Converged Fabricには、一つのイーサネット・ファブリックを、複数の仮想的なイーサネット・ファブリックに分割して管理する機能があります。分割された仮想的なイーサネット・ファブリックを仮想ファブリック(VFAB)と言います。
本製品では、この仮想ファブリックをテナントと関連づけて扱うことができます。
図H.2 仮想ファブリックとテナントの関連づけ
仮想ファブリックでは、それぞれの仮想ファブリックで独立してVLAN IDが管理されます。すなわち、異なる仮想ファブリックにおいては、重複したVLAN IDを利用することができます。これにより、これらの異なる仮想ファブリックそれぞれと関連したテナントにおいては、重複したVLAN IDを利用することができます。
図H.3 仮想ファブリックとVLAN IDの関係
注) VLAN IDは、VFABの範囲内で一意性を保証しています。
テナントと仮想ファブリックの関係
テナントと仮想ファブリックの対応関係は、以下の二つのパターンをサポートします。
1つの仮想ファブリックに、複数のテナントが対応する
1つの仮想ファブリックに、1つだけのテナントが対応する
どちらのパターンであっても、テナントに対してどの仮想ファブリックが対応するのかを指定する必要があります。仮想ファブリックとの対応を指定されていないテナントについては、デフォルトVFABが指定されたものとして扱います。デフォルトVFABは、上記aのパターンとなります。
テナントと仮想ファブリックの関係は、Converged Fabricのネットワークデバイス登録時にネットワーク構成情報(XML定義)に指定します。
指定方法については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.6.1 作成」を参照してください。
図H.4 テナントと仮想ファブリックの関係
プールと仮想ファブリックの関係
グローバルプールに属するネットワークリソースは、複数のテナントから共用して利用することができ、特定のテナント専用ではありません。このため、グローバルプールに属するネットワークリソースについては、デフォルトVFABに対応しているものとして扱います。
以下に、デフォルトVFABに対応しているとして扱うネットワークリソースを示します。
グローバルプールのネットワークプールに属するネットワークリソース
VFABとの対応が設定されていないテナント配下のネットワークプールに属するネットワークリソース
グローバルプール配下のネットワークリソースは、デフォルトVFABに対応している複数のテナントから共有することができます。デフォルトVFAB以外のVFABに対応しているテナントについては、グローバルプール配下のネットワークリソースは利用できません。
図H.5 プールと仮想ファブリックの関係
注) VLAN IDは、VFABの範囲内で一意性を保証しています。