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Interstage Navigator ServerV9.5.0 ユーザーズガイド(Webクライアント編)
FUJITSU Software

1.1.1 分析の切り口「管理ポイント」

レポートは、表の縦軸や横軸に表示される項目(分析の視点)と、分析対象となる、実際に得たいデータ(データの内容)から構成されています。例えば、「支店別に、月ごとの売上実績を見たい」といった場合は、「支店別」と「月ごと」という2つの分析の視点と、「売上実績」というデータから、レポートが構成されます。

分析の視点とは、「支店別」「月ごと」のように、データをどんな風に見るかといった、情報のくくり方や切り口のことです。データを集計する場合、大分類、中分類、小分類に分類して集計したり、○○別、△△ごとといった用途・目的別に分類して集計したりします。この「大分類」「中分類」「小分類」や「○○別」「△△ごと」がデータの切り口で、分析やレポート作成のためのデータ検索や、集計の際の分類キーとなります。

この切り口は、一般に「軸」または「次元」と呼ばれます。複数の軸/次元を組み合わせたり、さまざまに切り換えたりしてデータを分析することを、「多次元分析」と言います。多次元分析の最も一般的な分析手法が、「OLAP(Online Analytical Processing)」です。

多次元分析は、元になるデータベースから分析対象となるデータを抽出し、分析の切り口をさまざまに変えて、データの集計を行う仕組みです。データと軸/次元を組み合わせたモデルを、「多次元モデル」と言います。

上記の図は、商品、地域、時間という3つの軸/次元を持った、3次元モデルです。この多次元モデルからデータを取り出し、集計した場合の一例が図中のレポートになります。

分析の切り口を柔軟に設定する管理ポイント

レポートは、基本的に縦横集計表の形式です。このとき、レポートのタイトル、表側(集計表の縦軸)、表頭(集計表の横軸)に現れる項目は、地域別、支店別、取引別、月度/四半期/半期/年度別、商品グループ別、事業部別、営業部別などの管理項目です。つまり、レポートを作成する人が、管理項目の視点で、ビジネス状況を把握しようとしていると言えます。例えば、「ある商品が、どの支店で、どれぐらい売れているかを、月別に見たい」という要件には、商品別、支店別、月別という3つの管理項目で、データを分析したい、という視点が含まれていることになります。

管理ポイントは、データに対する管理・分析の視点です。Navigatorは、管理ポイントを使用したデータの分類や、対象データの絞り込みを、簡単な操作で行うことができます。

管理ポイントは、次に示すような、5W1Hの表現によって分類されます。日常業務で使っている分析の視点は、すべて管理ポイントにすることができます。

管理ポイントを表側や表頭に配置することで、単純な集計表から高度な分析に使用する縦横集計表を、自在にデータベースから取り出すことができます。

従来、管理項目は、データベース上の項目として設定する必要がありました。この方式では、新しい管理項目で分析したい場合に、項目を新設するなどの作業が発生するため、情報システム部門での対応が必要になります。しかし、分類の方法や並び順は、部門や個人によって要件が異なり、要件は、時間とともに変化していくため、すべての管理項目を情報システム部門が設定するのは困難です。そのため、分類を変更したり追加したりすることは、一般利用者にとって、実質的に不可能でした。

管理ポイントは、データベースの構造を変更することなく、設定できます。データベース上に存在する項目を管理ポイントとすることはもちろん、データベース上の項目を用いて、新しい管理ポイントを定義することもできます。定義した管理ポイントは、分析やレポート作成時に利用できます。

一般利用者は、今まで困難であった分類の方法や並び順の定義・変更を、自分自身の手で、タイムリーに行えるようになります。よって、一般利用者が、目的に応じて情報の切り口を設定し、情報を取り出したり集計したりすることができるため、一般利用者独自の視点で、情報を分析・活用できます。