Apcoordinatorでは、電子フォームを使ったアプリケーションを作成することができます。
この機能は、Interstage Business Application Server V9以前のFormcoordinator機能との互換のために残しています。
電子フォームアプリケーションは、画面や帳票の電子フォームを利用して申請処理や伝票処理をWeb上で実現します。Apcoordinatorの電子フォームには以下の特長があります。
簡単設計
システムの拡張や連携に柔軟に対応できます
Java APIが用意されているので、サーブレット、JavaServer Pages(JSP)でWebアプリケーションを作成できます。
そのため、Webサーバ、およびInterstage Application Serverなどのアプリケーションサーバとの連携が容易であり、小・中規模から大規模に至るあらゆるシステムのフロントエンドに使用できます。
XMLを使用したデータ流通が可能です
電子フォームの入出力データをXMLで扱うことができます。XMLはデータの加工性および流通性に優れるため、複数企業間での情報共有を始め、異なるシステムやアプリケーション間での連携した処理に利用することができます。
XMLのデータ構造は、電子フォームデザイナを使用してツリーイメージで設計できます。
電子フォームに入力したデータを保存して利用できます
電子フォームに入力したデータを保存したファイルは、XMLデータ形式で保存されます。文字コードはUTF-8です。保存したファイルは、XMLデータ形式を読み込めるアプリケーションでファイルを取り込んで利用できます。
セキュリティに対応したシステムを構築できます
Webブラウザ、WebサーバのSSL機能を利用することで、データの受け渡しを暗号化できます。そのため、WebブラウザとWebサーバとの間の通信に対して、データの機密保持、および改ざん防止が可能になります。
簡単操作
紙のイメージでの入力ができます
紙の帳票をそのままのレイアウトおよび書式でWebブラウザに表示して、データを入力できます。紙に記入するときと同じ感覚で入力できるため、違和感なく業務を行うことができます。
また、Internet Explorerを使用する場合は、Interstage Charset Manager Standard Edition Web入力 Agentと連携することで、外字入力のためのアプリケーションのクライアント側へのインストールや外字の登録を行うことなくWebブラウザ上で外字を入力できます。
Webブラウザだけがあればすぐに使用できます
電子フォームは、Webブラウザだけですべて操作できます。そのため、Webブラウザが使用できる環境があれば、いつ、どこででも使用できます。また、WebブラウザはInternet Explorerが使用できます。
入力値のチェックや計算をWebブラウザ上で実行できます
入力値のチェックや計算をWebブラウザ上で実行できます。また、Webブラウザ上で入力したデータに応じて項目の表示/非表示および必須チェック指定を変更することができます。
Webブラウザ上での入力操作性を向上できます
Webブラウザ上で操作するとき、ドロップダウンリストボックスで選択する内容に応じて、次に入力するドロップダウンリストボックスの内容を変更したり、電卓やカレンダーなどを使用して簡単に値を入力したりできます。
そのため、Webブラウザ上での入力操作性を向上させることができます。
電子フォームへのアクセスを容易にできます
音声ブラウザ(ホームページ・リーダ)をサポートします。電子フォームの内容を音声で読み上げるため、入力操作を容易にすることができます。
コマンドボタンをクリックするだけで印刷できます
クライアント印刷と呼ばれる印刷では、電子フォームに定義したコマンドボタンをクリックするだけで印刷できます。
クライアント印刷を行う場合は、本製品が提供するクライアント部品(印刷機能)を使用します。
別ウィンドウと連携できます
電子フォームから別のウィンドウを開いたり、別のウィンドウまたは別のフレームから電子フォームを操作することができます。
簡単保守
電子フォームの変更にも容易に対応できます
システムの運用後でも、電子フォームのレイアウトは簡単に変更できます。
入出力データに影響しない、レイアウトや入力値チェックの変更であれば、Webアプリケーションを変更する必要はありません。
電子フォームアプリケーションでは、電子フォームに対する以下の処理が可能です。
電子フォームの表示
電子フォームへのデータの設定
電子フォームで入力したデータの参照
電子フォームアプリケーションの構成は以下の2通りがあります。
電子フォームアプリケーション全体をApcoordinatorフレームワークの利用で構成する。
電子フォームのみにApcoordinatorを利用する。その他の部分は一般的なサーブレットを使用して作成し、Apcoordinatorのフレームワークを使用しない。
前者の構成の場合、後者に比べて、処理の振り分けや画面遷移の処理が容易に作成できます。また、“第2部 Apcoordinatorコアの機能”が利用できます。そのため、電子フォームアプリケーション全体をApcoordinatorフレームワークを利用して構成する方法を推奨します。
本マニュアルではアプリケーション全体をApcoordinatorフレームワークを利用して作成する方法を説明します。
電子フォームアプリケーション全体をApcoordinatorフレームワークを利用して作成した場合の、電子フォームアプリケーションの主な構成要素を以下の図に示します。
なお、電子フォームアプリケーションの実行時にはFujitsu XML プロセッサが必要です。詳細は“13.2 実行時に必要なソフトウェア”を参照してください。