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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.5
FUJITSU Software

はじめに

本書は、PRIMECLUSTERを使用する際に、起点としてご使用頂きたいマニュアルです。

PRIMECLUSTERシステムの導入から運用管理までの一連の流れ/操作について説明しております。PRIMECLUSTERシステムは複数の機能から構成されていることから、本書以外にも機能ごとに複数のマニュアルが存在しますが、操作上必要な機能固有の情報については本書から各関連マニュアルをポイント参照しているため、まず本書を参照することで一連の操作が可能となります。

また、本書では、PRIMECLUSTERシステムに対応した製品の機能概要、および操作手順についても説明しております。

なお、本書ではPRIMECLUSTERの基本パターンについて記載しております。記載されていないパターンについては、関連マニュアルを参照してください。

PRIMECLUSTERシステムの導入から運用管理を始めるまでの流れと本書の参照先の関係は以下のとおりです。

PRIMECLUSTERシステム導入から運用管理までの流れ

PRIMECLUSTERシステム運用の流れ

本書の参照先

1.PRIMECLUSTERシステムの構築の流れを理解し、PRIMECLUSTERシステムの設計をする。

第1部 導入準備編

2.PRIMECLUSTERシステムを新規に導入する。

第2部 導入編

3.PRIMECLUSTERシステムの運用状態を監視する。

第3部 運用編

4.PRIMECLUSTERシステムの運用開始後、システムの構成などを変更する。

第4部 システム構成変更編

5.PRIMECLUSTERシステムの保守を行う。

第5部 保守編

詳細な手順の説明については、各部の該当箇所に参照マニュアル名を明記しますので、そちらを参照してください。

本書の読者

本書はPRIMECLUSTER 4.5を使用して、クラスタシステムの導入・運用管理を行う、すべてのユーザと、PRIMECLUSTER上にアプリケーションを作成するプログラマを対象にしています。

本書について

本書は5部と付録、用語集で構成されています。各部の内容は以下のとおりです。

第1部 導入準備編

対象:PRIMECLUSTERシステムを構築するシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERシステムの導入から運用までの全体の作業の流れを説明します。

第2部 導入編

対象:PRIMECLUSTERシステムを構築するシステム管理者
内容:ソフトウェアのインストール、クラスタの構築、アプリケーション構築までの操作について説明します。

第3部 運用編

対象:システムを運用管理するシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERシステムの監視方法、異常の原因を調査する方法などを説明します。

第4部 システム構成変更編

対象:PRIMECLUSTERシステムを構築するシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERシステム構成の追加、変更、削除を行う場合に必要な作業について説明します。

第5部 保守編

対象:PRIMECLUSTERシステムを構築するシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERシステム動作環境の保守を行う場合に必要な作業について説明します。

付録A PRIMECLUSTER対応製品

対象: PRIMECLUSTERシステム上でPRIMECLUSTER対応製品を動作させるユーザ
内容: PRIMECLUSTERシステムに対応した製品の一覧を記載します。

付録B マニュアルページ

対象:PRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:PRIMECLUSTERシステムの各機能で使用するオンラインマニュアルページについて説明します。

付録C トラブルシューティング

対象:PRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:PRIMECLUSTERシステムでトラブルが発生した場合の対処法を説明します。
トラブル調査を依頼する際のデータの採取方法について説明します。

付録D PRIMECLUSTER対応製品用の状態遷移プロシジャリソースの登録/変更/削除

対象:PRIMECLUSTER対応製品用リソースを使用する、すべてのユーザ
内容:クラスタアプリケーションでプロシジャリソースを使用する場合のプロシジャリソースの登録/変更/削除方法について説明します。

付録E シャットダウンエージェント設定更新機能

対象:PRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:シャットダウンエージェント設定更新機能について説明します。

付録F KVM環境でPRIMECLUSTERを使用する場合

対象:KVM環境でPRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:KVM環境でPRIMECLUSTERシステムを使用する場合の導入手順について説明します。

