対象バージョンレベル
Systemwalker Centric Manager
Windows版:V13.0.0以降
Solaris版:V13.0.0以降
Linux版:V13.0.0以降
HP-UX版:13.2以降
AIX版:13.2以降
Systemwalker Event Agent
Windows版:V13.0.0以降
Solaris版:V13.0.0以降
Linux版:V13.0.0以降
対処1
確認ポイント
収集対象である被管理サーバで、Systemwalker Centric Manager 、またはSystemwalker Event Agentがインストールされていますか。インストールされていない場合は、"netstat -ao"コマンド(-oオプションはWindowsXP/Windows Server 2003 のみ)にて1105ポートが使用されているか確認してください。
Systemwalker Centric Manager、またはSystemwalker Event Agentがインストールされていない場合も、1105ポートが使用されている場合があります。
原因
収集対象である被管理サーバで、ファイル転送基盤のサービスが使用する1105ポートをほかのプログラムが使用しているのが原因です。
Windows版の場合、1024番から5000番までのサービスポート番号をOSが一時ポートとして割り当てるため、ほかのプログラムが使用する場合もあります。
対処方法
以下のどれかの対処を行ってください。
収集対象である被管理サーバがWindowsの場合、OSが一時ポートとして割り当てるポート番号の範囲を以下のURLを参考にして変更してください。
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;813122
本対応は、レジストリの修正のため、システムバックアップの後行ってください。
被管理サーバにおいて、1105を使用しているプログラムのTCPポートを別の値に変更してください。
運用管理サーバとログ収集対象となっているすべての被管理サーバにおいて、ファイル転送基盤のポート番号(ftranhc)を、OSが一時ポートとして割り当てる範囲(1024-5000)以外のポート番号のうち、空いているポート番号に変更します。その後、Windowsの場合は、“Systemwalker MpTrans”サービスの起動、UNIXの場合は、Systemwalker Centric Managerを起動します。
備考
過去事例として、CA ARCserveという製品が1105ポートを使用しており、上記現象が発生しました。
対処2
確認ポイント
収集対象である被管理サーバ・運用管理サーバとも、互いのホスト名の名前解決がされていますか。
収集対象である被管理サーバがWindowsの場合、運用管理サーバの名前解決に失敗している可能性があります。
名前解決の失敗は、以下の操作で確認ができます。
運用管理サーバにて、以下のコマンドを投入し運用管理サーバのIPアドレスの一覧を出力します。
Windowsの場合
ipconfig -a |
UNIXの場合
ifconfig -a |
収集対象である被管理サーバにて、以下のコマンドを 1.で出力した運用管理サーバのIPアドレスすべてに対して投入します。
ping -a IPアドレス : |
*1:この行にホスト名が表示されない場合は、名前解決ができていない状況と特定できます。
原因
被管理サーバ上で、ファイル転送基盤が運用管理サーバのIPアドレスの名前解決に失敗したためです。
対処方法
被管理サーバのhostsファイルに運用管理サーバのIPアドレスをすべて追加してください。
追加した後、“Systemwalker MpTrans”サービスを再起動してください。
対処3
確認ポイント
Windowsの場合
収集対象である被管理サーバで、"Systemwalker MpTrans"サービスが起動している場合に発生していますか。
UNIXの場合
収集対象である被管理サーバで、"ftranftwc"プロセスが起動している場合に発生していますか。
原因
ログ収集中に、ログ収集対象である被管理サーバで何らかの通信異常が発生し処理を中断しました。しかし、ログ収集コマンドが処理の中断を検知できず、応答待ちの状態になっています。
対処方法
通信異常等何らかの原因により、一定時間被管理サーバからの応答がなかった場合はエラーとなるように、無通信監視時間を設定します。
設定対象サーバ
ログ収集元となる運用管理サーバ
編集ファイル
Windowsの場合
Systemwalkerインストールディレクトリ\Mpwalker.DM\mptrans\etc\mpatmftranf.ini
Systemwalkerインストールディレクトリ\Mpwalker.DM\mptrans\etc\mpatmftranv.ini
UNIXの場合
/opt/FJSVftsv/etc/mpatmftranf.env
/opt/FJSVftsv/etc/mpatmftranv.env
設定内容
編集ファイルの最終行に、以下の2行を追加します。
[SYSTEM] rty_timer = 通信監視時間 |
rty_timerに設定可能な値は以下となります。
0 : 無通信監視を行わない
1~3600: 無通信監視を行う時間(秒)
タイムアウト発生時のメッセージ
mpatm0741 ファイルの転送に失敗しました。ファイル名=[%1]、エラー=[43] |
%1: 転送に失敗したファイル名
備考
rty_timerに設定する値は、ログの容量やネットワークの状況に依存するため、適切な値を見積もるのは難しく、最大値 3600(1時間)を設定することを推奨します。
本タイムアウトの設定により行われる無通信監視は、転送するログファイル1つずつに対して行われます。1回のログ収集コマンドで複数のログファイルを収集する場合、コマンドの実行開始から終了までを一つのタイマーで監視しているわけではありません。
つまり、rty_timer = 3600と設定していても、1つのログファイルの転送に1時間以上かからなければタイムアウトにならず、ログ収集コマンドの実行に1時間以上かかる場合もあります。
3600以内で設定したい場合は、運用環境でかかる時間を測定して適切な値を設定してください。
対処4
確認ポイント
収集対象である被管理サーバにおいて、分割転送時の転送サイズ(分割転送サイズ)が変更されていますか。
“mpatmlogdef DISP”コマンドを実行し、“TRANS SIZE=”の値が60(デフォルト値)より大きな値になっているか確認してください。
原因
転送するファイルサイズが監査ログの分割転送サイズを超えているため、ログの収集に時間がかかっています。
対処方法
mpatmlogdef(ログ収集情報定義コマンド)の“-S”オプションで分割転送サイズを拡張します。
備考
“-S”オプションで指定する値は1~1000(MB)の範囲で指定可能ですが、ネットワークへの負荷を考慮した上で、可能な限り大きな値を指定してください。