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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.2 設計ガイド
FUJITSU Software

E.2.5 Hyper-V環境におけるセットアップの事前準備の概要

以下の手順で、Hyper-V環境のセットアップの事前準備を行います。
詳細は、MSFCのヘルプを参照してください。

  1. ドメインコントローラー用サーバに対する、OSのインストールとドメインコントローラーの設定

  2. ストレージの事前準備

    管理対象サーバのMSFCに割り当てるボリューム(LUN)作成(クォーラムディスクとクラスタディスク)

  3. 管理対象サーバに対する設定

    1. BIOS設定(ハードウェアの仮想化とデータ実行防止機能(DEP))

    2. OSのインストール

      物理サーバにインストールする場合、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

      L-ServerにVMホストを導入する場合、「導入ガイド CE」の「付録D 物理L-Serverに対するVMホストの導入」を参照してください。

    3. ドメインへの参加

    4. SNMPサービスの追加

    5. SNMPサービスとSNMPトラップの設定

    6. Hyper-Vの役割の追加

    7. フェールオーバークラスター機能の追加

  4. 管理対象サーバのクラスタ(MSFC)設定

    1. クラスタ管理用のアクセスポイントは、管理LAN側に作成します。

    2. クォーラム構成では、以下のどちらかを選択します。

      • ノード数が偶数の場合

        [ノードおよびディスクマジョリティ]を選択し、クォーラムディスクを指定します。

      • ノード数が奇数の場合

        [ノードマジョリティ]を選択します。

    3. クラスタ共有ボリュームを有効化します。

    4. クラスタ共有ボリュームにクラスタディスクを追加します。

  5. 管理対象サーバのクラスタ作成後の設定

    1. WMIのリモート有効化を設定します。

      1. VMホスト上で、Windowsのコントロール パネルで[管理ツール]から[コンピュータの管理]を開きます。

        [コンピュータの管理]画面が表示されます。

      2. [サービスとアプリケーション]-[WMIコントロール]を右クリックし、[プロパティ(R)]を選択します。

        [WMI コントロールのプロパティ]画面が表示されます。

      3. [セキュリティ]タブを選択し、[Root]-[virtualization]を選択したあと、<セキュリティ(S)>ボタンをクリックします。

        [セキュリティ ROOT\virtualization]画面が表示されます。

      4. VMホストのログインユーザーを選択し、[リモートの有効化]の[許可]チェックボックスにチェックを入れます。

      5. Windows Server 2012 R2の場合は、さらに以下の設定を行います。

        a. [セキュリティ]タブを選択し、[Root]-[virtualization]-[v2]を選択したあと、<セキュリティ(S)>ボタンをクリックします。

        [セキュリティ ROOT\virtualization\v2]画面が表示されます。

        b. VMホストのログインユーザーを選択し、"リモートの有効化"の"許可"チェックボックスにチェックを入れます。

        c. <OK>ボタンをクリックします。

      6. [セキュリティ]タブで、[Root]-[MSCluster]を選択したあと、<セキュリティ(S)>ボタンをクリックします。

        [セキュリティ ROOT\MSCluster]画面が表示されます。

      7. VMホストのローカルAdministratorsグループに対して、"特殊なアクセス許可"を除くすべてのチェックボックスにチェックが入っていることを確認します。チェックが入っていない場合には、チェックを入れます。

        なお、既定では、Rootのアクセス許可を継承して、"特殊なアクセス許可"を除くすべてのチェックが入り、選択できない状態です。

      8. <OK>ボタンをクリックします。

      WMIのリモート有効化が設定されます。

    2. リモートWMIに接続するためのWindowsファイアーウォールの設定を行います。

      1. VMホスト上で、ファイル名を指定して"Gpedit.msc"を実行します。

        [ローカル グループ ポリシー エディタ]画面が表示されます。

      2. 以下のフォルダーを選択します。

        [コンピュータの構成]-[管理用テンプレート]-[ネットワーク]-[ネットワーク接続]-[Windows ファイアウォール]

