ここでは、NetCOBOL運用環境について、NetCOBOL V10.2.0以降で実施された障害修正により動作が変わるものを、以下の表で説明します。
項番 | VL(注) | P番号 | 変更内容 |
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1 | V12.0.0 | PH15066 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、富士通メインフレーム形式の内部浮動小数点項目の値がゼロであるにもかかわらず、2進項目へ変換した結果がゼロにならない問題を修正しました。(注1) 注1: メモリの状態に依存します。(不定)
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2 | V12.0.0 | PH15042 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、SORT文の整列結果が正しくない問題を修正しました。
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3 | V11.0.0 ~ V11.0.1 | PH10390 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、DISPLAY-OF関数で後置空白を含む日本語文字を英数字文字に変換すると、後置空白が除去されずに変換されてしまう問題を修正しました。(注1) 注1: 発生頻度はメモリの状態に依存します。
*: Windows(x64) NetCOBOL V10.1、V10.2、V10.3、またはV10.5 |
4 | V10.1.0 ~ V11.0.0A | PH06622 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、FORMAT句なし印刷ファイルのREDEFINES句を指定した項目を含む集団項目の出力で、CHARACTER TYPE句またはPRINTING POSITION句が有効にならず、指定した印字属性または印字位置が正しく出力されない問題を修正しました。 UNICODEアプリケーションの場合、上記現象に加えて、以下の現象が発生する場合があります。
[条件]
* :次のどちらかの項目にREDEFINES句を指定した場合、COBOLプログラムの翻訳時にJMN2224I-W が出力され、項目に指定したCHARACTER TYPE句またはPRINTING POSITION句が無効であることを警告されます。
[現象が発生するプログラム例] DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 DATA1.
03 DATA2.
05 DATA31.
07 DATA31A PIC X(10).
05 DATA32 REDEFINES DATA31.
07 DATA32A. *>発生条件4
09 DATA32A1 PIC X(5).
09 DATA32A2 PIC X(5).
05 DATA33. *>発生条件5
07 DATA33A PIC N(5) MODE-1.
PROCEDURE DIVISION.
WRITE PRINT-REC FROM DATA1 AFTER PAGE. *>発生条件3 |
5 | V11.0.0 | PH03200 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、索引キー項目の大小順序どおりにレコードが書き出されない問題を修正しました。 派生する現象として、 意図したレコードが読み込まれない場合があります。
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6 | V10.1.0 ~ V10.5.0A、 V11.0.0 | PH01026 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、日本語空白を2バイトのANK空白と見なした文字比較が正しく判定されない問題を修正しました。
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7 | V11.0.0 | PH00258 | 以下の条件の場合、Unicodeアプリケーションの実行時に、可変長の日本語項目と表意定数との文字比較が正しく行われない問題を修正しました。 具体的には、COBOLプログラムのIF文等で文字比較をしたとき、等しくないにもかかわらず、等しいと誤って判定されることがあります。
*: エンディアンがリトルエンディアンになる条件は、以下のどれかの場合。
[可変長のコーディング例] DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 NDATA PIC N(100) VALUE NC"富士通ふじつう". 01 LEN PIC 9(3) VALUE 10. 01 COUNTER PIC 9(3). PROCEDURE DIVISION. MOVE 4 TO COUNTER. IF NDATA(4:10) = SPACE ~ <---- OK(固定長) IF NDATA(4:) = SPACE ~ <---- OK(固定長) IF NDATA(4:LEN) = SPACE ~ <---- NG(可変長) ★★ IF NDATA(COUNTER :10) = SPACE ~ <---- OK(固定長) IF NDATA(COUNTER:) = SPACE ~ <---- NG(可変長) ★★ IF NDATA(COUNTER:LEN) = SPACE ~ <---- NG(可変長) ★★ |
8 | V10.1.0 ~ V10.5.0 | PG97090 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、NATIONAL-OF関数で変換した文字に対応する日本語文字がなかった場合、引数-2に指定した代用文字に正しく置き換わらない問題を修正しました。
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9 | V10.1.0 | PG79859 | 以下の条件の場合、NetCOBOL Studioのリモートデバッグ機能を使用してCOBOLアプリケーションをデバッグしたとき、デバッグ中に以下の予期せぬメッセージが出力される問題を修正しました。 ドライブにディスクがありません。ディスクをドライブに挿入してください。
*:デバッグ情報ファイル(PDBファイル)は、リンクコマンドにリンクオプション"/DEBUG"を指定した場合に作成されます。 |
10 | V10.1.0 | PG79852 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、アプリケーションエラーまたは実行時メッセージが発生したとき、診断機能において、診断レポートを出力する前に以下の予期せぬメッセージが出力される問題を修正しました。 ドライブにディスクがありません。ディスクをドライブに挿入してください。
*:デバッグ情報ファイル(PDBファイル)は、リンクコマンドにリンクオプション"/DEBUG"を指定した場合に作成されます。 |
11 | V10.1.0 | PG77099 | 以下の条件の場合、実行環境変数@CBR_SSIN_FILE=THREADが有効にならず、ACCEPT文のファイル入力で、プロセスで1つの入力ファイルが共有される問題を修正しました。(*)
*:実行環境変数@CBR_SSIN_FILE=THREADを指定した場合、ACCEPT文のファイル入力で、スレッド単位に入力ファイルをオープンできます。 |
12 | V10.1.0 ~ V10.5.0 | PG76651 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、長さの異なる日本語項目(日本語編集項目、組込み関数を含む)同士の大小比較の結果が正しくない問題を修正しました。
[注意]V11.0以降のNetCOBOLコンパイラで翻訳した場合のみ修正されます。 |
13 | V10.1.0 | PG73346 | 以下の条件の場合、COBOLアプリケーションの実行時に、実行時メッセージJMP0320I-I/Uに埋め込まれる8桁の16進文字の下位4桁に不要なゼロ列が設定される問題を修正しました。
*:ファイルの高速処理(BSAM)を指定している場合、該当しません。 |
注:VLは、障害が存在する範囲を示します。