付録G KVM環境でマイグレーション機能を使用する場合

対象:KVM環境でマイグレーション機能を使用する、すべてのユーザ
内容:KVM環境でマイグレーション機能を使用する場合の手順について説明します。

付録H VMware環境でPRIMECLUSTERを使用する場合

対象:VMware環境でPRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:VMware環境でPRIMECLUSTERシステムを使用する場合の導入手順について説明します。

付録I RHOSP環境でPRIMECLUSTERを使用する場合

対象:RHOSP環境でPRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:RHOSP環境でPRIMECLUSTERシステムを使用する場合の導入手順について説明します。

付録J PRIMECLUSTERの起動スクリプト/起動デーモンとポート番号

対象:PRIMECLUSTERシステムを構築するシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERが起動するスクリプトとデーモン、使用するポート番号について説明します。

付録K PRIMECLUSTERのsystemdサービス/起動デーモンとポート番号

対象:PRIMECLUSTERシステムを構築するシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERが起動するsystemdサービスとデーモン、使用するポート番号について説明します。

付録L Firewallを使用する場合

対象:PRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:PRIMECLUSTERシステムでFirewallを使用する場合について説明します。

付録M クラスタシステム環境をクローニングする場合

対象:PRIMECLUSTERシステム環境をクローニングするシステム管理者
内容:PRIMECLUSTERシステム環境でクローニングを行う場合の手順について説明します。

付録N バージョン毎の変更点

対象:PRIMECLUSTER 4.0A20、4.1A20、4.1A30、4.2A00、4.2A30、4.3A00、4.3A10、4.3A20、4.3A30、4.3A40または4.4A00を使用していた、すべてのユーザ
内容:PRIMECLUSTER 4.5A00の仕様変更点について説明します。

用語集

対象:PRIMECLUSTERシステムを使用する、すべてのユーザ
内容:PRIMECLUSTERシステムの用語について説明します。

関連マニュアル

以下のマニュアルはクラスタ設定を行う際に必要に応じて参照してください。

注意

PRIMECLUSTERの関連ドキュメントには上記マニュアル以外に以下のドキュメントがあります。

  • PRIMECLUSTER ソフトウェア説明書/インストールガイド

    PRIMECLUSTERの各製品に添付されるソフトウェア説明書およびインストールガイドです。

    データは各製品の“DVD”に格納されています。また、ファイル名については、「製品のご案内」を参照ください。

マニュアルの体系

マニュアルの印刷について

マニュアルの印刷をする場合には、PRIMECLUSTER製品用DVDの中に入っているPDFファイルを利用してください。PDFファイル名とマニュアルとの関係については、製品に添付されているPRIMECLUSTERのソフトウェア説明書を参照してください。

PDFファイルの参照・印刷には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerの入手方法については、Adobe Systems Incorporated. (アドビシステムズ社)のホームページを参照してください。

オンラインマニュアルについて

オンラインマニュアルを参照するためには、クラスタ管理サーバでユーザ名をwvroot、clroot、cladmin、clmonのいずれかのユーザグループに登録してください。

ユーザグループの登録の方法、ユーザグループの意味については、“4.3.1 クラスタを管理するユーザの作成”を参照してください。

本書の表記について

表記
プロンプト

実行にシステム管理者(ルート)権限が必要なコマンドライン例の場合、先頭にシステム管理者プロンプトを示すハッシュ記号(#)が付いています。システム管理者権限を必要としないエントリの場合、先頭にドル($)が付いています。

マニュアルページのセクション番号

Linux(R)オペレーティングシステムコマンドの後ろにマニュアルページのセクション番号が括弧付きで示されています。―例: cp(1)

キーボード

印字されない文字のキーストロークは、<Enter>や<F1>などのキーアイコンで表示されます。たとえば、<Enter>はEnterというラベルの付いたキーを押すことを意味し、<Ctrl>+<B>は、CtrlまたはControlというラベルの付いたキーを押しながら<B>キーを押すことを意味します。

書体/記号

以下の書体は特定要素の強調に使用されます。

書体 / 記号

使用方法

均等幅

コンピュータ出力、およびプログラムリスト:テキスト本文中のコマンド、ファイル名、マニュアルページ名、他のリテラルプログラミング項目

斜体, <斜体>

具体的な数値/文字列に置き換える必要のある変数 ―入力値―

<均等幅>

具体的な数値/文字列に置き換える必要のある変数 ―表示値―

太字

記述どおりに入力する必要のあるコマンドライン項目

“均等幅”

参照先のタイトル名、マニュアル名、画面名等

[均等幅]

ツールバー名、メニュー名、コマンド名、アイコン名

<均等幅>

ボタン名

例1.

