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Systemwalker Operation Manager トラブルシューティングガイド
FUJITSU Software

5.3.2 ネットワークジョブの実行に失敗する(エラーメッセージ:MJS881Sが出力される)

対象バージョンレベル

以下のすべての対処に該当していないかチェックしてください。

対処1

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1:2
code2 はスケジュールサーバのOS種別によって以下のとおりとなります。
  Windows版の場合: 274D
  Solaris版の場合: 0092
  HP-UX版の場合: 00ef
  AIX版の場合: 004f
  Linux版の場合: 006f

確認ポイント

スケジュールサーバおよび実行サーバにおいて、mjsnet のポート番号は一致していますか

原因

スケジュールサーバ、および、実行サーバにおいて、mjsnet のポート番号が一致しない場合、ネットワークジョブが異常終了します。

対処方法

services ファイルに定義する mjsnet または mjsnetn (nはサブシステム番号1~9)のポート番号をスケジュールサーバと実行サーバで一致させてください。

なお、実行サーバのポート番号の変更を反映するためには、実行サーバのジョブ実行制御サービス/デーモンを再起動する必要があります。

参考

servicesファイルにmjsnetを定義していない場合のポート番号の省略値は以下のとおりです。

  • Windows版のV5.0L30以前のバージョンレベル: 28452

  • Windows版のV10.0L10以降のバージョンレベル、UNIX版: 9327

Windows版のV5.0L30以前のバージョンレベルにおいて、servicesファイルの最終行にmjsnetの定義を記述する場合は、mjsnetを定義した行を必ず改行してください。

対処2

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1:2
code2 はスケジュールサーバのOS種別によって以下のとおりとなります。
Windows版の場合: 274D
Solaris版の場合: 0092
HP-UX版の場合: 00ef
AIX版の場合: 004f
Linux版の場合: 006f

確認ポイント

実行サーバにおいて運用が行われていないサブシステム番号に対して、ネットワークジョブを実行依頼していませんか

原因

スケジュールサーバにおいてサブシステム番号n(n:0~9)に登録されたネットワークジョブは、実行サーバで、同じサブシステム番号Nに対して実行依頼されます。サブシステム番号ごとに通信に使用するポート番号が異なるため、実行サーバにおいて、スケジュールサーバと同じサブシステム番号Nの運用が行われていない場合、ネットワークジョブは通信エラーとなり、実行されません。

対処方法

スケジュールサーバおよび実行サーバで、ネットワークジョブの運用を行うサブシステム番号を統一してください。

なお、スケジュールサーバがV10.0L10/5.2以降で、かつ、実行サーバがV5.0L30/5.2以降の場合、以下の手順で、すべてのサブシステム番号でmjsnet(デフォルト:9327/tcp)のポート番号が使用され、スケジュールサーバにおけるすべてのサブシステム番号のネットワークジョブが、実行サーバにおけるサブシステム番号0に対して実行依頼されるようになります。

ただし、この対処を行った場合、同一サブシステム番号間でネットワークジョブを実行することはできません。

  1. スケジュールサーバのservicesファイルにmjsnet1~mjsnet9のポート番号が記載されている場合、mjsnet1~mjsnet9のポート番号の設定を削除します。

  2. スケジュールサーバのジョブ実行制御サービス/デーモンを再起動します。

対処3

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1:2または3
code2:不定

原因

NetWorkerなどが、ジョブ実行制御が利用するポート番号(デフォルト:9327/tcp)を先に使用した場合に発生します。

対処方法

2.1.5 NetWorkerなどとの共存環境でSystemwalker Operation Managerのエラーメッセージが表示される”のエラーメッセージ5「MpMjes: ERROR: 10110: mjsnetsv : Failed in the bind of port number <number>/tcp.」の“対処方法”を実施してください。

