データベースサーバのOSの起動・停止に合わせて、インスタンスを自動的に起動・停止することができます。
以下に示す手順に従って、インスタンスの自動起動・停止の設定を行ってください。
なお、フェイルオーバ運用においてインスタンスを動作させる場合は、クラスタシステムが起動停止を制御するので、本機能を使用しないでください。また、データベース多重化運用を行う場合には、“クラスタ運用ガイド”の“多重化したインスタンスとMirroring Controllerの自動起動・停止の設定”を参照してください。
パスに記載されている“<xy>”は、製品のバージョンレベルを示します。
インスタンス管理者のOSユーザーアカウントの設定
インスタンス管理者のOSユーザーアカウントでログインした場合に、インスタンスの起動に必要な環境変数を設定するようにします。
シェルスクリプトの作成
以下に格納されているシェルスクリプトのサンプルを、/etc/init.d配下に複写し、アクセス権を設定して登録します。また、シェルスクリプトは対象とするインスタンスにあわせて修正します。
FUJITSU Enterprise Postgresのインストールディレクトリ/share/rc_fsepsvoi.sample
修正する内容は、以下です。
“SYMDATA”変数は、データ格納先ディレクトリを設定してください。
“SYMUSER”変数は、手順1で説明したインスタンス管理者のOSユーザーアカウントを設定してください。
インストールディレクトリが“/opt/fsepv<xy>server64”、シェルスクリプトを“rc_fsepsvoi_inst1”として作成した場合の例を示します。
# cp /opt/fsepv<xy>server64/share/rc_fsepsvoi.sample /etc/init.d/rc_fsepsvoi_inst1
# chmod 755 /etc/init.d/rc_fsepsvoi_inst1
シンボリックリンクの作成
手順2で複写したシェルスクリプトへシンボリックリンクを作成します。
自動起動させるため、以下のディレクトリに対してシンボリックリンクを作成します。
/etc/rc2.d
シンボリックリンクの名前には、“S”の文字と2桁の数字を付けて、他に自動起動されるサービスとの起動順序を指定します。
FUJITSU Enterprise PostgresはネットワークなどのOSの基本的なサービスの起動を前提にするため、できるだけ大きな数値を付けて、後の方でインスタンスを起動するように設定してください。
下記は、インスタンス“inst1”を自動起動するように設定している例です。
# ln -s /etc/init.d/rc_fsepsvoi_inst1 /etc/rc2.d/S85fsepsvoi_inst1
自動停止させるため、以下のディレクトリに対してシンボリックリンクを作成します。
OSの通常停止、シングルユーザーモードでのOS起動、OSの再起動に対する設定です。
/etc/rc0.d
/etc/rc1.d
/etc/rcS.d
シンボリックリンクの名前には、“K”の文字と2桁の数字を付けて、他の自動停止されるサービスとの停止順序を指定します。
FUJITSU Enterprise PostgresはネットワークなどのOSの基本的なサービスより前に停止する必要があるため、できるだけ小さな数値を付けて、初めの方でインスタンスを停止するように設定してください。ただし、この数値は、起動順と停止順の整合を取るために、100から自動起動の設定で指定した数値を引き算した値を指定します。
下記は、インスタンス“inst1”を自動停止するように設定している例です。
# ln -s /etc/init.d/rc_fsepsvoi_inst1 /etc/rc0.d/K15fsepsvoi_inst1 # ln -s /etc/init.d/rc_fsepsvoi_inst1 /etc/rc1.d/K15fsepsvoi_inst1 # ln -s /etc/init.d/rc_fsepsvoi_inst1 /etc/rcS.d/K15fsepsvoi_inst1