以下に/etc/passwdファイルのエントリの一部を示します。

root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
bin:x:1:1:bin:/bin:/bin/bash
daemon:x:2:2:daemon:/sbin:/bin/bash
lp:x:4:7:lp daemon:/var/spool/lpd:/bin/bash

例2.

cat(1)コマンドでファイルの内容を表示するには、以下のコマンドラインを入力します。

$ cat ファイル名
記号

特に注意すべき事項の前には以下の記号が付いています。

ポイント

ポイントとなる内容について説明します。

注意

注意する項目について説明します。

例題を用いて説明します。

参考

参考となる内容を説明します。

参照

参照するマニュアル名などを説明します。

略称
  • Red Hat Enterprise Linux をRHELと略しています。

  • Red Hat Enterprise Linux AS をRHEL-ASと略しています。

  • RHEL、RHEL-ASを総称してLinux(R)と表記しています。

  • Red Hat OpenStack PlatformをRHOSPと略しています。

  • VMware(R) ESXi(TM) をESXiと略しています。

  • VMware vSphere(R) をVMware vSphereと略しています。

  • VMware vSphere(R) High Availability をVMware vSphere HAと略しています。

  • VMware vSphere(R) Fault Tolerance をVMware vSphere FTと略しています。

  • VMware vSphere(R) Distributed Resource Scheduler(TM)をVMware vSphere DRSと略しています。

  • VMware vSphere(R) Distributed Power Management(TM) をVMware vSphere DPMと略しています。

  • VMware vSphere(R) vMotion(R)をVMware vSphere vMotionと略しています。

  • VMware vSAN(TM)をVMware vSANと略しています。

  • VMware vSphere(R) Storage vMotion(R)をVMware vSphere Storage vMotionと略しています。

  • VMware(R) vCenter(TM) Converter(TM)をVMware vCenter Converterと略しています。

  • PRIMEQUEST 3000/2000 シリーズ をPRIMEQUESTと略しています。

輸出管理規制について

本ドキュメントを輸出または第三者へ提供する場合は、お客様が居住する国および米国輸出管理関連法規等の規制をご確認のうえ、必要な手続きをおとりください。

商標について

Red Hat は米国およびそのほかの国において登録されたRed Hat, Inc. の商標です。

Linux は、Linus Torvalds 氏の登録商標です。

Oracle とJava は、Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

Microsoft、WindowsおよびInternet Explorerは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

NetWorkerは、米国およびその他の国におけるEMC Corporation の商標または登録商標です。

VMware は、米国およびその他の地域における VMware,Inc の登録商標または商標です。

Symfoware は、富士通株式会社の登録商標です。

ioMemoryは、Fusion-io, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。

PRIMECLUSTERは、富士通株式会社の登録商標です。

その他各種製品名は、各社の製品名称、商標または登録商標です。

お願い

出版年月および版数

2017年12月 初版
2018年 5月 第1.1版
2018年 8月 第1.2版
2019年 4月 第1.3版
2020年 3月 第1.4版

著作権表示

All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 2017-2020

変更履歴

追加・変更内容

変更箇所

版数

時刻同期に関する注意点の説明を変更しました。

1.7.1 PRIMERGY/PRIMEQUEST 共通の注意点

第1.1版

拡張パーティションを使用したクラスタシステムの説明を追加しました。

1.7.3 PRIMEQUESTの場合の注意点
2.3 クラスタシステムの運用形態の決定
3.1.6.3 PRIMEQUEST3000シリーズの場合
5.1.2.5 PRIMEQUEST 3000シリーズでのシャットダウン機構の設定手順

libvirt-guestsサービスの確認手順を追加しました。

3.2.2.2 管理OSの設定(ゲストOSのOSインストール後)
3.2.3.1.4 管理OSの設定(ゲストOSのOSインストール後)