      3. ドメインに参加している場合は[ドメイン プロファイル]、それ以外は[標準プロファイル]をダブルクリックします。

        [ドメイン プロファイル]画面または[標準プロファイル]画面が表示されます。

      4. "Windows ファイアウォール: 着信リモート管理の例外を許可する"を右クリックし、[プロパティ(R)]を選択します。

        [Windows ファイアウォール: 着信リモート管理の例外を許可するのプロパティ]画面が表示されます。

      5. "有効(E)"を選択します。

      6. <OK>ボタンをクリックします。

    3. DCOMを設定します。

      1. VMホスト上で、ファイル名を指定して"Dcomcnfg.exe"を実行します。

        [コンポーネント サービス]画面が表示されます。

      2. [コンポーネント サービス]-[コンピュータ]-[マイコンピュータ]を右クリックし、[プロパティ(R)]を選択します。

        [マイ コンピュータのプロパティ]画面が表示されます。

      3. [COM セキュリティ]タブを選択します。

      4. [起動とアクティブ化のアクセス許可]の<制限の編集(I)>ボタンをクリックします。

        [起動とアクティブ化のアクセス許可]画面が表示されます。

      5. "グループ名またはユーザ名(G):"でVMホストのログインユーザーを選択し、[リモートからの起動]と、[リモートからのアクティブ化]の[許可]チェックボックスにチェックを入れます。

      6. <OK>ボタンをクリックします。

      7. [アクセス許可]の<制限の編集(L)>ボタンをクリックします。

        [アクセス許可]画面が表示されます。

      8. [グループ名またはユーザ名(G):]の[ANONYMOUS LOGON]を選択し、[リモート アクセス]の[許可]チェックボックスにチェックを入れます。

      9. <OK>ボタンをクリックします。

  6. SCVMMのインストールと設定

    以下の順序で、SCVMMのインストールと設定を行います。

    1. OSインストール

    2. ドメインへの参加

    3. SCVMMのインストール

      VMMサーバとVMM管理者コンソールをインストールします。

    4. VMホストの登録

      クラスタ単位で登録します。登録するとVMホストに自動的にSCVMMエージェントがインストールされます。

    5. Windowsリモート管理用環境の設定

      本製品に登録するVM管理製品にリモート管理許可を設定します。

      1. VM管理製品が動作しているサーバに管理者権限をもつユーザーでログインします。

      2. コマンド プロンプトから、以下のコマンドを実行します。

        >winrm quickconfig <RETURN>

      3. 問合せに対して"y"を入力します。

    6. SCVMMサーバのWeb Services for Managementの設定

  7. 本製品の管理サーバをセットアップするマシンでの設定

    本製品の管理サーバをセットアップするマシンに、リモート管理の認証設定を行います。

    1. 管理サーバに管理者権限を持つユーザーでログインします。

    2. コマンド プロンプトから、以下のコマンドを実行し、TrustedHostsの設定内容を記録してください。

      >winrm get winrm/config/client <RETURN>

      TrustedHostsに表示された内容を記録してください。

      複数のSCVMMが登録されているときの表示結果

      192.168.1.100, 192.168.1.101

      表示された内容がアスタリスク("*")一文字の場合には、すべてのホストを信頼する設定となっていますので以降の手順は不要です。

    3. 以下のコマンドを実行してください。

      その際、b. の結果を b.で記録した内容 に入力してください。

      >winrm set winrm/config/client @{TrustedHosts="b.で記録した内容 , 追加登録するSCVMMのアドレス"} <RETURN>

      複数のSCVMMが登録されているときのコマンド

      >winrm set winrm/config/client @{TrustedHosts="192.168.1.100, 192.168.1.101, 追加登録するSCVMMのアドレス"} <RETURN>

    4. 以下のコマンドを実行して、TrustedHostsの内容を確認してください。

      >winrm get winrm/config/client <RETURN>

      b.で記録した内容に、追加登録するSCVMMのアドレスが追加されていれば問題ありません。

    注意

    複数のSCVMMを本製品にVM管理製品として登録する場合、TrustedHosts登録のコマンドで複数のVM管理製品のIPアドレスをカンマ(",")区切りで指定します。

  8. 最新の更新プログラムの適用

    マネージャーをインストールするサーバ、管理対象になるVMホスト、SCVMM、およびSCVMMエージェントには、Microsoft Updateなどで利用できる最新の更新プログラムを適用してください。


