ここでは、Windows上で作成した帳票をUNIX系OS上でテスト印刷する場合に利用するコマンドについて説明します。
prtestコマンド(帳票様式のレイアウトをテスト印刷する)
コマンド実行時には、次の環境変数を設定してください。なお、コマンドをコマンドラインから実行する場合は、BourneシェルまたはCシェル上で実行してください。これ以外のシェル上で実行すると、コマンドオプションで指定する日本語が正しく解釈されず、正しく動作しない場合があります。
LD_LIBRARY_PATH(List Creatorのライブラリ格納フォルダを指定する)
PATH(List Creatorのコマンド格納フォルダを指定する)
LANG(コマンドの実行環境の文字コード系(コマンドがコマンドオプション、帳票などを扱うときの文字コード系)を指定する)
OA_EUCTYPE(EUCコード種別を指定する)
OA_ASSETSDIR(List Creatorの帳票格納ディレクトリを指定する)
List Creatorのライブラリ格納フォルダを指定する環境変数です。
この環境変数にList Creator の以下のライブラリ格納フォルダが最優先になるように追加してください。
「/opt/FJSVoast/lib」
この環境変数は、必ず指定してください。
LD_LIBRARY_PATH=/opt/FJSVoast/lib:$LD_LIBRARY_PATH |
List Creatorのコマンド格納フォルダを指定する環境変数です。
コマンドをコマンド名だけで実行したい場合に、この環境変数にList Creatorのコマンド格納フォルダ(「/opt/FJSVoast/bin」)を追加してください。
なお、コマンドをフルパスで実行する場合は、この環境変数を指定する必要はありません。
PATH=/opt/FJSVoast/bin:$PATH |
コマンドの実行環境の文字コード系(コマンドがコマンドオプション、帳票などを扱うときの文字コード系)を指定する環境変数です。
入力データ形式が「可変長」、「固定長」、または「CSV 形式」の場合は、入力データもこの文字コード系で扱います。
この環境変数は、必ず指定してください。
指定できる値(*1) | 意味 |
---|---|
ja(*2) | EUCコード系であることを示します。 |
ja_JP.PCK | Shift-JISコード系であることを示します。 |
ja_JP.UTF-8 | UNICODE(UTF8)コード系であることを示します。 |
*1:
指定できる値以外の値(文字列)が指定された場合、帳票出力時に日本語が表示されないなどの問題が発生します。
*2:
「ja」または「ja_JP.eucJP」を指定した場合は、必ず環境変数OA_EUCTYPEでEUCコード種別(「u90」または「s90」)を指定してください。なお、「ja」または「ja_JP.eucJP」のどちらを指定しても、動作に違いはありません。
指定できる値(*1) | 意味 |
---|---|
ja_JP.eucJP(*2) | EUCコード系であることを示します。 |
ja_JP.UTF-8 | UNICODE(UTF8)コード系であることを示します。 |
*1:
指定できる値以外の値(文字列)が指定された場合、帳票出力時に日本語が表示されないなどの問題が発生します。
*2:
「ja_JP.eucJP」を指定した場合は、必ず環境変数OA_EUCTYPEでEUCコード種別(「u90」または「s90」)を指定してください。
*3:
【Linux for x86/Linux for Itanium版】の場合、「en_US.UTF-8」は未サポートです。
環境変数LANGにEUCコード系(「ja」または「ja_JP.eucJP」)を指定した場合に、EUCコード種別を指定する環境変数です。
環境変数LANGにEUCコード系を指定した場合は、この環境変数でEUCコード種別(「u90」または「s90」)を必ず指定してください。
なお、環境変数LANGにShift-JISコード系(「ja_JP.PCK」)またはUNICODE(UTF8)コード系を指定した場合は、この環境変数を指定しても無効になります。
指定できる値 | 意味 |
---|---|
u90(*1) | EUC(U90)コード系であることを示します。 |
s90(*1) | EUC(S90)コード系であることを示します。 |
*1:
必ず小文字で指定してください。
*2:
環境変数LANGにEUCコード系を指定したときにこの環境変数を指定しないと、以下の文字が正しく出力されない場合があります。
‐利用者定義文字(U90 / S90)
‐OASYS拡張漢字(U90)
‐JEF拡張漢字/非漢字(U90)
‐JIS漢字/非漢字のうち83年度JISで字体変更された文字、および90年度JISで追加された文字(U90 / S90)
(1) EUC(U90)コード系を指定する場合
LANG=ja_JP.eucJP |
(2) EUC(S90)コード系を指定する場合
LANG=ja_JP.eucJP |
(3) Shift-JISコード系を指定する場合(【Solaris版】の場合)
LANG=ja_JP.PCK |
(4)UNICODE(UTF8)コード系を指定する場合
LANG=ja_JP.UTF-8 |
注意
テストコマンドでは入力データを用意する必要はありませんが、入力データに合わせて、帳票の文字コード系の変換、およびコマンドオプションの指定をする必要があります。帳票やコマンドオプションは、実際に帳票の出力時に使用する入力データと同じ文字コード系にしておく必要があります。
