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PRIMECLUSTER 活用ガイド<トラブルシューティング編>
FUJITSU Software

10.1 リソースの監視

PRIMECLUSTER が扱うリソースには以下のものがあります。

各リソースを設定すると、リソースを監視するプロセス(ディテクタ)が自動的に設定されます。ディテクタは定周期または非同期にリソースの状態を監視し、その結果を PRIMECLUSTER に通知します。
ディテクタが通知するリソースの状態には、以下の種類があります。

表10.1 ディテクタが通知するリソースの状態

状態

内容

Online

リソースが動作中

Offline

リソースが動作していない

Faulted

リソースに異常が発生した

Warning

リソースは起動しているが一部故障中

Standby

リソースがホットスタンバイの状態

OfflineFault

リソースの故障が回復していない状態

各リソースに自動的に設定されたディテクタは、以下のようにリソースを監視します。

Cmdline リソース

Cmdline リソース は、start/stop スクリプトによる利用者プログラムの起動・停止と Check スクリプトによる利用者プログラムの監視を行う場合に使用します。

Cmdline の監視方法

Cmdline のディテクタとその監視方法、判定条件は以下のとおりです。

  • Check スクリプトによる監視 (hvdet_system)

    Cmdline で定義した Check スクリプト を定周期で呼び出すディテクタです。
    hvdet_system により、Check スクリプトは約 10 秒の間隔(*)で呼び出されます。
    Check スクリプトの復帰値により、該当 Cmdline が正常動作しているかを判断します。

    (*) 約 10 秒の監視間隔はデフォルト値です。

Fsystem リソース

Fsystem リソースは、ファイルシステムを userApplication の起動に合わせてマウントする場合に使用します。

(*) 本機能は Solaris でのみサポートしています。

Fsystem の監視方法

Fsystem 用ディテクタの監視は複数のディテクタによって行われます。それぞれのディテクタとその監視方法、判定条件については、以下のとおりです。

引継ぎネットワーク(Ipaddress)リソース

引継ぎネットワーク(Ipaddress)リソースは、サーバ/クライアントシステムのように、業務 LAN を通じて、クラスタシステム上で動作するクラスタサービスと通信を行うシステムを構築する場合などに使用します。

IP Address の監視方法

IP Address のディテクタとその監視方法、判定条件については、以下のとおりです。

  • IP アドレスの up/down (hvdet_icmp)

    引継ぎ IP アドレスの監視を行うディテクタです。
    約 10 秒の監視間隔(*)で、該当インタフェースの状態が UP 状態となっているかどうかで引継ぎ IP アドレスが正常動作しているかを確認します。
    また、PingHost の設定が行われていれば、該当インタフェースの状態に加えて、PingHost への ICMP パケットの送受信で該当 IP アドレスが正常動作しているかどうかを判断します。

    (*) 約 10 秒の監視間隔はデフォルト値です。

状態遷移プロシジャリソース

状態遷移プロシジャリソースは、SafeCLUSTER 対応製品を PRIMECLUSTER 上で動作させる場合に使用します。

状態遷移プロシジャの監視

状態遷移プロシジャは Online 処理実行時において、状態遷移プロシジャが正常終了すると、そのステータスをリソースデータベースに記載し、Online 状態と判断します。Offline 処理実行時も同様に、状態遷移プロシジャが正常終了し、そのステータスをリソースデータベースに記載して Offline 状態と判定します。

プロセス監視リソース

プロセス監視リソースは、プロセスの生存状態を監視する場合に使用します。

プロセス監視の監視方法

プロセス監視のディテクタとその監視方法、判定条件については、以下のとおりです。

  • prmdデーモンによるユーザプロセスの生存監視 (hvdet_prmd)

    ユーザプロセスの SIGCHLD や /proc ファイル情報を確認し、SIGCHLD の受信がない、および /proc に該当プロセスの情報が存在することで正常動作しているかを確認します。

Gds リソース

Gds リソースは、userApplication の起動・停止に合わせて、GDS で管理されるクラスに含まれる各ボリュームを起動・停止し、クラスおよび各ボリュームの状態を監視する場合に使用します。

Gds の監視方法

Gds のディテクタとその監視方法・判定条件は、以下のとおりです。

  • クラスおよびボリュームの状態監視 (hvdet_gds)

    クラスおよびクラスに含まれる各ボリュームの状態を監視するディテクタです。userApplication がボリュームに I/O を行い、その結果として、GDS がボリュームの故障を検出します。本ディテクタは、GDS からクラスまたはボリュームの状態が変化したときに通知を受け、それを PRIMECLUSTER に通知します。

Gls リソース

Gls リソースは、userApplication の起動・停止に合わせて引き継ぎネットワークの活性化・非活性化をし、ネットワークの状態を監視する場合に使用します。

Gls の監視方法

Gls のディテクタとその監視方法・判定条件は、以下のとおりです。

  • NIC 切替方式 (hvdet_gls)

    ルータ /HUB 監視先として設定したノードに ping 監視を 5 秒周期で実施し、監視します。

  • 高速切替方式

    クラスタ構成内の隣接するノードとの間でハートビートメッセージを 5 秒周期で送受信し監視します。