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Systemwalker Service Quality CoordinatorV15.2.2 トラブルシューティングガイド
FUJITSU Software

5.1 Oracleの性能情報が取得できない

■現象

Oracleの性能情報は、各種設定作業を行わないと取得できません。


■確認ポイント

Oracleの性能情報を取得するための定義を確認してください。


■原因

Oracleの性能情報の取得は自動的には行われません。性能情報を取得するために各種設定作業を行う必要があります。


■対処方法

Oracleの性能情報を収集するための設定が正しく行われているか、次の順にチェックを行います。

  1. template.datファイルの設定

  2. ポリシーの作成と適用

  3. Oracleの動作状態

  4. Oracle 10g R2の場合に必要な処置

以降で、それぞれの項目について、詳細に説明します。


  1. template.datファイルの設定

    Oracleの性能情報を収集する場合には、template.datファイルに次の項目を設定する必要があります。

    • SID

    • ユーザーID

    • パスワード

    • Oracleのバージョン

    • ORACLE_HOME


    template.datファイルで、固定項目を含め次のように設定します。


    項目

    定義内容

    定義例

    [ORA]

    セクション名です。

    • 1つのインスタンスを監視する場合

      変更できません。

    • 2つ以上のインスタンスを監視する場合

      • 1つ目

        [ORA]のまま、変更しないでください。

      • 2つ目以降

        インスタンスごとにセクションを追加します。

        セクション名は18バイト以内の半角英数字で定義可能ですが、セクション名がテンプレート内で重複しないように定義します。

    [ORA]

    DCAID

    Oracleを監視するための固有のIDです。変更できません。

    "ORA"

    INTERVAL

    収集間隔です。単位は分です。変更できません。

    5

    SID

    【Windows版】

    リモート接続用の接続識別子を設定します。

    【UNIX版】

    「Oracleインスタンス名」を設定します。

    ORCL

    USERNAME

    Oracleに接続するための接続文字列を設定します。

    通常は、Oracleにアクセスし、動的パフォーマンス・ビューから情報を取得するためのユーザー(DBAロールを付与した管理者ユーザー)のIDを入力します。

    Oracleのデフォルトでは“system”となっていますが、デフォルトから変更する場合は、使用手引書「Oracleの動的パフォーマンス・ビューにアクセスできるユーザーを新規で作成する方法」を参照してください。

    Oracleの環境により、ユーザーIDでOracle に接続することができない場合は、以下の形式で設定してください。

    USERNAME@接続識別子

    なお、接続識別子にはネット・サービス名を設定してください。

    接続識別子などの詳細については、Oracleのドキュメントを参照してください。

    注意

    この形式で設定する場合、接続文字列の示す接続先が、上記「SID」の定義内容と一致していることを確認してください。

    system

    PASS

    上記「USERNAME」に対応するパスワードをgenpwd(注1)で暗号化し、作成された文字列を入力します。

    Oracleのデフォルトのパスワードから変更する場合は、使用手引書「Oracleの動的パフォーマンス・ビューにアクセスできるユーザーを新規で作成する方法」を参照してください。

    なお、パスワードに以下の文字は使用できません。

    $\/;|<>?@()`'"^

    注1) genpwd(パスワード暗号化コマンド)の使用方法は、リファレンスマニュアル「genpwd(パスワード暗号化コマンド)」を参照してください。

    oShc+uU9Gl8=

    VER

    監視するOracleインスタンスのバージョンを記述します。「X.X.X」という3桁の形式で記述してください。

    9.2.0

    ORAHOME

    監視するOracleのORACLE_HOMEの内容を設定します。

    注意

    最後に「/」を付けないでください。

    誤:/opt/app/9iee/product/9.2.0/

      ↓

    正:/opt/app/9iee/product/9.2.0

    /opt/app/9iee/product/9.2.0


    template.datファイルは、以下の場所に格納されています。

    Windows版】

    <可変ファイル格納ディレクトリ>\control\template.dat

    UNIX版】

    /etc/opt/FJSVssqc/template.dat


  2. ポリシーの作成と適用

    template.datファイルの設定後、ポリシーの作成と適用を行う必要があります。ポリシーの適用後、マネージャーに構成情報が送信されますので、運用管理クライアントで構成情報を管理コンソールに反映するために「構成情報の取得」を実施してください。


  3. Oracleの動作状態

    Oracleの性能情報を収集するためには、Oracleのインスタンスが起動されてアクセス可能な状態となっている必要があります。Oracleが起動されていて、アクセス可能かどうかは、SQL*Plus等を使用して確認してください。


  4. Oracle 10g R2の場合に必要な処置

    Oracle 10g R2では、セキュリティが強化されているため、以下のメッセージが出力されて性能情報の収集ができない場合があります。

    DSA_Cmd: DSA0543E: Bad data received from command 'sqlplus': ORA-12546: TNS:permission denied

    SQL*Plusを実行し、template.datファイルに設定したユーザー・パスワードでログインできる場合には、Oracleのバグ 4516865 が報告されていますので、その情報に従って対処を行ってください。