SCVMMサーバのWeb Services for Managementの設定

本製品ではPowerShellのWeb Services for Management(以降、WS-Management)を利用してSCVMMを制御しています。

SCVMMサーバ上のWS-Managementに関する設定の中で、以下に関する設定を変更します。

ユーザーあたりのシェル操作を開始できるプロセスの最大数であるMaxShellsPerUserの値と、リモートシェルから同時にリモート操作を実行できるユーザーの最大数であるMaxConcurrentUsersの値を変更します。本製品では、最大31セッションの多重制御を行うため、設定を変更してください。
なおWS-Managementは、本製品以外にもWindowsの管理ツールなどで利用されることがあるため、31より大きい値をそれぞれに設定してください。

以下の手順で、MaxShellsPerUserとMaxConcurrentUsersの設定を変更します。

  1. Windows PowerShellを管理者として実行します。

  2. Set-Locationコマンドレットを使用してカレントディレクトリを変更します。

    PS> Set-Location -Path WSMan:\localhost\Shell <RETURN>

  3. Get-ChildItemコマンドレットを使用して、現在のMaxShellsPerUserとMaxConcurrentUsersの設定情報を確認します。

    MaxShellsPerUserとMaxConcurrentUsersに表示された内容が現在の設定になります。

    PS WSMan:\localhost\Shell> Get-ChildItem <RETURN>

    PS WSMan:\localhost\Shell> Get-ChildItem
     WSManConfig: Microsoft.WSMan.Management\WSMan::localhost\Shell
    
    Name                      Value           Type
    ----                      -----           ----
    AllowRemoteShellAccess    true            System.String
    IdleTimeout               180000          System.String
    MaxConcurrentUsers        5               System.String
    MaxShellRunTime           2147483647      System.String
    MaxProcessesPerShell      15              System.String
    MaxMemoryPerShellMB       150             System.String
    MaxShellsPerUser          5               System.String
  4. Set-Itemコマンドレットを使用して、MaxShellsPerUserとMaxConcurrentUsersを設定します。

    MaxShellsPerUserMaxConcurrentUsersを"36"に設定する場合

    PS WSMan:\localhost\Shell> Set-Item .\MaxShellsPerUser 36 <RETURN>
    PS WSMan:\localhost\Shell> Set-Item .\MaxConcurrentUsers 36 <RETURN>


引き続き、MaxMemoryPerShellMBの設定変更を行います。
本製品ではメモリの上限値を1024MB以上に設定します。

以下の手順で、MaxMemoryPerShellMBの設定を変更します。

  1. Get-ChildItemコマンドレットを使用して、現在のMaxMemoryPerShellMBの設定情報を確認します。

    MaxMemoryPerShellMBに表示された内容が現在の設定になります。

    PS WSMan:\localhost\Shell> Get-ChildItem <RETURN>

  2. Set-Itemコマンドレットを使用してMaxMemoryPerShellMBを設定します。

    MaxMemoryPerShellMBを"1024"に設定する場合

    PS WSMan:\localhost\Shell> Set-Item .\MaxMemoryPerShellMB 1024 <RETURN>


最後に、MaxConnectionsの値を設定します。本製品では最大31セッションの多重制御を行うため、設定を変更してください。
なおWS-Managementは、本製品以外にもWindowsの管理ツールなどで利用されることがあるため、31より大きい値を設定してください。

以下の手順で、MaxConnectionsの設定を変更します。

  1. Set-Locationコマンドレットを使用してカレントディレクトリを変更します。

    PS> Set-Location -Path WSMan:\localhost\Service <RETURN>

  2. Get-ChildItemコマンドレットを使用して、現在のMaxConnectionsの設定情報を確認します。

    MaxConnectionsに表示された内容が現在の設定になります。

    PS WSMan:\localhost\Service> Get-ChildItem <RETURN>

  3. Set-Itemコマンドレットを使用してMaxConnectionsを設定します。

    MaxConnectionsを"46"に設定する場合

    PS WSMan:\localhost\Service> Set-Item .\MaxConnections 46 <RETURN>