対処4

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1 は実行サーバのOS種別によって以下のとおりとなります。
Windowsの場合: 3 または 4
UNIXの場合: 2
code2 は、実行サーバがWindowsの場合スケジュールサーバのOS種別によって以下のとおりとなります。
Windows版の場合: 2746
Solaris版の場合: 0083
HP-UX版の場合: 00e8
AIX版の場合: 0049
Linux版の場合: 0068
code2 は、実行サーバがUNIXの場合、スケジュールサーバのOS種別によって以下のとおりとなります。
Windows版の場合: 274C
Solaris版の場合: 0091
HP-UX版の場合: 00ee
AIX版の場合: 004e
Linux版の場合: 006e

確認ポイント

多数のネットワークジョブを同時に投入していませんか

原因

多数のネットワークジョブを同時に投入した場合、実行サーバでは逐次受付できない場合があります。実行サーバで処理しきれなかったネットワークジョブは異常終了します。

なお、実行サーバで処理可能なネットワークジョブ数は、サーバの性能により異なります。

対処方法

ネットワークジョブの投入タイミングをずらしてください。

対処5

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1:不定
code2:不定

確認ポイント

スケジュールサーバと実行サーバの間で回線エラーが発生していませんか

原因

スケジュールサーバと実行サーバの間で回線エラーが発生した場合、本現象が発生します。

対処方法

以下のマニュアルを参照し、出力されたcode1, code2の意味から、回線エラーの原因を取り除いてください。

なお、V13.0.0以降の場合、ネットワークジョブにおける回線エラー時のリトライの動作を変更することができます。変更の詳細については、“導入手引書”または“導入ガイド”の“運用情報の定義”を参照してください。

対処6

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1:不定
code2:不定

確認ポイント

スケジュールサーバと実行サーバの間に、ファイアウォールが存在しませんか

原因

スケジュールサーバと実行サーバの間に存在するファイアウォールにより、Systemwalker Operation Managerが使用するポートで通信ができない場合、本現象が発生します。

対処方法

スケジュールサーバと実行サーバの間にファイアウォールが存在する環境での運用は、以下のポートを使用した通信ができるようにファイアウォールを設定することで、ファイアウォールが存在する環境での運用が可能です。設定は、十分検討、検証をした上で実施してください。ポート番号については、“導入手引書”または“導入ガイド”の“ポート番号一覧”を参照してください。

対処7 (UNIXV16.0.0以降の場合)

エラーメッセージ

MJS881S jobname(jobno) COMMUNICATION ERROR OCCURRED FOR hostname,CODE(code1,code2)

code1:不定
code2:不定

確認ポイント

ネットワークジョブにおいて、タイムアウトが発生していませんか

原因

ネットワークジョブのタイムアウトの超過により発生します。

タイムアウト時間のデフォルト値は以下のとおりです。

対処方法

通信パス接続処理およびデータ送受信処理のタイムアウト時間のデフォルト値をカスタマイズします。これにより、実行サーバが停止したり、ネットワーク異常が発生したときに、処理異常を検知するまでの時間を調整することができます。

設定は定義ファイルで行います。定義したサーバ上で行われる通信パス接続処理およびデータ送受信処理において、本定義が有効になります。以下に設定方法を示します。

設定方法
  • サブシステム運用の場合は、サブシステムごとに定義してください。

  • 定義ファイルはviなどのエディタで作成し、値を設定してください。

  • 作成したファイルは、すべてのユーザに読み込み権を設定してください。

  • クラスタ構成のシステムでは、以下の定義ファイルは共有ディスク上に配置されます。各ノードでそれぞれで定義ファイルを作成する必要はありません。共有ディスクにアクセス可能な運用系ノードで定義ファイルを作成してください。

定義ファイル名

サブシステム運用なし・サブシステム0の場合

/etc/mjes/mjconf.ini

サブシステム1~9の場合

/etc/mjes/mjesN/mjconf.ini

    N:1~9

ファイル形式

[Socket]

ConnectTimeout=NNN

SendRecvTimeout=nnn

[Socket]

