業務運用中にハードウェア障害やソフトウェア障害など不測の事態が発生して、システムダウンなどに陥った場合に備え、クラスタサービス機能を使用することでシステムの高信頼化を実現できます。
クラスタサービス機能での引き継ぎ処理は、回線を引き継ぐこと(IPアドレス引き継ぎ)ができます。さらに、システムを構成する様々なハードウェアやソフトウェアにも対応しています。
Interstageでは、1台または複数台の運用中のサーバマシン(運用ノード)とは別に、万一の場合に備えて運用待機しているサーバ(待機ノードと呼びます)を用意します。また、運用ノードと待機ノードの共用ディスク上にデータを配置します。
ハード異常などで運用ノードがダウンした場合には、待機ノードに業務を引き継ぎます。この際、IPアドレスも引き継がれます。また、待機ノードから共用ディスクへアクセスすることで運用ノードからのデータの引継ぎが行えます。これにより、業務全体を停止させることなく運用を継続できるようにする機能をクラスタサービス機能といいます。
クラスタシステム
クラスタサービス機能は、Interstage Application Server Enterprise Editionで提供されるものであり、下記のクラスタシステム上で動作します。
クラスタサービス機能を活用するためには、上記に対する知識が必要となります。詳細はクラスタシステムのマニュアルを参照してください。
運用形態
運用マシンと待機マシンについて、以下の形態を用意しています。
運用ノードが障害時に待機ノードで業務を自動的に引き継ぎます。
適用対象サーバ
クラスタサービス機能は、Interstage Application Serverのアプリケーションサーバ機能を導入しているサーバに対して使用できます。
クラスタシステム上で使用できるサービス
Interstageが提供するサービス群のうち、クラスタシステム上で使用できるサービス/使用できないサービスを以下の一覧表に示します。
サービス名 | サービスの利用可否 | ||||
Interstage HTTP Server | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Interstage HTTP Server 2.2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Servletサービス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
EJBサービス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Interstage JMS | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
CORBAサービス(ObjectDirector) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
イベントサービス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
コンポーネントトランザクションサービス(TransactionDirector) | ○ | - | - | ○ | - |
データベース連携サービス(ObjectTransactionService) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
MessageQueueDirector | ○ | ○ | - | ○ | ○ |
Interstage シングル・サインオン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Interstage ディレクトリサービス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Java EE 6 | × | × | × | × | × |
Java EE 7 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
○:使用できます。
×:使用できません。
-:機能を提供していません。
注意
global zoneでクラスタサービス機能を使用する場合、non-global zoneにInterstage Application Serverをインストールしないでください。また、non-global zoneでクラスタサービス機能を使用する場合は、global zoneにInterstage Application Serverをインストールしないでください。