I/O完了待ち時間に、CFハートビートのタイムアウト検出時間以上を指定する場合の注意を追加しました。

5.1.2.4.5 I/O完了待ち時間の設定
5.1.2.5.5 I/O完了待ち時間の設定

設定例を変更しました。

6.6 Online/Offlineスクリプトの設定
6.11.2.1.2 Start/Stop スクリプト内で参照できる環境変数

RMSツリーについての注意を追加しました。

7.1.3.1 RMSツリー

I/Oフェンシング機能を使用しているVMware環境の場合の注意を追加しました。

10.5 リソースの削除
10.6.2 Fsystem リソースが制御するファイルシステムのデバイスの変更

各ディレクトリに出力されるcoreのプロセス名を追加しました。

C.3.1 coreファイルの出力先

Primesoft Serverを導入している場合の、1日あたりのログ増加量について参考を追加しました。

C.3.3 ログレベル変更時のログ量

強制停止方式の説明を変更しました。

H.1 VMware環境でのクラスタシステム

共用ディスク関連の設定(I/Oフェンシング機能使用時)の説明を変更しました。

H.2.1.1 関連ソフトウェアのインストールと設定

PRIMEQUEST3000シリーズの場合の手順を追加しました。

M.3.3 マルチユーザモードでの設定変更

ntpdateサービスを使用する場合の注意事項を追加しました。

3.3 PRIMECLUSTERのインストール

第1.2版

強制停止方式の説明を変更しました。

H.1 VMware環境でのクラスタシステム

RHOSP環境でPRIMECLUSTERを使用する場合の説明を追加、変更しました。

付録I RHOSP環境でPRIMECLUSTERを使用する場合

PRIMECLUSTER Lite Pack(LP)の説明を変更しました。

2.1.1 製品の選定

第1.3版

Gdsリソースの動作モードの設定手順を追加しました。

6.7.3.4 Gdsリソースの設定

PRIMECLUSTER Wizard for NASを使用している場合の注意を追加しました。

6.7.5 PRIMECLUSTER対応製品のクラスタサービス登録
10.1 クラスタアプリケーションの追加
10.2.2 userApplicationの削除
10.3 クラスタアプリケーションの変更
10.4 リソースの追加
10.5 リソースの削除
11.1.1 運用属性の変更方法

RHEL6環境でのシステム起動時の注意を追加し、RHEL7環境でのシステム起動時の注意を変更しました。

7.5 運用時の注意点

業務LANのIPアドレスを変更する手順を変更しました。

9.2.1 業務LANのIPアドレスの変更

管理LANのIPアドレスを変更する手順を変更しました。

9.2.2 管理LANのIPアドレスの変更

GDSの構成情報をリストアする手順の説明を変更しました。

M.3.4 GDSの構成情報のリストア

Web-Based Admin View の管理サーバの設定についての注意を追加しました。

4.3.3 Web-Based Admin Viewの初期設定

第1.4版

hvwコマンド実行中の注意を追加しました。

6.7.1 RMS Wizardの起動

マウントポイントの定義に関する説明を追加しました。

6.7.3.2 Fsystemリソースの設定

クラスタアプリケーション設定時の注意点の説明を変更しました。

6.10.2 設定時の注意点

Checkスクリプトのタイムアウト値の説明を追加しました。

6.11.2.2.4 Checkスクリプトのタイムアウトについて

Fsystemリソース作成時の注意を追加しました。

6.12.1 Fsystem の監視

Cluster Admin からログを表示する場合の注意を追加しました。

7.1.3.3 switchlogとアプリケーションログ
7.3.4 PRIMECLUSTERシステムで発生したログを参照する

保守モードを開始する場合の注意を変更しました。

7.2.2.6 クラスタアプリケーションを保守モードにする

Web-Based Admin View で使用する管理 LAN の IP アドレス変更方法について、参照を追加しました。

9.2.2 管理LANのIPアドレスの変更

引継ぎネットワークリソースのホスト名を変更する際の説明を変更しました。

M.3.7.2 引継ぎネットワークを使用している場合