共用ディスク装置で使用するファイルシステムの種類に応じて、以下の設定・対処を実施してください。
参照
共用ディスク装置のファイルシステムとして使用可能なファイルシステム種別は、OS によって異なります。ファイルシステムの詳細、および使用上の注意については、各 OS の“Linux ユーザーズマニュアル”をご参照ください。
ファイルシステムにext3 または ext4 を使用している場合、切替えファイルシステムのオンライン処理時に強制的なファイルシステムチェックが実行されることがあります。この強制的なファイルシステムチェックの実行は ext3 および ext4 の仕様であり、前回のファイルシステムチェックから一定回数のマウントが実行された、あるいは一定期間経過したことを契機に実行されるものです。
両ノード起動時や切替え時などに強制的なファイルシステムチェックが実行されると、ファイルシステムのオンライン処理でタイムアウトが発生し、PRIMECLUSTER の起動や切替えに失敗することがあります。
このような状況を回避するため、すべての ext3, ext4 切替えファイルシステムに対して次のコマンドを実行し、強制ファイルシステムチェックが実行されないように設定してください。
# tune2fs -c0 -i0 <デバイス名>
例
# tune2fs -c0 -i0 /dev/sdi1
上記コマンド実行後、次のコマンドで "Maximum mount count :-1","Check interval:0" となっていることを確認してください。
# tune2fs -l /dev/sdi1
[snip]
Mount count: 10
Maximum mount count: -1
[snip]
Check interval: 0 (<none>)
[snip]
注意
上記のように強制的なファイルシステムチェックが実行されない設定とした場合、ファイルシステムのロギングやジャーナリングだけでは検知できない原因(ディスク故障、カーネルバグなど)によるファイルシステム破壊が発生すると、その発見が遅れるため、データ損失の危険性が高まります。定期保守において、手動でファイルシステムの強制チェック(fsck -f)を実行して、データ損失の危険性を回避してください。
ファイルシステムにext4 または xfs を使用している場合、以下の方法で遅延割り当てへの対処を行ってください。
参照
ext4, xfs は、ディスク領域の割り当てを効率化し、書き込みパフォーマンスを向上させるために「遅延割り当て」を実装しています。本実装により、ディスクに書き込むべきデータのメモリ上での滞在時間が長くなるため、サーバのOSパニックや電源瞬断により、一部のデータが失われる可能性があります。
遅延割り当ての詳細については Red Hat 社の Storage Administration Guide をご参照ください。
ext4 の場合
ext4ではマウントオプションに nodelalloc を指定することで遅延割り当てを無効にすることができます。
/etc/fstab.pclファイルのマウントオプションを指定するフィールドに以下のように指定してください。
#RMS#/dev/sdd2 /mnt/swdsk2 ext4 nodelalloc 0 0
xfs の場合
xfsでは遅延割り当てを無効にすることはできません。
そのため、サーバのOSパニックや電源瞬断により一部のデータが失われないよう、ファイルシステムへの書き込みを保証する必要がある場合は、ファイルに書き込みを行うアプリケーションが書き込みの直後に fsync() コールを発行する必要があります。