Session Registry Serverの操作や、各種情報の参照は、Interstage Java EE 7管理コンソールからIJServerクラスタの操作や参照として行います。
Session Registry Serverを運用するIJServerクラスタは、サービス運用ユーザーで起動可能です。ただし、セッションの永続化機能使用時、初回起動以降に起動ユーザを変更した場合は、永続化したセッションの引継ぎは保証されません。
永続化機能使用時に、以前起動していたユーザ以外のユーザで運用を行う場合は、変更前に以下のどちらかの対処を行ってください。なお、以下の対処を行うためには、“com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.serialize.file.path”で指定したディレクトリが存在しており、また変更後のユーザに全権限がある必要があります。
永続化ファイルを消去します。
Session Registry ServerのJava VMオプションに指定する“com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.serialize.file.path”に指定するディレクトリを、別のディレクトリに変更します。
上記対処を行わずに異なるユーザで起動した場合、永続化に失敗することがあります。その場合は、以下のいずれかの対処を行ってください。
元のユーザで起動します。
注意
一度でもroot権限で起動した場合は、この対処はできません。以降のいずれかの対処を行ってください。
永続化ファイルを消去します。
“com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.serialize.file.path”を、変更後のユーザに全権限のあるディレクトリに変更します。
Session Registry Serverが動作しているマシンをメンテナンスなどで切り離す場合は、以下の手順で行う必要があります。
Session Registry Serverを停止します。
停止したSession Registry Serverにバックアップを行っているIJServerクラスタのサーバーログより以下を確認します。
「2.28.1.4 セッションリカバリ機能の監視」によりSession Registry Serverが使用不可にマーク(メッセージJSSR32001が出力)されたこと。
マシンを停止します。
上記手順をふまずにマシンの停止を行った場合は、運用中のWebアプリケーションのレスポンスが一時的に劣化したり、クライアントからのリクエストがタイムアウトしたりする可能性があります。
なお、マシンを切り離した場合、セッションのバックアップ/リカバリはできませんが、通常の業務継続は可能です。
Session Registry Serverは同一マシン内で複数運用することができます。
使用するSession Registry Serverを業務ごとに分けることによって、他の業務からの影響(パフォーマンスの影響、障害発生時の影響など)を受けることなく運用することができます。
Session Registry Serverを業務ごとに分ける例
Session Registry Server異常終了時、Session Registry Serverの再起動を行った場合でも、再度異常終了する可能性があります。また、異常終了の原因を取り除いていない場合も、再度異常終了する可能性があります。
例えば、使用資源量の見積もり不足による資源不足で異常終了した場合、再起動を行っても(再度見積もり資源量を超えるセッションがバックアップされ)連続して異常終了することがあります。
異常終了後に再起動して、Session Registry ServerとWebコンテナの通信が回復した場合、双方の保持するセッションの情報の整合性をとるため、この間一時的にWebブラウザからのリクエストを処理できません。原因を取り除かずに再起動を繰り返すと、この整合性をとる処理が繰り返されることとなり、レスポンスに影響を与える場合があります。
そのため、Session Registry Serverの再起動が繰り返し発生する場合は異常の原因を解決した後、Session Registry Serverを再起動してください。Session Registry Serverが起動していない間は、Webコンテナはセッションのバックアップやリカバリは行えませんが、通常の業務処理は可能です。
なお、整合性をとる処理にかかる時間はネットワーク/マシン性能、有効なセッションの数およびサイズに依存します。
Session Registry Serverは、IJServerクラスタとして作成し、運用します。
したがって、Session Registry Serverの資源のバックアップ・リストアは、IJServerクラスタのバックアップ・リストアと同様の手順で実施してください。
IJServerクラスタのバックアップ・リストアについては、「第9章 メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行)」を参照してください。
注意
セッションの永続化を有効としている場合に出力される永続化ファイルは、運用上の一時的な資源であり、バックアップ・リストアでは不要な資源ですが、セッションの永続化ファイルの保存先に指定したディレクトリ(注)によっては、他の資源と共にリストアされる場合があります。
そのため、リストア後、Session Registry Serverの起動前に、永続化されているセッションの情報を消去してください。
注)初期値の場合