ここでは、JSVRAXを利用する場合の制限事項・注意事項として、全体的な事柄を説明します。
JSVRAXの各APIを使用するにあたっては、「コマンドリファレンス」の8.2節および各APIの説明中にある注意事項を参照してください。
JSVRAXは、すべての機能をJavaScriptで実装しています。また、かな漢字変換や文字表示において、JSVR-Webサービスと通信し動作します。処理コストがかかることから、以下の点に注意してください。
必要なフィールドにだけ、JSVRAXの部品を適用するようにしてください。大量のフィールドおよび大量のデータを扱った場合に、クライアントが過負荷状態になり、ブラウザの動作が不安定になる場合があります。
JSVRAXの入力抑止機能は、キーボードからの一般的な文字入力操作や、コピー&ペースト、ドラッグ&ドロップなどの一般的な文字編集操作に有効です。
しかし、システムIMEの特殊な設定などによる想定外の入力/編集操作や、スクリプトエラーなどの予期せぬ環境異常により、入力抑止機能が動作せず、本来抑止すべき文字がサーバに送信される場合があります。また、悪意あるリクエストにより、サーバに抑止すべき文字が送信される場合があります。そのため、運用においては、JSVRAXによる入力抑止だけでなく、サーバサイドのアプリケーションでも入力値のチェックを実施し抑止してください。
サーバサイドのアプリケーションにおける入力値のチェックには、Charset Managerのバリデーション機能が使用できます。詳細は、Charset Manager-Mの「システム構築ガイド バリデーション編」を参照してください。
JSVRAXの入力抑止機能は、入力不可文字を指定された代替文字に強制的に自動補正します。また、JSVRAXの入力表示機能においては、代替文字への自動補正に加え、一部の文字を強制的にサーバ画像に自動置換し表示します。これらはすべて自動的に実行されるため、自動補正やサーバ画像への置換が行われたことにオペレータが気付かない可能性があります。実際にデータを登録する前に、入力内容の確認画面を用意するなどの対処を実施してください。なお、JSVRAXの自動補正以外の方法で入力抑止をする場合は、アプリケーションで文字列解析APIを使用し実装してください。
JSVRAXの入力表示機能では、コピー&ペーストバッファとしてシステムクリップボードを使用します。
システムのIMEを使用した場合、かな漢字変換時の未確定文字列は、クライアントPCのフォントによって表示されます。一方、確定文字列は、Charset-Web入力によりサーバ画像またはクライアントPCのフォントによって表示されます。そのため、システムのIMEを使用し、かつサーバ画像が使用される文字の場合、未確定状態と確定状態で表示される文字のデザインが若干異なる場合があります。
なお、JSVRAXのIMEを使用した場合は、未確定文字列もCharset-Web入力によって表示されるため、未確定状態と確定状態での表示の差異はありません。ただし、JSVRAXのIMEを使用する場合は、かな漢字変換の使い勝手や、ネットワーク・サーバ負荷に注意する必要があります。
Windows 8.1およびWindows 10と、これらより前のバージョンのWindowsとでは、MS 明朝等の字形および文字セットが異なります。Windowsのアップデート等によっても、同様に字形および文字セットが異なる場合があります。そのため、各クライアントで内字字形が異なったり、文字が正しく表示されない場合があります。
クライアントの環境が特定できない、またはバージョンが混在する運用では、同梱のサンプル文字処理定義ファイルを使用することで解決することができます。同梱のサンプル文字処理定義ファイルの詳細は、「運用ガイド」の4.4節を参照してください。
JSVRAXでは、運用文字コードとしてUnicode(MS)またはUnicode(2004MS)のいずれかのみを使用することができます。ただし、JSVRAXで運用する文字コード(文字セット)については、運用文字コードに加えて、文字処理定義を適切に設定する必要があります(例えば、運用文字コードがUnicode(MS)の環境でシフトJIS(MS)の文字を運用することもできます)。「3.4.5 JSVRAXでの注意点」もあわせて参照してください。
Internet Explorer 11を使用する場合、次の現象が発生することがあります。
文字検索ダイアログの各検索条件指定域の右側にあるドロップダウンボタンをクリックしても、指定例リストが表示されない。
文字検索ダイアログで検索を行った後で、検索結果リスト域に表示されている文字上でマウスを右クリックしても、コンテキストメニューが表示されない。
文字検索ダイアログの各検索条件の右側にあるヘルプボタンをクリックしても、ヘルプが表示されない。
TSFAttacher HTCに対してフォーカスと同時にJSVRAX.TSFが起動するよう設定した場合、フォーカス時のJSVRAX.TSF起動でエラーが発生することがある。
これは、Internet Explorerの保護モード機能が有効になっているためです。Internet Explorerの環境設定が標準の状態の場合は、Charset-Web入力の部門サーバをローカル イントラネットゾーンまたは信頼済みサイトのゾーンに追加することで、現象を回避することができます。
JSVRAXが正常に動作しなくなるため、Internet Explorer 11に付属している開発者ツールでドキュメントモードを変更しないでください。
64ビット版のInternet Explorer 11では、次の点に注意してください。
TSFAttacher HTCを割り当てたエレメントにて、システムのIMEによるかな漢字変換中に、未確定文字列が残っている状態でJSVRAX.TSFを起動すると、Internet Explorerのプロセスが再起動する場合があります。これを防ぐには、かな漢字変換結果を確定させてから、JSVRAX.TSFを起動するようにしてください。
JSVRAXをWebページ上で表示するタイミング(ページロード、再読み込みなどのタイミング)で、「エラー:予期しないメソッドの呼び出し、またはプロパティアクセスです。」のようなスクリプトエラーが発生する場合があります。ただし、JSVRAXの機能や動作に影響は無いため、無視してかまいません。
Internet Explorer 11では、ドキュメントモードが「IE5 Quirks」でなければなりません。JSVRAXを使用するHTMLは、「IE5 Quirks」となるようにしてください。ドキュメントモードの指定方法や解釈順などの詳細については、MSDNなどの外部ドキュメントを参照してください。
Internet Explorer 11では、JSVRAXのTextarea HTCにおいて、文字画像となる文字が正しく表示されない場合があります。
回避方法としては、JSVRAXのTextarea HTCを使用したページをInternet Explorerで処理する場合には、拡張プロパティの"WSRootURL"に指定するJSVR-CSVサービスのルートURLの指定を、絶対パスで指定してください。
例) JSVRAXのサンプル(sample.html)を参考にすると、次の通りです。
現状 (相対パス) : JSVRAX:WSRootURL="/jsvr_csv/csv/"
修正後(絶対パス) : JSVRAX:WSRootURL="http://SERVERNAME:PORT/jsvr_csv/csv/"
Internet Explorer 11では、JSVRAXのTextarea HTCにおいて、背景色が正しく表示されません。次のような現象が発生します。
フォーカスを設定しても、背景色が表示されません。
JSVRAX.TSFを起動したり、改行を入力したりすると、背景色が表示されます。
入力した文字を選択した際、文字の部分のみ背景色が表示されます。
フォーカスが外れても、背景色が消えません。
フォーカスを外して他のタブを表示した後、表示タブを戻すと背景色が消えます。
32ビット版のWindows 8.1またはWindows 10のInternet Explorer 11を利用する際、JSVRAXのTextarea HTCにおいて、編集状態をdisabledにすると、ゴミが表示されることがあります。