List Creatorの帳票格納ディレクトリを指定する環境変数です。
帳票格納ディレクトリは、以下に示す方法で指定できます。番号は、帳票格納ディレクトリが複数の方法で同時に指定された場合に有効になる優先順序です。
コマンドオプション(-assetsdir)で指定した帳票格納ディレクトリ
環境変数OA_ASSETSDIRで指定した帳票格納ディレクトリ
prsetassetsdirコマンドで設定した帳票格納ディレクトリ
OA_ASSETSDIR=/home/user1 |
帳票様式のレイアウトをテスト印刷します。
コマンドの記述形式を示します。
[ ]は、省略できることを示します。
prtest [ -assetsdir 帳票格納ディレクトリ ] [ -d FM出力時のプリンタ機種名/FNP出力指定 ] [ -n 印刷プリンタ名 ] "帳票名"
prtest [ -assetsdir 帳票格納ディレクトリ ] [ -d FNP出力指定 ] [ -n 印刷プリンタ名 ] "帳票名"
オプションについて説明します。
帳票格納ディレクトリを512バイト以内のフルパスで指定します。
省略すると、以下の優先順序で有効になります。
環境変数OA_ASSETSDIRで指定した帳票格納ディレクトリ
prsetassetsdirコマンドで設定した帳票格納ディレクトリ
注意
帳票格納ディレクトリの末尾には、「スラッシュ(/)」を指定しないでください。
プリンタにFM出力またはFNP出力する場合に、印刷するプリンタ機種名を指定します。
VSP4620Aプリンタ装置の場合に指定します。
VSP4720、またはVSP4730Bプリンタ装置の場合に指定します。
VSP4902プリンタ装置の場合に指定します。
VSP4971、またはVSP4980プリンタ装置の場合に指定します。
VSPシリアルプリンタ装置の場合に指定します。
プリンタ機種名は、VSP2740、VSP2740B、VSP3601A、VSP3710A、VSP3710B、VSP3802A、またはVSP3802Bです。
FNP出力を行う場合に指定します。
FNP出力を行う場合に指定します。
省略すると、PostScript出力されます。
注意
プリンタにPostScript出力する場合は、このオプションを指定しないでください。
FNP出力する場合、ここでの指定とは別に、必ず-nオプションで実際に印刷するプリンタ名を指定する必要があります。
List Creatorでは、以下のプリンタ装置で出力できることを確認しています。
帳票出力サーバがSolarisの場合
VSP4902、VSP4971
帳票出力サーバがLinuxの場合
VSP4720
使用する印刷プリンタ名を指定します。
省略すると、LP印刷サービス、またはプリンタ設定で設定したデフォルトプリンタに指定したプリンタが有効になります。
注意
印刷用プリンタ以外のプリンタを指定した場合、またはデフォルトプリンタが印刷用プリンタになっていない場合、テスト印刷は正しく行われません。
帳票名を「ダブルクォーテーション(")」で囲んで指定します。
帳票名は、必ずコマンドラインの最後に指定してください。
FM出力で、プリンタ「lp0(プリンタ機種名VSP4701)」に、「/home/user1」配下の「URIAGE」という帳票様式のレイアウトをテスト印刷します。
帳票「URIAGE」の文字コード系はEUC(u90)です。
PATH=/opt/FJSVoast/bin:$PATH |
FNP出力で、プリンタ「lp0」に、「/home/user1」配下の「URIAGE」という帳票様式のレイアウトをテスト印刷します。
帳票「URIAGE」の文字コード系はEUC(u90)です。
PATH=/opt/FJSVoast/bin:$PATH |
PostScript出力で、プリンタ「lp0」に、「/home/user1」配下の「URIAGE」という帳票様式のレイアウトをテスト印刷します。
帳票「URIAGE」の文字コード系はUNICODE(UTF8)です。
PATH=/opt/FJSVoast/bin:$PATH |
復帰値を示します。
復帰値 | 意味 |
---|---|
0 | 正常終了 |
0以外 | 異常終了 |
以下の種別の項目は、擬似データを使用して印刷されます。
項目種別 | 擬似データの印刷形式 |
---|---|
数字項目 | 指定された項目長・編集形式の擬似データ「9999....」 ただし、編集形式が日付の場合は、指定された項目長・編集形式の現在の日付 |
テキスト項目 | 指定された項目長の擬似データ「XXXX....」 |
ラジオボタン項目 | 選択されません(選択時情報と非選択時情報に指定されている文字列の長い方の項目長の擬似データ「XXXX....」が指定されたものとして動作します)。 |
バーコード項目 | 指定されたバーコード種別・項目長の擬似データ「9999....」のバーコード(*1) |
組込みメディア項目 | テスト印刷用ビットマップ |
日付項目 | 指定された項目長・編集形式の現在の日付 |
時刻項目 | 指定された項目長・編集形式の現在の時刻 |
*1:
code 3 of 9(EIAJ準拠)の場合、以下のようなデータが印刷されます。
Z9999…
EAN-128(コンビニエンスストア向け)の場合、以下のようなデータが印刷されます。
91999…
1部だけ印刷されます。
帳票業務情報のプロパティ画面の[印刷]タブの印刷属性設定画面で設定した情報は無効になります。
集計表形式またはフリーフレーム形式の帳票の場合、各パーティションが1回ずつ印刷されます。