伝送路二重化機能4.4A00において、前バージョンから非互換となる機能は以下のとおりです。
(1) Secure Boot
【内容】
RHEL7のSecure Boot機能をサポートしました。
【変更点】
変更前
Secure Boot機能が有効となっている環境において、GLSが使用できません。
変更後
Secure Boot機能が有効となっている環境において、GLSが使用可能です。
(2) 監視先設定誤りの検出
【内容】
以下の設定誤りがある場合、HUB監視機能が経路異常を検出するようになりました。
二重化方式がNIC切替方式、または仮想NIC方式である。かつ
監視先のIPアドレスと仮想インタフェースのIPアドレスが異なるネットワークセグメントとなっている。かつ
GLSの仮想インタフェース以外のインタフェースにより、監視先のIPアドレスと通信できる場合。
経路異常が検出されることにより、設定誤りを早期に確認することができます。
【変更点】
変更前
通信経路の異常を検出しません。
変更後
通信経路の異常を検出し、システムログにメッセージ番号870のエラーメッセージを出力します。
【注意事項】
以下の環境の場合、上記の設定誤りを検出することはできません。
OSがRHEL7である、かつ
監視先のIPアドレスにIPv6を使用している場合
(3) pingコマンドのハングアップの検出
【内容】
以下の監視機能にて、pingコマンドがハングアップしたことを検出するようになりました。
NIC切替方式のHUB監視機能
GS連携方式の通信相手ホスト監視機能
【変更点】
変更前
pingコマンドがハングアップした場合、経路の異常が検出できなくなります。
変更後
pingコマンドがハングアップした場合、経路の異常が発生したと判断します。以降の動作は、各方式の異常検出後の動作となります。
また、この変更に伴い以下のユーザコマンドのインタフェースにパラメタが追加されました。
NIC切替方式の伝送路異常検出時
詳細については、“3.12.2.1 NIC切替方式の設定内容”の“(2) 伝送路異常検出時”を参照してください。
(4) ユーザコマンド実行タイミングの追加
【内容】
以下の条件において、ユーザコマンドを実行するようになりました。
以下の二重化方式において、仮想インタフェースの異常、復旧検出時
仮想NIC方式
以下の二重化方式において、引継ぎ仮想インタフェースの活性、非活性時
高速切替方式
仮想NIC方式
GS連携方式
詳細については、“2.8.2 ユーザコマンド実行機能”を参照してください。
【変更点】
変更前
上記条件発生時にユーザコマンドを実行しません。
変更後
上記条件発生時にユーザコマンドを実行します。
(5) セルフチェック機能の設定ファイル
【内容】
GLSのインストールにおいて、セルフチェック機能用の設定ファイルを配置するようになりました。詳細については、“H.3.6 セルフチェック機能により仮想ドライバのハングアップが検出された”を参照してください。
【変更点】
変更前
セルフチェック機能用の設定ファイルは、必要に応じてユーザが新規に作成します。
変更後
GLSのインストールにおいて、標準設定のセルフチェック機能用設定ファイルを配置します。
(6) コンソールへのメッセージ出力
【内容】
以下のメッセージについて、コンソールへ出力しないよう変更しました。なお、設定を変更することにより、従来と同じ動作に変更することができます。
NIC切替方式の仮想インタフェースを活性化、非活性化する時に出力するメッセージ
すべての二重化方式において、引継ぎ仮想インタフェースを活性化、非活性化する時に出力するメッセージ
【変更点】
変更前
システムログおよびコンソールの両方にメッセージを出力します。
変更後
システムログにのみメッセージを出力します。
従来通りコンソールにもメッセージを出力させたい場合は、以下の設定ファイルに"disable_console"のパラメタを追加し、値に"0"を設定してください。
/etc/opt/FJSVhanet/config/ctld.param
# # HA-Net Configuration File # # Each entry is of the form: # # <param> <value> # observ_msg 0 observ_polling_timeout 180 max_node_num 4 disable_console 0 ←パラメタを追加して、"0"を設定 |
(7) 物理インタフェースのネットワーク設定ファイル
【内容】
GLSの仮想インタフェースが束ねる物理インタフェースのネットワーク設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX)について、"HWADDR"の設定を省略することができるようになりました。
【変更点】
変更前
物理インタフェースのネットワーク設定ファイルに、"HWADDR"の設定が必須です。
変更後
物理インタフェースのネットワーク設定ファイルの"HWADDR"の設定は、省略可能です。
(8) 富士通ホットスタンバイプロトコル
【内容】
GS連携方式において、富士通ホットスタンバイプロトコルのメッセージ送信に失敗した場合の動作を変更しました。
【変更点】
変更前
以下のエラーメッセージを出力します。
ERROR: 80590: internal error.(*) [sock.c(***)] |
変更後
以下のエラーメッセージを出力します。
WARNING: 93200: cannot send fhsp message. (dest=hostip, code) |
メッセージの詳細については、“A.1.3 コンソール出力メッセージ(800~900番台)”を参照してください。
(9) ifcfg-shaXファイルの配置先変更
【内容】
仮想NIC方式の仮想インタフェースのインタフェース設定ファイル(ifcfg-shaX)の配置先を変更します。
【変更点】
変更前
仮想NIC方式の仮想インタフェースの設定時、インタフェース設定ファイル(ifcfg-shaX)は以下に配置されます。
/etc/opt/FJSVhanet/config/ifcfg-shaX
また、以下のディレクトリに上記ファイルのシンボリックリンクファイルが作成されます。
/etc/sysconfig/network-scripts/
変更後
仮想NIC方式の仮想インタフェースの設定時、インタフェース設定ファイル(ifcfg-shaX)は以下に配置されます。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX
なお、上記ファイルのシンボリックリンクファイルは作成されません。