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Enterprise Postgres 12 アプリケーション開発ガイド
FUJITSU Software

D.12.1 ecobpg

名前

ecobpg -- 埋め込みSQL用COBOLプリプロセッサを使用する

記述形式

ecobpg [option...] file... 

説明

ecobpgは、COBOLプログラム用の埋め込みSQLプリプロセッサです。 SQL呼び出しを特殊な関数呼び出しに置き換えることによって、埋め込みSQL文を含むCOBOLプログラムを、通常のCOBOLコードに変換します。 これにより、出力ファイルは、COBOLコンパイラツールを使用して処理することができます。

ecobpgは、コマンドラインで指定される各入力ファイルを対応するCの出力ファイルに変換します。 入力ファイルに.pcoという拡張子を付けておくと、出力ファイル名の拡張子が.cobに置き換えられるので便利です。 入力ファイルの拡張子が.pcoでない場合、そのファイルのフルネームの末尾に.cobを追加したものが出力ファイル名となります。 出力ファイル名は、-oオプションによって上書きすることもできます。

パラメータ

ecobpgは、以下のコマンドライン引数を受け付けます。

-c

SQLコードから有効なCOBOLコードを自動的に生成します。 現在、このオプションはEXEC SQL TYPEに対して使用できます。

-I directory

追加のインクルード用パスを指定します。 これは、EXEC SQL INCLUDEを使用してインクルードされるファイルを検索する際に使用されます。 デフォルトでは.(現ディレクトリ)のみです。

-o filename

ecobpgが全ての出力をfilenameに書き込むことを指定します。

-f format

COBOLコードの記法を指定します。formatには以下のいずれかを指定します。指定がない場合はfixed(固定形式)が指定されたものとして扱います。

fixed

固定形式を指定します。B領域は72カラムまで指定できます。73カラム以降の文字はプレコンパイルされたソースから削除されます。

variable

可変形式を指定します。B領域は251カラムまで指定できます。252カラム以降の文字はプレコンパイルされたソースから削除されます。

-r option

実行時の動作を選択します。 以下のいずれかをoptionとして取ることができます。

prepare

すべての文を使用する前に準備します。 libecpgは準備済みの文のキャッシュを保持し、再実行される場合に文を再利用します。 キャッシュが満杯になった場合、libecpgは最も古い文を解放します。

questionmarks

互換性という理由でクエスチョンマークをプレースホルダとして許します。 これは長い間デフォルトとして使用されていました。

-t

トランザクションの自動コミットを有効にします。 このモードでは、各SQLコマンドは明示的なトランザクションブロックの内部にない限り、自動的にコミットされます。 デフォルトのモードでは、EXEC SQL COMMITが発行された時にのみコマンドがコミットされます。

--varchar-with-named-member

VARCHAR型ホスト変数を変換するとき、プレフィックスとしてホスト変数の名前を付与します。

LENとARRの替わりに、(ホスト変数名)-LENと(ホスト変数名)-ARRが使用されます。

-E encode

COBOLソースのエンコードを設定します。エンコードは“UTF8”、“SJIS”、“EUC_JP”のいずれかを設定することができます。

本オプションを省略した場合はロケールで処理します。

-v

バージョンやインクルード用パスなどの補足情報を表示します。

--version

ecobpgのバージョンを表示し、終了します。

-?
--help

ecobpgのコマンドライン引数の使用方法を表示し、終了します。

注釈

前処理されたCOBOLコードファイルをコンパイルする際、コンパイラはPostgreSQLのインクルードディレクトリ内にある登録集ファイルを検索できるようにしなければなりません。

SQLが埋め込まれたCOBOLプログラムには、リンカのライブラリに関するオプションを使用するなどして、libecpgライブラリをリンクする必要があります。

使用するシステムにおいて上記の2つに対応するディレクトリを調べるには、pg_configを使用します。

参照

pg_configの詳細については、“PostgreSQL Documentation”の“Reference”の“pg_config”を参照してください。

使用例

埋め込みSQLを使用したprog1.pcoというCOBOLソースファイルがある場合、次のコマンドを実行すれば、コンパイル可能なソースコードを作成することができます。 ソースコードのコンパイル方法は、使用するコンパイラの情報を参照してください。

ecobpg prog1.pco