起動に失敗した場合でも、アプリケーション再起動失敗のメッセージを出力し、残りのプロセスでのワークユニット運用を継続する機能を提供しています。詳細は、「2.2.10 ワークユニットのアプリケーション自動再起動失敗時の縮退運用」を参照してください。
なお、デフォルトでは縮退運用機能は有効ではありません。プロセス自動再起動失敗のトラブル発生時に備えるために、プロセス多重度に2以上が設定されている場合は、縮退運用機能を有効にして運用することを推奨します。