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Interstage Navigator ServerV9.5.0 セットアップガイド Vol.1(Enterprise Edition用)
FUJITSU Software

10.2.1 辞書の準備

前準備には、DBAのロールが必要な作業と、オブジェクトの作成者が行う作業の2種類があります。

DBAのロールが必要な作業

以下の手順を実施します。

  1. 辞書用表領域の用意

  2. 辞書用ユーザの作成

  3. パスワードの登録

辞書用表領域の用意

Navigatorの辞書を、Oracleのデータベースに作成します。

この辞書を構築するための表領域を作成します。

表領域は、以下のコマンドで作成できます。コマンドの詳細は、SQL言語リファレンスを参照してください。

CREATE TABLESPACE NAVI_META
      DATAFILE 'C:\ORANT\DATABASE\NAVI_META.ORA' SIZE 20M
      DEFAULT STORAGE (INITIAL 100K NEXT 100K);

また、STORAGE句のINITIALとNEXTの値は、あまり大きな値を指定しないようにしてください。数10Kから数100Kバイト程度を目安としてください。

下線の部分を、システムに合わせて変更してください。

なお、辞書に必要な容量の見積もりは、“3.2 辞書のスペース量見積もり式”を参照してください。

ポイント

プラガブル・データベースを利用する場合には、プラガブル・データベース配下に辞書用表領域を作成してください。

辞書用ユーザの作成

Navigatorの辞書をOracleのデータベースに作成する場合、辞書テーブルのオーナとなる「ユーザ」が辞書の管理者ごとに必要です。

ユーザは、以下の命名規約に従って作成します。

KVRGxxxxxxxx

xxxxxxxxは、辞書の管理者のユーザIDを16進数表記した8桁の文字列です。

辞書の管理者のユーザIDについての詳細は、“第7章 ユーザを登録する”を参照してください。

仮にユーザIDを3000とすると、ユーザ名はKVRG00000BB8となります。

部門辞書運用では、このユーザを部門の利用者全員で共用します。

エンタープライズ辞書運用では、エンタープライズ辞書を利用する利用者全員で共用します。

ユーザは、以下のコマンドで作成できます。コマンドの詳細は、SQL言語リファレンスを参照してください。

CREATE USER KVRG00000BB8 IDENTIFIED BY PASSWORD
    DEFAULT TABLESPACE NAVI_META
    TEMPORARY TABLESPACE TEMPORARY_DATA
    QUOTA 10 M ON NAVI_META;
GRANT CREATE SESSION TO KVRG00000BB8;
GRANT CREATE TABLE TO KVRG00000BB8

※下線の部分を、システムに合わせて変更してください。

ポイント

プラガブル・データベースを利用する場合、Navigatorが利用する辞書ユーザはローカルユーザで作成してください。

パスワードの登録

Navigator Serverに接続する場合は、サーバのパスワード入力の他に、辞書用ユーザのパスワード入力が必要です。

Webコンポーネントを使用する場合には、rn_setdicpasswdコマンドで辞書用ユーザのパスワードをあらかじめNavigator Serverに登録しておく必要があります。

Windowsクライアントのみを使用する場合にも、辞書用ユーザのパスワードをあらかじめNavigator Serverに登録しておくことをお勧めします。

パスワードを登録していない場合、利用者がログインするたびにパスワードを入力する必要があり、利用者全員にパスワードを通知する必要があります。

パスワードの登録、削除を行うには、コンソールから以下のコマンドを実行します。コマンドの詳細は、“Navigator Server コマンドリファレンス”を参照してください。

環境変数

UNIXで上記コマンドを実行するには、環境設定が必要となります。

Windowsサーバでは、環境設定の必要はありません。

以下の環境変数に「インストールディレクトリ/bin」を追加してください。

以下に設定例(Cシェルの場合)を示します。

===================================================================================
setenv PATH /opt/FJSVenavi/bin:/usr/bin:/bin
setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FJSVenavi/bin
=====================================================================================

※/opt/FJSVenaviは、Enterprise Editionの場合です。その他のエディションを利用している場合は、“Navigatorサーバのインストール”を参照して、ディレクトリを確認してください。

注意

  • パスワードは、Navigator Serverの環境設定ファイルが存在するディレクトリのrnd.secというファイルに、暗号化した上で格納されます。
    このファイルは、rn_setdicpasswdコマンドで、初めてパスワードを登録したときに作成され、rn_delalldicpasswdコマンドですべてのパスワードを削除したときに同時に削除されます。
    rnd.secファイルは、作成したユーザだけが更新、および削除できるようアクセス権限が設定されます。したがって必ずシステム管理者が操作を行ってください。
    このファイルを削除すると登録した内容はすべて削除されます。

  • システム管理者は、rnd.secファイルのバックアップをすること、および一般利用者にファイルの更新権を与えないようすることが必要です。

  • パスワードの登録を行う前には、ユーザ名とパスワードを使用してOracleデータベースに接続できることを確認してください。

  • パスワードの登録を行った場合は、事前に正しいパスワードが設定されているかどうかの確認を必ず行ってください。

  • Windowsサーバでパスワードの登録/削除を行うときは、WindowsサーバのローカルユーザでWindowsサーバにログインしてください。
    ドメインのユーザでWindowsサーバにログオンすると登録/削除ができない場合があります(ドメインのユーザ名と同じ名前がローカルにある状態で登録を行うと、rnd.secファイル更新権がローカルのユーザに付いてしまうため、同じユーザであっても登録/削除ができなくなります)。

確認方法

  1. Navigatorサーバのセットアップ作業を完了し、Navigator辞書管理ツールを使用できるようにします。

  2. Navigator辞書管理ツールを起動し、サーバに接続します。

  3. サーバへ接続するためのユーザ名、パスワードを入力します。

  4. ログインが完了し、Navigator辞書管理ツールを使用できる状態になれば、パスワードの登録は完了しています。

3.の操作の後に、さらに辞書用ユーザのパスワード入力画面が表示された場合は、パスワードが正しく登録されていません。この場合は、再度パスワードの登録を行ってください。

オブジェクトの作成者が行う作業

ユーザデータの参照権の認可

Navigatorを通じて利用するデータの参照権を、辞書用ユーザに対して認可します。

参照権は、以下のコマンドで認可できます。コマンドの詳細は、SQL言語リファレンスを参照してください。

GRANT SELECT ON スキーマ.テーブル名 TO KVRG00000BB8;

下線の部分を、システムに合わせて変更してください。