Martbuilderは、PowerCubeを生成するために中間ファイルを作成します。これらをリソースファイルと呼びます。Martbuilderは、これらを入力としてTransformerを起動し、キューブを生成します。リソースファイルは、すべてテキストファイルであり、編集することができます。
リソースファイルは、大きく分けて以下の4種類になります。
ファイルの種類 | ファイル名 | 役割 |
---|---|---|
分割MDLファイル | U_<CUBE>.mdl | Transformerで使用する、PowerCubeのモデルを記述したファイルです。PowerCubeが持つ次元や集計値の定義、データソースや生成するキューブのパス情報などが複数のファイルに分割された状態で記述されています。 |
CSVファイル | <CUBE>.csv | PowerCubeのデータソースとして読み込まれるCSVファイルです。 |
キューブ生成スクリプト | PowerCubeを生成する(Transformerを実行する)サーバのOSに応じて以下のように出力されます。
| Transformerを起動してPowerCubeを生成するためのスクリプトです。ユーザはこれを実行することにより、PowerCubeを生成することができます。 |
完全MDLファイル | <CUBE>.mdl | 分割MDLを結合したMDLファイルで、PowerCube生成時にはじめて出力されるリソースファイルです。 PowerCubeの完全なモデルが記述されています。 |
注意
<CUBE>には作成するPowerCubeの名前が入ります。
<CUBE>_Dimension<N>.mdlは、PowerCubeに含まれるディメンションの数だけ作成されます。<N>には0から始まる通し番号が入ります。
ファイルの文字コードはOSの種類を問わずShift-JISです。また、改行コードはNavigator Serverが動作しているサーバのOS標準改行コードに準拠します。
Martbuilderは、PowerCubeの生成方法に応じて、リソースファイルを以下のディレクトリに生成します。
[キューブを生成する]:
[キューブ生成先]に指定したディレクトリ
[リソースファイルを出力]、または[CSVのみ出力]:
[リソースファイル出力先]に指定したディレクトリ
Martbuilderから直接PowerCubeを生成し、リソースファイルを残さない設定にした場合、PowerCube生成が正常終了すると、これらのファイルは自動的に削除されます。しかし、生成中に権限の不足などにより処理が中断されると、これらのファイルは削除されません。原因を追求後、これらのファイルを使用して、Navigatorを再実行することなくPowerCubeの生成を完了することができます(リソースの生成過程で失敗した場合は、リソースファイルは残りません)。
なお、次にNavigatorのPowerCube生成機能を使用し、同じキューブ名、出力先を指定してリソースファイルを生成した場合、既存のリソースファイルは自動的に削除されます。
MartbuilderからPowerCubeを直接生成する、または、キューブ生成スクリプトを実行するなどして手動でPowerCubeを生成した場合、[キューブ生成先]に指定したディレクトリに以下のファイルが出力されます。
ファイルの種類 | ファイル名 | 役割 |
---|---|---|
PowerCube | <CUBE>.mdc | Transformerによって生成されたPowerCubeです。 |
PowerCubes | <CUBE><n>.mdp | Transformerによって生成された多次元パーティションファイルです。 PowerPlay側の設定で、マルチファイルPowerCubes機能が有効になっている場合に生成されることがあります。詳細は、PowerPlayのマニュアルを参照してください。 |
ログファイル | <CUBE>.log | Transformerによって生成されたログファイルです。 |
また、これと同時に次のような一時資源が作成されます。これらの一時資源は、キューブ生成処理中に作成され、処理終了と同時に削除されます(処理が失敗すると、削除されずに残ります)。
ファイルの種類 | ファイル名 | 役割 |
---|---|---|
rcファイル | <CUBE>.rc | transformerの基本定義ファイルです。 |
テンポラリディレクトリ | <CUBE> | transformerのテンポラリディレクトリです。 |
注意
<CUBE>には作成するPowerCubeの名前が入ります。
<n>には正数値が入ります。
また、PowerCube生成時にリソースファイルを残す設定にしている、またはキューブ生成スクリプトの実行を手動で行った場合、完全MDLファイルも出力されます。
なお、次にNavigatorのPowerCube生成機能を使用し、同じキューブ名、出力先を指定してPowerCubeを生成した場合、既存のPowerCubeは自動的に削除されます。
※ ただし、多次元パーティションファイル(.mdp)については、自動的に削除されません。このファイルは、キューブ名に1から始まる正数値を付加した名前で動的に生成されますが、キューブ名の付け方によっては、異なるキューブのファイルと衝突してしまう可能性があるためです。
例えば、“cube”と“cube1”という二つのキューブが同じディレクトリに存在する場合、“cube”から派生したmdpの11番目と、“cube1”から派生したmdpの1番目とは、どちらも“cube11.mdp”という名前になるため区別できません。
これはPowerPlayの仕様に依存する現象です。