次の2つの運用パターンを想定したサンプルです。
内字の字形に対するこだわりがあり、かつ外字を使用する運用の場合
特に字形に対するこだわりはないが、入力できる文字を、システムで使用できる文字に制限したい運用の場合
1. 内字の字形に対するこだわりがあり、かつ外字を使用する運用の場合
この文字処理定義は、以下のような課題を解決することができます。
クライアントOSのフォントは、OSバージョンやアップデートによって異なる場合があります。そのため、クライアントによって表示される字形が異なったり、文字が出力できなかったりし、トラブル化することがあります。このようなクライアントによって出力結果が異なる文字について、Webサービスで取得したサーバフォントを使用することにより、全クライアントの字形統一を図ることができます。
クライアントにインストールしなければ使えなかった外字について、Webサービスで取得したサーバフォントを使用することにより、クライアントに外字をインストールすることなく表示することができます。
システムで使用できない文字が入力された場合に、サーバ側で思わぬエラーが発生し、トラブルになることがあります。
また、HTMLのページエンコーディングで表現できない文字は、ブラウザによって「𠀋」といったHTMLの文字参照形式に変換され、Webサーバへ送信されます。その結果、データベースには文字参照形式のまま保存され、思わぬトラブルになることがあります。
このような場合に、文字処理定義であらかじめ使用できる文字を設定しておくことにより、文字入力にまつわるトラブルを未然に防ぐことができます。
対応する文字処理定義のサンプルの一覧を次に示します。
文字処理定義ファイル名 | 使用できる文字セット | 対応するWebサービスの運用文字コード |
---|---|---|
Unicode_MS932_m_s.js | シフトJIS(MS) | EJ_UNICODE |
Unicode_MS932ex_m_s.js | Unicode(MS) | EJ_UNICODE |
Unicode_2004MS_m_s.js | Unicode(2004MS) | EJ_UNICODE2004MS |
Unicode_JISX0201plusJISX0208_m_n.js | JIS第一水準、第二水準、および半角英数カタカナ |
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2. 特に字形に対するこだわりはないが、入力できる文字を、システムで使用できる文字に制限したい運用の場合
この文字処理定義は、1の(3)と同様の課題を解決することができます。なお、外字は使用できないよう定義されています。
対応する文字処理定義のサンプルの一覧を次に示します。
文字処理定義ファイル名 | 使用できる文字セット | 対応するWebサービスの運用文字コード |
---|---|---|
Unicode_MS932_c_n.js | シフトJIS(MS) | EJ_UNICODE |
Unicode_MS932ex_c_n.js | Unicode(MS) | EJ_UNICODE |
Unicode_2004MS_c_n.js | Unicode(2004MS) | EJ_UNICODE2004MS |
Unicode_JISX0201plusJISX0208_c_n.js | JIS第一水準、第二水準、および半角英数カタカナ |
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注意
文字定義をカスタマイズする場合は、ユーザの業務Webアプリケーションにコピー後、カスタマイズしてください。
文字処理定義の変数名は、ユーザの業務Webアプリケーションで使用している、他のJavascript変数と名前が重複する可能性があります。ユーザの業務Webアプリケーションにコピー後、必要に応じて変数名を変更し、使用してください。
参考
サンプルの各文字処理定義ファイルで使用されている文字処理定義の変数名は、ファイル名から拡張子.jsを除いたものです。例えば、Unicode_MS932_m_s.jsでの変数名はUnicode_MS932_m_sです。
Unicode_MS932_*.jsは、半角英数カタカナといったSBCSも使用することができます。
Unicode_JISX0201plusJISX0208_*.jsは、マイクロソフトコードページ932のUnicodeマッピングを使用しています。
Unicode_JISX0201plusJISX0208_*.jsで、JIS X 0201(半角英数カタカナ)の文字を抑止したい場合は、0000~007FおよびFF61~FF9Fを入力不可な文字としてカスタマイズしてください。