本章では、多数のリソースを管理する場合や、リソースを何らかの条件で分けて管理したい場合に利用する、リソースフォルダーについて説明します。
リソースフォルダー
リソースフォルダーは、多数のリソースを管理する場合や、リソースを何らかの条件で分けて管理したい場合に利用できます。
リソースフォルダーに格納するリソースは、必要に応じて自由に配置できます。また、階層化により、リソースフォルダーの中に、ほかのリソースフォルダーを格納できます。
リソースフォルダーにより、以下のことが実現できます。
同時に選択するリソースの数が減るため、簡単に操作できる。
リソースの詳細な分類ができる。
複数の部門でリソースを共用する場合、部門間でお互いのリソースを隔離する一方で、増設や故障に備えたリソースは共通に利用したい場合があります。
テナント
本製品では、組織や業務など業務形態に応じて、リソースの管理と運用を分割する単位をテナントと呼びます。
テナントには、L-Server、およびテナントごとに専有されるリソースプールが格納されます。テナントごとに専有されるリソースプールをローカルプールと呼びます。
また、ローカルプールのほか、複数のテナント間で利用できるリソースを格納した、リソースプールが存在します。このリソースプールをグローバルプールと呼びます。
本製品では、テナントを単位としたリソースの分割と、ユーザーグループおよびユーザーのスコープ設定による隔離を組み合わせることで、テナントごとの運用を提供します。
以下の設定を行うことで、テナントによるリソースの隔離と共通利用を実現できます。
部門ごとにテナントを作成
テナント作成時に、ユーザーグループ、ユーザー、またはリソースプールを合わせて作成および設定できます。
リソースプールは、リソースプールごとにローカルプールの作成、またはグローバルプールの選択を行えます。
また、部門内だけで利用したい場合、ローカルプールを作成してください。
部門間で共通利用したい場合、既存のグローバルプールを選択してください。
テナントを利用してリソースを隔離する場合、以下の操作は制限されます。
電源ON状態のL-Serverは、別のテナントに移動できません。
L-Serverを停止したあとにL-Serverを移動してください。
電源ON状態のL-Serverが使用中のリソース、および、そのリソースを含むリソースプールまたはリソースフォルダーは、別のテナントに移動できません。
L-Serverを停止したあとに移動してください。
ほかのテナントのリソースを使用しているL-Serverは起動できません。
必要なリソースは、L-Serverと同じテナントまたはグローバルプールに配置してください。
図21.1 テナントによるリソースの隔離と共用