アプリケーション連携実行基盤では、ログを採取する機能をもっています。ログ機能には、以下の機能があります。
アプリケーションに記述することなく、アプリケーション連携実行基盤の動作をログとして出力することができます。
出力レベルを設定することで、出力対象のログを絞り込めます。
ログをキャッシュすることで、アプリケーションの実行に影響を与えずにログを出力できます。キャッシュが有効な場合は、ログの出力によってアプリケーションの処理が中断されません。キャッシュが無効の場合は、ログの出力が完了するまでアプリケーションの処理が中断します。ただし、Javaを使用した場合、およびスレッド版のC言語 APIを使用した場合に、アプリケーションの終了時、キャッシュに残っているログが出力されないことがあります。
出力先ファイルの自動分割が可能です。
ログの出力先としてsyslogを利用することもできます。
ログの出力先としてイベントログを利用することもできます。
WebアプリケーションとEJBアプリケーションを対応付けるID(コンテキストID)を出力することができます。Webサーバとアプリケーションサーバそれぞれのアプリケーションをクライアントからのリクエストにより関連付けるときに有効です。
アプリケーションにログを出力する処理を記述することで、ユーザが定義したログを出力できます。
ログの出力に関する設定はログ定義ファイルに記述するため、プログラムを修正することなく出力先やフォーマットなどを変更することができます。
アプリケーション連携実行基盤が出力する標準ログ(システムログ、性能ログ)とアプリケーションで利用するユーザログは、ログ定義ファイルにより分類します。
ログの出力先やフォーマットといったログの出力に関する設定は、ログ定義ファイルに定義します。定義は複数記述することができ、それぞれの定義に対し管理名を設定します。アプリケーションからログを利用する場合には、管理名を指定し、定義に応じたログ出力クラスを取得します。
分類 | 管理名 | 用途 | |
---|---|---|---|
標準ログ | システムログ | system | アプリケーション連携実行基盤の稼働状況や、エラー状況を出力します。 |
性能ログ | performance | アプリケーション連携実行基盤の処理に要した時間を出力します。 | |
ユーザログ | 高信頼性ログ | 上記以外の管理名 | データベース更新やアプリケーションの呼出しで指定するパラメタなど、データ操作の運用履歴を取得します。 |
汎用ログ | 実行時に発生したエラーや、動作の過程を表すインフォメーション、開発過程や障害調査などで用いるデバッグ情報を取得します。 |
標準ログの詳細な説明は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(アプリケーション連携実行基盤編)”を参照してください。
以降では、アプリケーションでユーザが利用する、ユーザログについて説明します。