Systemwalker Centric Managerでは、以下の運用形態を管理します。
NIC切替方式
高速切替方式
NIC切替方式
Systemwalker Centric Manager の業務サーバで、PRIMECLUSTER GLSをNIC切替方式で使用した場合のサポート形態を以下に示します。
NIC切替時の特徴を、以下に示します。
サブネットに依存しません。
ルータ、ハブ、LANカードの二重化が必要です。
数十秒で切り替えることができます。
クライアント-サーバ間のLAN二重化をルータのホットスタンバイ機能と合わせて実現することができます。
非クラスタシステムでNIC切替運用する場合の運用モデル
クラスタシステムでNIC切替運用する場合の運用モデル
注意
Systemwalker Centric Managerが動作する引継ぎ方式は、論理IPアドレス引継ぎです。物理IPアドレス引継ぎI、物理IPアドレス引継ぎIIを選択した場合、動作しません。
Global Enterprise Edition(運用管理サーバ)をNIC切替(論理IP引継ぎ)運用し、通信経路を二重化したSVPMと連携する場合の運用モデル
以下の操作を行います。
論理IP引継ぎ機能を使用します。この際、論理IPアドレスを2つ用意し、SVPMの各インタフェースからそれぞれの論理IPアドレスと通信できるように設定してください。
ハードウェア情報定義ファイルの作成(hardctlsetコマンド)は、SVPMのすべてのインタフェースと正常に通信できる状態で行ってください。
Systemwalker Centric Manager Global Enterprise Editionがインストールされた Solaris/Linuxサーバにおいて、PRIMECLUSTER GLSのユーザコマンド実行機能へ以下の処理を登録してください。
IP2に対応する論理インタフェースの活性後の処理
SVPM基本部#0 LAN#0(IP4)および SVPM基本部#1 LAN#0(IP6)との通信における送信元IPアドレスをIP2に設定します。
【Solaris】
/sbin/route add <IP4> <GatewayのIPアドレス> -setsrc <IP2> /sbin/route add <IP6> <GatewayのIPアドレス> -setsrc <IP2>
【Linux】
/sbin/route add -host <IP4> dev <IP2の論理インタフェース名> /sbin/route add -host <IP6> dev <IP2の論理インタフェース名>
IP3に対応する論理インタフェースの活性後の処理
SVPM基本部#0 LAN#1(IP5)および SVPM基本部#1 LAN#1(IP7)との通信における送信元IPアドレスをIP3に設定します。
【Solaris】
/sbin/route add <IP5> <GatewayのIPアドレス> -setsrc <IP3> /sbin/route add <IP7> <GatewayのIPアドレス> -setsrc <IP3>
【Linux】
/sbin/route add -host <IP5> dev <IP3の論理インタフェース名> /sbin/route add -host <IP7> dev <IP3の論理インタフェース名>
登録方法の詳細については、“PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)”を参照してください。
例)
IPアドレスを下記のように設定した場合のユーザコマンド実行機能への登録例を示します。
インタフェース | IPアドレス |
---|---|
IP2 | 10.10.10.11 |
IP3 | 10.10.11.11 |
IP4 | 10.10.20.11 |
IP5 | 10.10.21.11 |
IP6 | 10.10.20.12 |
IP7 | 10.10.21.12 |
IP2のゲートウェイ | 10.10.10.1 |
IP3のゲートウェイ | 10.10.11.1 |
10.10.10.11に対応する論理インタフェースの活性後の処理
【Solaris】
/sbin/route add 10.10.20.11 10.10.10.1 -setsrc 10.10.10.11 /sbin/route add 10.10.20.12 10.10.10.1 -setsrc 10.10.10.11
【Linux】
IFNAME=`/sbin/ip addr show | grep " 10.10.10.11/" | sed -e "s/.* //"` /sbin/route add -host 10.10.20.11 dev $IFNAME /sbin/route add -host 10.10.20.12 dev $IFNAME
10.10.11.11に対応する論理インタフェースの活性後の処理
【Solaris】
/sbin/route add 10.10.21.11 10.10.11.1 -setsrc 10.10.11.11 /sbin/route add 10.10.21.12 10.10.11.1 -setsrc 10.10.11.11
【Linux】
IFNAME=`/sbin/ip addr show | grep " 10.10.11.11/" | sed -e "s/.* //"` /sbin/route add -host 10.10.21.11 dev $IFNAME /sbin/route add -host 10.10.21.12 dev $IFNAME
高速切替方式
Systemwalker Centric Manager の業務サーバで、PRIMECLUSTER GLSを高速切替方式で使用した場合の特徴、およびサポート形態を以下に示します。
同一サブネット内であっても、対抗側もPRIMECLUSTER GLSが必要になります。
LANカードを二重化する必要があります。
瞬時に切り替えが可能です。
バックエンドのアプリケーションサーバとデータベースサーバ間の二重化に適しています。
注意
Global Enterprise Edition(運用管理サーバ)とGSおよびSURE間の通信において高速切替方式を使用することはできません。
非クラスタシステムでの運用モデル
クラスタシステムでの運用モデル
業務サーバ自身のIPアドレスの定義
クラスタシステムで高速切替運用する場合、以下の操作により、業務サーバに業務サーバ自身のIPアドレスを定義します。
業務サーバの自IPアドレスを定義します。
以下のコマンドを実行し、業務サーバの通信用IPアドレスを定義します。opasetip(通信用IPアドレス定義コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
/opt/systemwalker/bin/opasetip -n 送信先ホスト名 -i 仮想インタフェースのIPアドレス -i6 仮想インタフェースのIPアドレス ………(注)
引継ぎ仮想インタフェースのIPアドレスではなく、仮想インタフェースのIPアドレスを指定します。
-iオプションにはIPv4アドレスを、-i6オプションにはIPv6アドレスを指定します。
業務サーバのIPアドレスがIPv4アドレスだけの場合はIPv4アドレスだけを指定します。業務サーバのIPアドレスがIPv6アドレスだけの場合はIPv6アドレスだけを指定します。
Systemwalker Centric Manager を再起動します。
以下のコマンドを実行します。
/opt/systemwalker/bin/pcentricmgr /opt/systemwalker/bin/scentricmgr
例)
クラスタシステムで高速切替運用する場合の運用モデルの例を以下に示します。
IPアドレスをそれぞれ以下のとおりに設定します。
インタフェース | IPアドレス |
---|---|
IP-A1 | 10.10.10.1 |
IP-B1 | 10.10.20.1 |
IP-C1 | 10.10.30.1 |
IP-A2 | 10.10.10.2 |
IP-B2 | 10.10.20.2 |
IP-C2 | 10.10.30.2 |
IP-A3 | 10.10.10.3 |
IP-B3 | 10.10.20.3 |
IP-C3 | 10.10.30.3 |
IP-D | 10.10.30.10 |
Node2(運用系)のファイル名
/opt/systemwalker/bin/opasetip -n 10.10.30.1 -i 10.10.30.2
Node3(待機系)のファイル名
/opt/systemwalker/bin/opasetip -n 10.10.30.1 -i 10.10.30.3