ネットワークジョブの通信パス接続処理およびデータ送受信処理をカスタマイズする場合、本セクションを指定してください。

ConnectTimeout=NNN

ネットワークジョブの通信パス接続処理が無応答となった場合に、処理をタイムアウトするまでの秒数をNNNに指定します。5~300(秒)の範囲で指定してください。

本キーは省略可能です。省略した場合、または定義ファイルを作成しない場合、または設定したファイル形式に誤りがある場合、デフォルト値は30(秒)になります。

SendRecvTimeout=nnn

ネットワークジョブのデータ送受信処理が無応答となった場合に、処理をタイムアウトするまでの秒数をnnnに指定します。10~300(秒)の範囲で指定してください。

本キーは省略可能です。省略した場合、または定義ファイルを作成しない場合、または設定したファイル形式に誤りがある場合、デフォルト値は60(秒)になります。

注意事項
  • セクション名、キー名の間にタブや空白など、形式外の文字を含めないでください。

  • キー名に対する値を省略するなど、上記形式以外のファイルを作成しないでください。

  • 本機能とは別の定義を設定した同名の定義ファイルがすでに存在する場合は、別の定義と混在して定義することが可能です。

設定例

定義ファイルの設定例

[Socket]

ConnectTimeout=30

SendRecvTimeout=30

読み込み権の設定例

# chmod 444 /etc/mjes/mjconf.ini

設定が有効となる契機

設定した内容は、mjconf.ini定義ファイルの作成後に実行されるジョブに対して有効となります。

Systemwalker Operation Managerのデーモンを停止する必要はありません。

設定の解除

mjconf.ini定義ファイルを削除するか、定義した行を削除します。

出力メッセージ

設定したファイル形式に誤りがある場合、syslog に以下のメッセージが出力されます。

本メッセージは 1 回のジョブの実行に対し複数回出力される場合があります。ファイル形式に誤りがあった場合は、デフォルト値で動作します。

  • キーが ConnectTimeout の場合

    MpMjes: ERROR: 10133: Internal configuration file is invalid.(Section=Socket,Key=ConnectTimeout)

    [メッセージの意味]

    設定したファイルの記述形式に誤りがありました。(セクション名=Socket,キー名=ConnectTimeout)

  • キーが SendRecvTimeout の場合

    MpMjes: ERROR: 10133: Internal configuration file is invalid.(Section=Socket,Key=SendRecvTimeout)

    [メッセージの意味]

    設定したファイルの記述形式に誤りがありました。(セクション名=Socket,キー名=SendRecvTimeout)

運用上の注意事項
  • 本設定は、ネットワークジョブおよび分散実行ジョブの動作に対する設定です。ローカルジョブやJCLファイルを使用したジョブの動作には影響しません。

  • 本機能を使用してタイムアウト値を設定する際は、一時的なネットワーク負荷を加味し、十分に検証を行ったうえで運用してください。設定値が小さすぎる場合、一時的なシステム負荷やネットワーク負荷によりタイムアウトとなる可能性があります。また、設定値がOSの提供するシステム関数のタイムアウト動作よりも大きい場合、設定値よりも早くタイムアウトとなる可能性があります。

  • 実行継続モードが有効の場合、ネットワークジョブの処理中に通信エラーが発生すると、実行サーバとの通信をリトライする仕組みが動作します。(通常は10秒間隔で6回リトライします。)このため、ジョブの投入後に処理が無応答となった場合は、リトライの完了後にジョブが異常となります。

  • 作成した定義ファイルは、Systemwalker Operation Managerのバックアップ・リストア機能の対象となります。

  • 作成した定義ファイルは、Systemwalker Operation Managerの移行用退避コマンドおよび移行用変換・登録コマンドの対象となります。

  • 作成した定義ファイルは、Systemwalker Operation Managerのポリシー抽出・配付機能の対象になりません。他サーバへポリシー配付した場合は、再設定が必要となります。